映画「セデック・バレ」と首狩
- kamayan1192
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「セデック・バレ」だん。うーん、ちょっと盛り過ぎかなぁ。アクションが明らかに過剰だし、セデックの民族的要素も多すぎて、ストーリーの流れがぶつ切りになってしまっている。映像的な作り込みがしっかりしているだけにもったいない。
2013-05-25 20:30:00でも、商業映画における霧社事件へのとっかかりとしては、十分得るものはあったんじゃないか。これほど「日本人」が民族的抵抗によって殺される作品が映画館で全国的に上映されただけでも快挙だと思う。
2013-05-25 20:33:52何分長尺なので、細かい考証のチェックはBRが出てから改めてやるとして、とりあえず鑑賞上の妨げになるような大チョンボはなかったかなぁ。ただ、何分セデック側のアクションを盛りすぎなので、日本の警察や陸軍の弱いこと弱いこと(苦笑
2013-05-25 20:41:39ハリウッドや大陸中国(特にプログラムピクチャー系抗日映画)みたいな違和感はなかったし、とりあえず日本兵が日本兵には見えたと思う。端役やエキストラに細かく日本語のセリフを割り振っているなど、実に丁寧な作りだ。
2013-05-25 20:49:25ふと思ったけど、日本の植民地当局やメディアが「野蛮だ」と連呼していた「出草」=首狩なんだけど、実は日本でも戊辰戦争や西南戦争までは普通にやってるんだよね。鳥羽伏見の会津兵なんて、史料上では生首ゴロゴロ腰に下げてるわけで。そういう記憶は都合よく忘却されていたということだ。
2013-05-25 20:54:29他にも、「生肝食い」なども幕府方・薩長方ともに記録・証言が残っており、台湾原住民の習俗とどれだけ距離があるのか、と本当に思う。しかも日本の場合江戸時代という「武力封印の時代」を経てなお血腥かったことの意味は、改めて問われるだろう。
2013-05-25 20:58:20何はともあれ、日本史や近代史、戦争史に関心がある人なら、一度は見たほうがいい作品であるのは間違いない。地域によっては5月いっぱいで上映が終わるようなので、上映スケジュールにはご注意。
2013-05-25 21:03:41@issengorin 恩賞に関わる事ですからね、討ち取った証拠として。上野戦争などでも、彰義隊の若武者が官軍の首級を運ぼうとするも、重さで手間取り返り討ちに遭う話しとか。
2013-05-25 21:05:00@schwkatz 首が恩賞の指標だった最後の時期なんですよね。西南戦争でも薩軍はそういう発想なので、西郷の首を必死になって秘匿しようとしました。
2013-05-25 21:09:32@schwkatz 「出草=野蛮」イメージに固執したのは、欧米からの「文明的」な批判がかなり痛かったと思います。初期の植民地当局者たちには「普通にやっていた」記憶があるのに、それを必死で否定しようとする滑稽さを感じてしまいます。
2013-05-25 21:20:28「セデック・バレ」の考証で一つ気になった点を思い出した。霧社事件で台湾軍が毒ガスを使ったのはほぼ間違いないんだけど、「何を使ったか」について考証が甘かったのではないか。セリフでは糜爛性の「きい剤」を使うとされていたのに、映像的な表現は催涙ガスないしくしゃみ剤(あか剤)だった。
2013-05-25 21:53:35もちろん、「くしゃみ剤」と呼ばれたジフェニールシアンアルシンも、実際には吸ったら窒息する毒ガスには違いないのだが、「糜爛性」というセリフとは符合しない。毒ガス使用問題は修正主義者の攻撃を受けやすいので、考証は厳密にしてほしかった。
2013-05-25 21:56:31@issengorin ハリウッドの先住民映画なら、結局はハリウッド的道徳観に落とし込みやすい形でしか先住民の生き方を描けませんけど、隣の社の奴と狩り場で出合えばとりあえず殺す、人を殺して一人前の男というムチャクチャな価値観をそのシンプルさゆえに美しいとさえ思わせるのは凄いです。
2013-05-25 22:28:49@manriki 確かに、セデックの価値観に対して全く注釈を付けていないのは驚異的ですね。しかも、そのセデック的価値観にいちゃもんをつけているのが、彼らと最も文化的共通性の高い大日本帝国であるというのが、強烈なアイロニーに見えてきます。
2013-05-25 22:56:22ただいまの一連のRTに関して、『セデック・バレ』は関心があるのだけれど、見に行く暇がなさそうで無念。 つい先月、「『たまこまーけっと』のモチマッズィ一門は高砂族」説などと主張したところだったし・・・http://t.co/cCtkkbhoRK
2013-05-25 23:16:08(承前)首狩の件は確かに皮肉極まりない。台湾を植民地にした当の日本人たちが、若い頃にはやっていたことという指摘はもっともだが、だからこそ日本人と生蕃は違うと差異の強調に躍起になったのだろう。そういえば現存する梟首の写真は、オリエンタルな珍景として西洋人が撮影したのだったな・・・
2013-05-25 23:19:56明治以降でも江藤新平の生首写真はあったか。一般に、その手の本で一番良く載っている「梟首」写真(リンク先注意→http://t.co/uOzTGKLUoy)は、磔ともども明治2年にフランス人が撮影したものと言われる(異説もある)。http://t.co/9bkVJPR1ZE
2013-05-25 23:25:18とりあえず、晒首をする獄門台の特徴としては、釘は生首を台に固定するためにのみ使い、木材を組み合わせて台を作る際には、どういうわけかでっかい鎹のみを使うらしいのである。写真でも鎹が見えると思う。フィギュアの魔改造とかで獄門を再現する方はご一考を(いるのか?)。
2013-05-25 23:27:09