渡辺真也さんの連続ツイート 「『日本国憲法第９条にかける私の想い - ベアテ・シロタ・ゴードンさんロングインタビュー』公開に寄せて」

Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

（拡散希望）連続ツイート 「『日本国憲法第９条にかける私の想い - ベアテ・シロタ・ゴードンさんロングインタビュー』公開に寄せて」 ＊インタビューはこちらで読めます。 http://t.co/56k7nxRUUN

Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(ベ1)ニューヨーク大学大学院にてユーゴスラビアにおける国民国家問題の論文を書き上げた後、私はユーゴや沖縄など国民国家の狭間に生きるアーティストと一緒に、国家のオルタナティブを考える展示「Another Expo - Beyond the Nation-States」を開催した。

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(ベ2)ネーションを分断する宗教に関して中立である日本に、セルビアとボスニアからアーティストを招きプラットフォームを行い、愛知万博会期中の8月15日、第60回目の終戦記念日にニューヨークで展示し、国民国家のオルタナティブを考察した。 http://t.co/viYPGO0aQm

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(ベ3)ボスニア人アーティストのセイラ・カメリッチを京都に招いて滞在制作している際、京都の複数の大学にて行ったレクチャーにて、こういった質問を何度か受けた。「日本には日本国憲法第九条があり、交戦権や軍事力の保持を認めていません。ボスニア出身のあなたに、それはどう映りますか？」

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(ベ4)セイラは「日本が交戦権や軍事力を認めていない点は素晴らしいことです。ぜひそれを守って下さい」と答えた。しかしセイラ自身は、セルビア軍によるサラエボ包囲にて父を失い、NATO軍により救出された経験を持つことから、軍事介入そのものを支持せざるを得ない当事者の立場に居た。

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(ベ5)この展示企画が終わった後、私は日本国憲法第九条について考えざるを得なくなった。そんな矢先、あるアメリカ人から、日本国憲法を起草したGHQのメンバーがまだご存命であること、その方がジャパン・ソサエティとアジア・ソサエティのディレクターを務めていたことを伺い、とても驚いた。

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(ベ6)これはどうしてもその方にお会いしてお話を伺いたい、またもしもシンポジウムを開催するのであれば、日本国憲法の規定する非戦のメッセージは国民国家を超えたグローバルなものであるから、会場はジャパン・ソサエティではなく、アジア・ソサエティが相応しいのではないか、と考えた。

Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(ベ7)アジア・ソサエティにて初めてベアテさんとお会いした際、複数の言語を操る高齢のベアテさんの優秀さに驚くと同時に、芸術の素養があり人格的にも優れた彼女の様な方が偶然にも日本国憲法を起草したことは日本にとって大変幸運なことであり、これはある種の奇跡なんだ、と強く感じた。

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(ベ8)またベアテさんとお話をする中、日本国憲法にはヨーロッパでジェノサイドを体験したユダヤ系アメリカ人たちの非戦の理想が反映されていることに気付かされ、日本国憲法が先の大戦における日本とその侵略国の犠牲のみならず、世界中の多くの犠牲の上に成り立っていることを痛感した。

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(ベ9)その後、私が憲法第九条をテーマとしたアトミックサンシャイン展をニューヨークで作るきっかけになったのは、アメリカではイラク戦争直後にアメリカがイラク憲法を作ろうとしていた頃、そして日本では第一次安倍政権が憲法改正を公約に掲げ、世論調査の改憲派が護憲派を上回った時だった。

Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

(ベ10)戦争の記憶が風化しつつあり、憲法改正の足音が聞こえて来ている今、全くの偶然から日本国憲法起草メンバーとなったベアテさんの声に、耳を澄ましてみませんか。これを読んで下さった日本国の主権者である皆さん一人一人が、日本国憲法について考える機会となれば幸いです。