- hachisu716
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竹林にて。 永琳「違うわよ」 霊夢「うぇっ?」 永琳「妊娠してません」 霊夢「……うぇっ?」 霊夢は二度うぇっ?っていう顔をし、咲夜は二度瞬きした。
2013-05-14 21:23:10永琳「月経不順よ。夜型の主に仕えて不規則な生活をしているから、調子を崩していると見られるわ。少なくとも検査の結果、妊娠の可能性はない」 咲夜「……そうですか」 永琳「あなたは人間なのだから、早死にしたくなければ少し生活スタイルを見直すべきだわね」
2013-05-14 21:28:59永琳「今回は違ったけれど、これから先“そういうこと”になりたいと思ったときに、成るものも成らないわよ。分かるでしょう」 咲夜「……、はい」 霊夢「はい」 永琳「(咲夜を見て)はい、あなたは規則的な生活、適度な睡眠をとること。(霊夢を見て)あなたは彼女に無理させない。分かった?」
2013-05-14 21:34:52(帰りながら) 咲夜「……違ったって」 霊夢「……うん、違った」 咲「……、」 霊「結果出たから、言っていい?」 咲「……どうぞ」 霊「俺は、すごく残念だった」
2013-05-14 21:41:52霊夢を見る咲夜さん。もう一度ゆっくり繰り返す霊夢くん。 霊夢「残念だったよ。咲夜のお腹に赤ちゃんいなくて」 咲夜「……霊夢」 霊夢「(空を飛んだまま仰向けになって両手で目を覆う)あーっ、すごく残念。いると思ったのに」 咲「……、(もだえる霊夢をじっと見てる咲夜さん)」
2013-05-14 21:45:44霊夢「あー……あーっ! なんだよーっ、がっかりだよー(目を覆って空をとびながらグルグル横に回り続けてる霊夢)」 霊夢は本当にがっかりしているらしくそれしか言わないので、帰る道中は会話にならなかった咲夜さん。
2013-05-14 21:50:21霊夢「……妊娠したかもって聞いて、ああ、俺お父さんになるのか、とか。いやその前にまず結婚だろ、とか。両親に挨拶……は出来ないから、レミリアに挨拶に行けばいいのかな、とか。そのときなんて言おう、娘さんを下さいって言えばいいのかな、とか」 咲夜「……」
2013-05-14 21:55:35霊夢「そしたら俺、レミリアのことお義母さんって呼ぶのかな、とか。同棲するようになるなら客間空けて咲夜の部屋作らなきゃ、とか。いや初産だしむしろばあばに色々助けてもらわなきゃいけないから、俺が咲夜と一緒に紅魔館にしばらく住んだ方がいいかな、とか。赤ちゃんの名前とか、息子か娘かとか」
2013-05-14 21:59:36霊夢「色々考えて……結果出るまで、ちょっとお父さんの気持ちになった。……気がした」 とりあえずふたりで神社に帰宅して、ぽつぽつとしゃべり出した霊夢。 咲夜「うん……」 霊夢「咲夜が体調崩してるのに悪いけど……昨日からずっと、なんか俺だけ凄く楽しかった(顔上げてにかっと笑う霊夢)」
2013-05-14 22:08:59霊夢「(ごろんと天井を向いて、目の上に掌を持ってきて、口は笑みを作ったまま、顔を隠す霊夢くん)だから……あー、すごく残念」 手の下で影になった、黒々と大きな瞳を咲夜のほうに向ける。 霊夢「……残念だね」
2013-05-14 22:20:06咲夜「……バカ」 霊夢「……ばかだよ」 咲「……バカね」 霊「……そこまでばかじゃない」 咲「……バカ。”ひとりで楽しかった”わけじゃないでしょ(笑って霊夢のおでこに自分のおでこつける)」
2013-05-14 22:24:50咲夜「私はね、もしかしたら妊娠したんじゃないか、って思いついたとき、概ね同じようなことを考えていたわよ。一ヶ月生理が遅れただけでここまで頭がお祭りなんて、本当にバカよね」 霊夢「さっちゃん」
2013-05-14 22:38:50咲夜「(ぺしん、とまた霊夢のデコを叩いてから)で、それから思ったわ、でも、幻想郷を守護する博麗大結界を与る博麗霊夢の伴侶に、私がなっていいのか、とか。今までその辺りのこと聞いたことなかったけど、何か正式な伝統を守った由緒ある血筋から妻を娶る必要があったらどうしよう、とか」
2013-05-14 22:43:19咲夜「そうしたら愛人の立場になるのかな、とか。いや、霊夢はそんな賢い立ち回りが出来る子じゃないから、私と結婚するって言いだして、そのせいで博麗の巫女じゃなくなったらどうしよう、とか。そもそも男なのに巫女ってなんなの、とか。なんで神様の前で踊るとそんなに色っぽいのよ、とか」
2013-05-14 22:47:57霊夢「さっちゃんそれ後半全然関係ないね」 咲夜「私はね、妊娠したことでもしかしてあなたの生活を壊してしまうんじゃないかとか、そういうのが怖くて、……怖くて……だから、」
2013-05-14 22:52:36ぽろっと涙を零しながら 咲夜「あなたが『冷えるから泊まっていけ』って気遣ってくれて、今日『赤ちゃんがお腹にいなくて残念だ』って言ってくれて……どれだけ嬉しいと思っているのよ……っ」
2013-05-14 22:54:40霊夢「(泣いてる咲夜をぎゅっと思いっきり抱きしめて)さっちゃん、それは……ええと、俺、あんまりかっこいいこと言えないんだけども……つまり、すげー嬉しくて……そしてこれからはゴムつけなくてもいいってこと……」 咲夜「本当にかっこいいこと言えないわね!(頭突き)」 霊「あいたぁっ」
2013-05-14 23:09:54霊夢「(ぎゅ、と頭を包み込むようにもう一度優しく咲夜を抱きしめて)さっちゃん、頭突きしながら泣くなよ」 咲夜「そりゃ頭突きするでしょうよ……」 霊「寝不足で体壊してるんだから、頭パーになっちゃうぞ」 咲「たった今、パーそのものの下ネタに走った男に言われたくないわ……」
2013-05-15 20:09:10霊夢「俺、下ネタ言ったことなんてないぞ。(ぎゅう)俺の言葉は、全部さっちゃんへの愛だよ」 咲夜「(霊夢の肩に頭をこすりつける)……知ってる、だからタチ悪い」 霊「えー……」
2013-05-15 20:21:13