稲川淳二　つぶやき怪談　2013年5月28日

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、そう考えると全てに納得がいく。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

とはいっても、そんな部屋が目の前にあるというのは、やっぱり気味が悪い。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

見ないようにしようと思っても、狭い室内ですから、どうしても窓が視界に入ってしまって、必然的に、向かいの窓のブラインドが見えてしまう訳で、例の話を思い出してしまう。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

かといって、越して来たばかりで、またすぐ引越しをする余裕なんてないし、なんといっても家賃が安いというのもすてがたいんで、引越すかどうかは、おいおい考える事にした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、そんなある晩、同僚たちとの飲み会があって、ほろ酔気分で部屋に帰るなり、すぐに横になりたくて、着替えをしようと、ふっと視線が閉め切った硝子窓にいくと、（？！）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

向かいの窓のブラインドの隙間から、わずかに明かりが洩れているのに気付いた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（えっ？！明かりがついている！）と、一瞬、スッと暗くなって再び元に戻った。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（・・誰かいるんだ・・・・。部屋の中を動いてる・・・）で、窓の脇に寄って、気付かれないように、そっと様子を窺うと、それは、ブラインドの隙間から洩れる明かりではなくて、ブラインドを指で広げて、そこから２つの目がジッと覗いていた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（うわっ！どうしよう？こっちを見てる・・・。間違い無い死んだＯＬの怨霊だ・・・・、怨霊が私を見てたんだ・・・・）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

とっさに部屋の明かりを消すと、向かいのブラインドの明かりも消えた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（怖い、怖いけれど、どうする事も出来ないし・・・・・）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

小さな明かりを一つつけて、着替えを済ますと、蒲団に入って、目をつむっているうちに、酔いも手伝って、いつしか眠ってしまったんですが、夜中を回った頃に、息苦しさで目が覚めた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（ハァハァ・・・・ハァハー・・・・ハァハー・・・・・ハァハァ・・・・）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

静まり返った中で、息遣いだけが聞えている・・・・。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

胸が圧迫されて、思うように呼吸が出来ない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

仰向けに寝ている身体の上に、ずっしりと、重いものが乗っているようで酷く苦しい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（・・・何だろう？）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのままの恰好で、視線だけを下に向けると、蒲団の上に両手が乗っていた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（何だぁ・・・・そうだったのか）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ちょうど胸の上に、手を置いた状態で寝ていたんで、それで息苦しかったんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

昔から、胸の上に手を乗せたまま寝ると、怖い夢をみるといいますからね・・・。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、手をおろそうとすると、（あれ？）身動き出来ない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

体をよじって、向きを変えようとするんですが、ピクリともしない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（いけない金縛りだ！）

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ハァ・・・・ハー・・・・ハァハー・・・・ハーハー・・・・