《トルコに日本の金で原発を作ってはいけない理由をザックリ》

「トルコに日本の原発を輸出」という間違った見出しのニュースが駆け巡っています。 この計画の問題点を、とりあえず、まとめました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0【トルコに日本の金で原発を作ってはいけない理由をザックリ】勘違いしてる人も多いし、政府自身が意図的に勘違いさせようとしているが、トルコに作る約束をしたのは、日本製の原発ではない。三菱が提携した、フランスのアレバ社の元設計の原発を作ることに、日本が国家として関る約束をしたのだ。

2013-05-12 22:41:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 現在、旧西側諸国で残されている原発の技術は3系統。東芝に伝わった米国GE社の系統。日立に伝わった米国WH社の系統。この2系統は、元設計をした技術者を米国の企業が切り捨てたので、実は元設計技術が米国にもない。日本には、元設計の理念と技術は伝わっていない。

2013-05-12 22:44:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 米国はスリーマイルアイランド原発の事故以後、国民の監視が厳しく、チェルノブイリ原発事故で原発製造の息の根を完全に止められて、技術を日本企業に売却した。ただし、その前に基本設計をした技術者は、会社を去っていたらしい。日本の企業が買ったのは、企業の原子力部門と権利だったのだろう。

2013-05-12 22:50:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 したがって、日本の東芝と日立は、米国の2社の原子力部門は買い取ったが、ゼロから図面を引く能力は保持していない。引き継いだ原子力発電所の図面はあるだろうし、それをコピーしたり微修正したりする能力もあるだろうが、新型炉の設計技術など、持ち合わせてはいない。

2013-05-12 22:51:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 おまけに触れておくと、日本オリジナルの原子力発電施設は、今まで一つも実用化できていない。常陽、ふげん、もんじゅ、いずれも所期の目標を達成できていないし、商業的には完全な失敗作だ。また、英国製の原発技術も存在したのだが、今やその技術は継承されていない。東海第一が英国設計だった。

2013-05-12 22:58:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 旧西側諸国では、残るもう一つの系統が、フランスのアレバ社の元設計技術だ。しかし、アレバ社もチェルノブイリ原発事故により、西欧諸国でも健康被害が出たり摂取禁止食物が出たりしたので、原子力部門は斜陽となっていた。国内だけでは、出資企業も集まらず、提携先を探していた。

2013-05-12 23:02:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 そのアレバ社に協力を申し出たのが、旧西側諸国ではたった一つ、日本の三菱だった、というわけだ。「あれ?韓国は?」という話が出てきそうだが、韓国の原発技術は米国WH社の技術のコピーで、現在はWHと、その提携先の日立の承諾抜きには作れない。韓国単独の原発輸出はできない、という事だ。

2013-05-12 23:09:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 だから、どっかの大学教授が言うように、「韓国の原発よりも日本の原発がマシ」などという話は、まったくの無知をさらしている。または、知っているのに知らない振りをしているのだろう。WH社と日立と、韓国で、元設計は同じWH社の技術で、いずれにしても元設計理念は、すでに喪失している。

2013-05-12 23:12:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 ザックリいくために、ここからは駆け足で話を進める。今回トルコが導入を決めたのは、フランスアレバ社の元設計。日本の三菱が技術提携し、その保証を日本政府が行う、という話。さて、これから作る原発の保証を、日本政府がしてしまったのだ。元設計の企業がある、フランスの政府ではなく。

2013-05-12 23:16:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 日本には、アレバ社の元設計で作られた原発は、これまで存在しない。ところで、アレバ社の原発技術も、元を正せば米国WH社の技術から来ているのだが、1970年代に技術の自国化に成功したことになっている。その後、他国に原発を作っていることから考えて、一応WH社抜きでは作れるらしい。

2013-05-12 23:25:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 トルコに作るのはアレバ社の技術という事になれば、WH社系の加圧水型原子炉になるのだろう。それに日本が政府保証をつけるということになると、技術的には厄介なことになる。三菱とアレバ社の組み合わせで作る原発は、今回が初、という事になる。過去の実績がないのだ。

2013-05-12 23:29:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 過去の実績がない組み合わせで作る原発、さらにはこれまで原発がない。しかも、原子炉は「ATMEA 1」という、新型のフルMOX炉が計画されているという。フルMOXと言えば、日本でも大間で建設が進んでいる原子炉だが、実は実績に乏しい。当然、信頼性も高いとは言えない。

2013-05-12 23:36:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 これまで原発がなかったトルコには、当然ながらMOX燃料の材料、プルトニウムも存在しない。では、どこにあるプルトニウムを持っていくのか?当然ながら、世界で一番用途不明のプルトニウムを所持している国、日本だろう。ここが実は、きな臭い話になる。

2013-05-12 23:38:32
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 アレバ社と三菱のタッグで稼動している原発はないが、稼動予定の原子力施設なら、日本国内にあるのだ。六ヶ所村の再処理施設だ。では、この施設の計画と、稼動実績はどうか?まったくのダメダメなのだ。建設は遅れ、トラブル続きで本格稼動はできず、再処理が行き詰っている。

2013-05-12 23:41:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 東電原発事故でも問題になった、原発の使用済み燃料プールに、使用済み燃料が大量にあるのは、この六ヶ所村の再処理施設が計画通りに稼動していないからなのだ。つまり、アレバと三菱のタッグは、失敗の実績しか残せていない組み合わせなのだ。そのタッグで、新型のフルMOX炉をトルコに作る。

2013-05-12 23:44:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 おそらく、米国もIAEAも、日本に存在する大量のプルトニウムをなんとか始末させたいので、この計画には口出ししないだろう。が、計画が上手くいかなかったとき、責任を取るのは、今回のセールス成立を見ると、日本政府なのだ。計画が遅延した場合の損害賠償を、政府間で求められる心配もある

2013-05-12 23:46:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 さらには、トルコの原発が事故を起こした場合、保証したのが日本政府という事になれば、事故の責任をかぶる可能性もある。もっと困る話で言うと、その原発技術を応用して、トルコが核武装を計画した場合の責任問題に発展する事だってありえる。

2013-05-12 23:48:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 また、万が一レベルの話だと私は思っているが、このプロジェクトが成功して、計画通りに発電が進んだとしても、大きな問題が残る。そのフルMOX炉でできたゴミを、どの国が責任もって処分するのか、ということだ。ゴミの中の最悪の成分であるプルトニウムは、日本製だ。処理の責任も発生する。

2013-05-12 23:53:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 詳論はいずれするが、結局、今回のトルコへの「原発輸出」は、実は日本からの原発の輸出、ではない。フランスの企業技術で作る原発を作るために、日本企業が資金を出し、それを日本政府が保証する、という話なのだ。輸出するのは、周辺技術と金。それと政府の保証。そして、もう一つだ。

2013-05-12 23:58:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 日本がトルコに輸出しようとしているもの、それはMOX燃料に加工した、プルトニウムなのだ。本来、このような輸出は核保有国が許さない。しかし、日本一国があまりにも大量の、使途未定のプルトニウムを所持している。これを解消するのが、現在の核不拡散問題としては最重要なのだ。

2013-05-13 00:01:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 では、トルコにプルトニウムを輸出することは、正当化できるのだろうか?現在のトルコの政権はEU加盟など、欧米諸国への接近志向が積極的に見えるが、原発完成までにどんなことが起きるかは、わからない。政権の姿勢が変わらなくとも、国外テロリストの標的が増えることは避けられない。

2013-05-13 00:06:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 安全性について、個人的に最も心配なのは、MOX燃料の輸送ルートの安全性だ。周辺住民への安全性も心配だし、輸送中の襲撃等も心配だ。

2013-05-13 00:10:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 安全性以外について、アレバと三菱のタッグで心配はなのは、実現性だ。本当に、この原発建設は、技術的、資金的にショートすることはないのだろうか?燃料は調達できるのだろうか?建設計画が遅れたとしても、大丈夫なのだろうか?

2013-05-13 00:13:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 アレバ社に、あるいは三菱に、有り余る技術力があるのなら、六ヶ所村再処理工場は既に順調に稼動してきたはずだが、そうはなっていない。また、アレバ社に関しては、事故を起こした東電原発への技術提供も成功したとは思えない。この2社の計画で新型フルMOX原子炉。実現は難しいと思う。

2013-05-13 00:17:13