【アジ歴】徹甲弾・徹甲榴弾・破甲榴弾の対ベトン(コンクリート)抗力の概算

ジア歴史資料センターで閲覧できる資料「21榴ノ価値ニ就テ(A03032113800)」には、破甲榴弾の対ベトン抗力の計算式が付いています。 これを使って、WW2期の各国各種徹甲弾・徹甲榴弾・破甲榴弾の対ベトン抗力を比べてみよう、という遊び
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

mmm... 「21榴ノ価値ニ就テ(A03032113800)」に付いてる破甲榴弾の対ベトン抗力の計算式をいじくっていたら、何となく徹甲榴弾・破甲榴弾の利点が見えてきました

2013-05-30 21:42:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この「21榴ノ価値ニ就テ」という資料は、旧軍が新型の20cm級榴弾砲を採用するにあたり、各国の15~24cm級榴弾砲・加農を重量と威力の観点で比較し、メリット・デメリットを検討しているものです。その中に、破甲榴弾のベトン(コンクリート)に対する破壊効果の概算式がありまして

2013-05-30 21:45:13
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

件の破甲榴弾の対ベトン(コンクリート)抗力の概算式は以前にも貼りましたが、こんなものです。弾頭重量、弾頭直径、着弾時の速度と炸薬量が関連します。通常、鋼板に対する貫通力を概算する場合は炸薬量は考慮されませんが、対ベトンでは重要です http://t.co/ItvDHc9F6n

2013-05-30 21:54:02
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

破甲榴弾の対ベトン抗力を考える際に、なぜ炸薬量がなるかと言えば、ビルの発破解体作業を思い浮かべると判りやすいでしょう。コンクリートに穴をあけ、その中で爆発物を炸裂させた場合、同量の爆発物を外側で炸裂させるよりも格段に大きな破壊効果が得られるわけです

2013-05-30 21:58:32
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

余談ですが、破甲榴弾が対象の内部にめりんで炸裂し破壊効果を増す効果は、装甲板に対しては期待できません。装甲板はベトンに比べ非常に強靭ですから、まず「内部にめりこむ」こと自体が難しく、また一般的に装甲板はベトン壁より相当に薄いので、十分めりこむ≒貫通となってしまいます

2013-05-30 22:05:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

つまるところ、破甲榴弾の炸薬がベトンに対して破壊効果を発揮できる理由は、ベトン壁が鋼板に比べて脆い反面相当に厚く、めりこんだ途中で止まって貫通に至らない可能性が多分にあるためです。ここで炸薬が炸裂すれば、発破解体的効果が期待できるわけですね

2013-05-30 22:08:08
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

本題はこちら、件の「破甲榴弾の対ベトン抗力」計算式を元に、WW2期の各種火砲の砲口での対ベトン抗力を概算してみました。参考として装甲貫通力(こちらも史実データでなく概算)を添えましたが、対装甲と対ベトンの抗力が比例しないと判りますね http://t.co/rFMCvnpcUc

2013-05-30 22:21:46
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@FHSWman おっと、このグラフは右縦軸の単位が間違ってました。mmでなくmです。正しくはこちら http://t.co/K56nEJnvhV

2013-05-30 23:31:17
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

注目すべきは17ポンド砲のような無炸薬徹甲弾の成績の悪さでしょうか。それなりの厚さにまでめりこむ事はできるものの、無炸薬故にの炸裂効果を欠いているので、最終的な破壊効果はT-34の76mm F-34にも劣ってしまうのです

2013-05-30 22:25:35
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

57mm 97式戦車砲の意外な成績の良さにも目が行きます。装甲貫通力こそ低いものの、炸薬比の比較的多い破甲榴弾のお蔭で、対ベトン抗力は2ランク大きな砲である米軍の75mm M3戦車砲や英軍の25ポンドの無炸薬徹甲弾にも並びます。破甲榴弾は確かに魅力的な弾種なのです

2013-05-30 22:29:36
弾けるクリップはnot a bot @M1yansuke

@FHSWman さすがは歩兵支援戦車の搭載砲ですね。炸薬比が比較的多いと言うのは、旧軍の榴弾の中での事ですか?

2013-05-30 22:36:09
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@M1yansuke 手持ち資料には日本軍の砲弾のものが余り無いのですが、90式野砲の破甲榴弾のほうが炸薬比は高めですね。各国の徹甲榴弾に比べると高めですが、これは徹甲榴弾とは破甲榴弾の違いと思います。前者は概ね重量比で2%未満ですが、後者は2.5%を超えてきます

2013-05-30 22:46:48
弾けるクリップはnot a bot @M1yansuke

@FHSWman 教示頂いて有難う御座います。やはり野砲には勝てないですね。しかし思ったのですが徹甲榴弾は徹甲させつつ炸裂もさせたいだなんて小口径砲には厳しい要求ですね。破甲榴弾もベトンにある程度は侵徹する必要があると思いますが、名称の違いは用途の違い以外に何か有るのでしょうか

2013-05-30 22:59:31
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@M1yansuke 「徹甲弾」と「徹甲榴弾」と「破甲榴弾」の呼び分けは国によって無かったりもしますので、名前で括るのは難しいですね。日本の破甲榴弾と同等の炸薬比を持った弾でも、国によって「徹甲弾」「徹甲榴弾」「対べトン榴弾」あるいは単に「榴弾」とすら呼ばれますので

2013-05-30 23:09:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

あとは、ML-20が対ベトン1.5m程度という飛びぬけて高い値になっていますが、これはBR-540徹甲弾でなく、その4倍ほど炸薬が入った1915/1928年式対コンクリート榴弾の成績です。BR-540を使った場合は対ベトン1.2m程度になります

2013-05-30 22:37:36
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういうわけで、日独伊ソが徹甲榴弾を使い続けたのは、故無いことでもなく、それなりの魅力があるが為じゃないかしらというお話でした

2013-05-30 22:39:59
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

もうひとつ。先ほどのグラフは普通コンクリートに対しての抗力でしたが、こちらは鉄筋コンクリートに対してのもの。抗力がほぼ半減した上で、さらに炸薬の効果が若干低下。メートルオーバーの外壁を持った要塞がどれだけ壊しにくいか、何となく見えます http://t.co/PZg5NP03gV

2013-05-30 23:36:24
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