モーサイダー!~Motorcycle Diary~Episode of Spring VII~
- IngaSakimori
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「そう。それこそホンダのVTエンジンがヤマハRZの子孫たちに対して、明確に勝っているポイントだ」 はっと目を見開く志智。 ひらめきである。つながらなかった一点がつながり、電流が通るようになった瞬間。闇の中で、たった一つの冴えた答えが導き出された時。 #mor_cy_dar
2013-05-23 12:58:24「4stが2stに対抗しようとするなら━━まして、R1-Zの1KTエンジンにVTで戦いを挑むなら。 そこに賭けるしかないと、僕は思うけどね」 「あ……あの、ありがとうございます!! 本当に……! なんだか、迷路の出口が見えた気がします!」 #mor_cy_dar
2013-05-23 12:58:48「いいって。大したことじゃない」 深々と頭を下げる志智に、男は軽く手を振って自らの愛機に乗り込む。 #mor_cy_dar
2013-05-23 12:59:04今となっては旧型に近いヤマハ製のスーパースポーツバイク。 しかし、その戦闘力は今でも一級品だ。ましてデザインに限るなら、ベストに限りなく近い領域へとどまっている。 #mor_cy_dar
2013-05-23 12:59:52鋭くも品を感じさせる双眼。流麗的なフォルム。そのカウルは深い紫にオールペイントされている。 2002年式ヤマハYZF-R1。それが男の愛機だった。 #mor_cy_dar
2013-05-23 13:00:05「名前……聞いておけばよかったかな」 濃厚にして重粛たるリッターSSの排気音が響き渡る。 #mor_cy_dar
2013-05-23 13:03:08(いい音、だな……) 川野駐車場に入ってきたとき、これに気がつかなかったのはきっと自分が考え込んでいたためなのだろうと。 志智は自らを納得させた。そんなことよりも気にすべきことがあったのだ。 #mor_cy_dar
2013-05-23 13:03:23(低回転……あのバイクのエンジン……その回転数を、落とす方法!!) そこに光明があり、挑戦があり、そして勝利と高揚があるはずだった。 #mor_cy_dar
2013-05-23 13:03:38【お知らせ】 本日の投稿はここまでです。次のエピソード投稿は来週を予定しています。この作品に興味をもった方、特にバイク乗りの方、@mor_cy_dar をフォローしてください。そして友人に広めてあげてください。こんな話が読みたいといったご要望もお待ちしております。
2013-05-23 13:04:14