Ouverture Historique No.7 (2013/5/31)
「本曲は作者の従来の作品と異なり、調性がはっきりしているとともに変拍子や意図的にわかりにくくするような表現が避けられ、素直に楽想が表現されている。」 #his7
2013-05-31 20:55:20「曲は緩-急-緩-急-緩-急-緩の7つの部分からなる。梵鐘の音を模した響きから始まるAndante lentoの序奏の後、Allegro moderatoで第1の主題が提示される。第1の主題は2つの旋律からなり、ト短調で提示される。」 #his7
2013-05-31 20:55:46「未来を指し示すような前進感のあるこの主題はさらに転調して高らかに歌われるが、突如として断絶される。続くModerato – Andanteでは間奏の後、第2の主題が下属調のハ短調で提示される。」 #his7
2013-05-31 20:56:19「この部分の構成はOuverture Historique No. 2の中間部に似て、一つの主題が短い周期で何度も繰り返される。」 #his7
2013-05-31 20:57:00「しかしNo. 2においては中間部の主題は「切り拓いた結果として得たもの」であったが、ここではそうではなくむしろ過去への拘泥のように感じられる。その次のAllegro moderatoは展開部であり、2つの主題が展開される。」 #his7
2013-05-31 20:57:24「しかしこの部分の前半は第2の主題のために割り振られており、第2の主題は展開の後に感動的に主調であるト短調に到達する。第2主題の主調への到達は、ソナタ形式に見られるように2つのテーゼの合一を示唆する。」 #his7
2013-05-31 20:57:46「その後、慈しみを込めたようなAndanteのエピソードを挟んで、再びAllegroそしてPiù mossoとさらに主題が展開され、最後に充実した響きによるPlus lentoのコーダで曲が閉じられる。」 #his7
2013-05-31 20:58:30それは何かへの固執ということなのだと思う。 その部分の構成が、his2の中間部に類似しているというのも作者からのコメント。 #his7
2013-05-31 21:07:06復習としてhis2について振り返ると、その形式は2つの主題を有する急、複合三部形式の緩、ロンド形式の急の3つの部分からなる。 #his7
2013-05-31 21:09:28his2をこのように書くとあたかもソナタのように見えるが、第1の部分が2つの対立する主題を有しながらソナタ形式ではなく、ある主題を別の主題で塗り替えるような形式になっているのが特徴だ。 #his7
2013-05-31 21:11:33それは自らの力によって希望を叶えることを表していると考えられる。そして第2の部分(中間部)は、塗り替えた後の主題によって構成されている。
2013-05-31 21:13:49すなわち、his2の中間部において何かへの固執があるとすれば、それは自らの力によって手に入れた「現在」に対する固執であると考えることができる。一方、his7の第2の主題は最初に登場した時点での固執である点が異なる。 #his7
2013-05-31 21:16:53だからこそ固執から抜け出してAllegroに向かうわけだけど、そこで再び第2の主題が現れる。その上で、第2の主題が主調に到達する。 #his7
2013-05-31 21:28:53つまり、過去のものであったはずの第2の主題が、未来へと向かう力を与えている。だからこそ「我々は過去を切り捨てなくても未来へと進むことができる」という暖かさを感じるわけで。 #his7
2013-05-31 21:31:49この文脈の成立は正直なところかなり難しい。だけど、2部に「第2主題が先に再現されるソナタ形式」の曲を2つも演奏する今回の選曲なら、なんとか縁をつなげるのではないか。 #his7
2013-05-31 21:35:30