憲法のいわゆる「改正限界」について大屋雄裕氏の見解 2013年5月31日

「改正無限界説というより改正限界説否定説」とのこと。
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Takehiro OHYA @takehiroohya

ロシア連邦憲法は憲法改正に関して定めた章を改正するについては通常の章より重い条件を満たさなくてはならないと定めているのだが、このこと自体が憲法内の憲法改正条項の改正は可能であることを前提している。そもそも改正不能なら改正条件を加重すること自体が不能。

2013-05-31 22:57:43
Takehiro OHYA @takehiroohya

というわけで長谷部先生や木村くんはプーチンさんと戦ってくるといいと思う。というのはあまり冗談でなく、憲法がむき出しの暴力闘争を文明化された次元へと閉じ込めるために存在するところ、その効力範囲を限定することが革命という暴力を呼び覚ますことに無自覚な論者は暴力に直面するといいのだと。

2013-05-31 23:02:03
Takehiro OHYA @takehiroohya

自宅に届いた『淡青』の長谷部稿やWEBRONZAの木村稿(タダで読めるところ)を見てそう思っていたのであった。

2013-05-31 23:03:11

「『淡青』の長谷部稿」は以下を参照
東京大学広報誌「淡青」26号(PDFファイル)
長谷部恭男「憲法と時間的継続性」はpp.22-23
http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/pdf/tansei26.pdf

「WEBRONZAの木村稿」は以下を参照
WEBRONZA+内・木村草太「憲法96条改正はなぜ問題外なのか?」
(上)http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013052400011.html
(中)http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013052400010.html
(下)http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013052700012.html

Takehiro OHYA @takehiroohya

ちなみに木村君はこの問題について書けば書くほど真剣に考えていないことがバレるので気を付けたほうがいいと思う。ドイツには改正限界を定めた明文があると書けば、ではそれのない日本に改正限界はないんじゃないですかと返されるだけ。それに対して、明文はなくともイギリスの王政や→

2013-05-31 23:05:40
Takehiro OHYA @takehiroohya

→フランス人権宣言を改正できるとはみんな思っていないと書くのだが、人民の共通理解に依存するのであれば「我ら人民」が限界の内側だと思えば内側だということになってしまうし、96条改正が形式的に実現した場合には人民代表の各々2/3以上と国民の過半数がそれを認めていることになるのだから→

2013-05-31 23:07:59
Takehiro OHYA @takehiroohya

→じゃあそれは人民の共通理解において改正限界の内側なんじゃないかということになってしまう。いやそうでないのだというなら誰の共通理解なのかが問題になり、現在示されつつあるように「我ら一部憲法学者です」とか正面から言えば民主政を真っ向否定することになる。→

2013-05-31 23:10:51
Takehiro OHYA @takehiroohya

→我ら聡明なる憲法学者が憲法の何たるかについて託宣を下すのであって愚昧なる人民およびその下劣なる代表者は黙っておれと、正面から言う気ならまあガッツがあっていいとも思うが、そうでないならちゃんと踏みとどまるべきラインを踏まえてから喋りなさいよと思ったことであった。なお自分on棚。

2013-05-31 23:12:56
稲葉振一郎 @shinichiroinaba

@takehiroohya イェリネクを呼び出しつつ自由権と自由の区別をきっちり論じようとする石川健治は実はその辺でかなりいろいろ考えているんじゃないかと思うんですがね

2013-05-31 23:15:02
Takehiro OHYA @takehiroohya

@shinichiroinaba そこが格の違いというものだということではないでしょうか。逆に言うと、改正限界論を詰めて擁護するには相当の道具立てが必要で、記号論理学モドキや論点ずらしでは到底ダメだということではないかと。

2013-05-31 23:17:11
Takehiro OHYA @takehiroohya

@shinichiroinaba 念のために言うと私は改正無限界説というより改正限界説否定説ですが、このゲームは私が圧倒的に有利な構造です。彼らは積極的に立証する必要があるのに対し、私はその論拠を次々と崩していくだけでいい。

2013-05-31 23:18:55
稲葉振一郎 @shinichiroinaba

@takehiroohya 以前は長谷部松井論争を読んで「やはり人権が大事」とガキみたいな感想を抱いたんですが、今思うと松井先生がその共和主義理解の浅薄さゆえに長谷部人権論をうまく批判できなかったことのツケが結構大きいんではないかと(以下略)

2013-05-31 23:20:32
Takehiro OHYA @takehiroohya

@shinichiroinaba 遵法義務論(やはり私は遵法義務論否定論)と同じく、最初から議論の構造が非対称なので、本来は彼らの英雄的努力を評価するべきなのだということは指摘しておくべきだろうと思います。英雄の居場所はあの世にしかねえよと、私は思うわけですが。

2013-05-31 23:21:30
稲葉振一郎 @shinichiroinaba

@takehiroohya 反実在論者だからこそとれる立場ですな。逆に言うと改正限界説ははっきり人権実在論(人権命題には真理値を割り振れる)をとらないかんのか!

2013-05-31 23:23:05
Takehiro OHYA @takehiroohya

@shinichiroinaba 明らかなのは根元的規約主義から改正限界説は取れないということと、人権実在論を取れば改正限界説は支持しやすいということですが、別のルートはあるように思います。帰結主義的に改正限界がある方が全体効用が向上する、とか。

2013-05-31 23:31:07