『史学雑誌』第122編第4号が届いた。金澤周作先生による木畑洋一・秋田茂編著『近代イギリスの歴史』の書評が出色。
2013-05-21 21:32:17本書の構成は「概説8章」+「個別トピック8章」。このトピックを立てて個別に、しかし細切れに論じるやり方は近年の歴史書によく見られる。著者を増やして個々人の負担を軽くするのに資するのかもしれないが、金澤先生はその問題点を端的に指摘。
2013-05-21 21:38:32「通史にあたる第I部から、見事に、移入民、アイルランド、スコットランド、そして女性が括りだされ、それらが(いかに重要であれ)テーマ群を扱う第II部に繰り入れられてしまっていることだ。かほどにイングランドの男性白人中心のイギリス史叙述は強固だと、あらためて認識させられた。」
2013-05-21 21:41:45僕はまだ読んでいないが、もしそうだとすれば20世紀後半の社会史ブームの意味は何だったのかと自問自答せざるを得ない。
2013-05-21 21:44:30@t_ohnuki 概論部分を8章にしている理由はイントロダクションやら講師の専門を膨らませてしゃべる余地を作るためかな。各論部分は課題学習にでも使えばいいし。そこに書いている人や弟子筋が授業で使うとね、かなりの部数が掃けますから。
2013-05-21 21:49:23問題はね、近代イギリス史の講義を「概説」としてやれる大学がどんだけあるのかつう話ですわ。一般教育課程でやるには、前提知識から教える必要があるからむつかしく、史学科の専門基礎あたりでやるならもうちょっと遊んで、テーマ史よりになると思うんだよね。
2013-05-21 22:02:37ほうほう。 RT @nasastar: まあそんな「嫌味」も吹っ飛ぶようなものも、そろそろ同じ出版社から出るはずだけどな。
2013-05-21 22:13:07確かに近世から始めるには相当説明が必要か。RT @nasastar: 問題はね、近代イギリス史の講義を「概説」としてやれる大学がどんだけあるのかつう話ですわ。一般教育課程でやるには、前提知識から教える必要があるからむつかしく、史学科の専門基礎あたりでやるならもうちょっと遊んで、…
2013-05-21 22:15:23@nasastar 僕も無いんですよ。ひげ将軍とそういう話をして刺激を受け、教科書は採用できないものか検討始めました。
2013-05-21 22:21:45