- sinlite_ohari
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「わっ、とと。アヴェリーありがと!」投げられた塊を手の中に収める、間もなく掌に切れ目が入ってそれは消えた。並んだ歯がもっと食わせろと鳴る。次の瞬間その口はもう消えてただの掌に戻っていた。「足りないよ。」何か怒っている声は聞こえないのだ、なんでも食べてしまうから。
2013-06-04 01:13:30「断る」 文字通り断ち切るように、言い切られる言葉。そこだけは、先の気怠さは伺えない。 「食べたら減るのは自然の道理で、減ったら出るのも自然の摂理だろう。何もおかしな事ぁない」 そう言って、背凭れから離れさえしない。耳元で騒がれても動じないあたり、筋金入りであった。 #大罪大戦
2013-06-04 01:14:20@whycame_sin 「ああ、『楽しみ』だよなぁ、ルクスーリア?」くつくつと、喉を鳴らす。投げ出した足。愉快そうに踵を鳴らす。「お前、また『奪う』つもりか? いや、『何を』とは言わない。大いに結構だ」慣らすように、指先を曲げた男は、声を視線を、緩く投げる。
2013-06-04 01:20:35「割れたら割れたで、そんときゃまたどうとでもなるでしょうよ……だいたい、その時に『あんな顔』してたタイショーが言えた台詞じゃあないと、俺は思うがね」 その時の表情を、男は決して忘れないだろう。そして、誰にも見せる事もないだろう。 崩壊しかけた世界で浮かべた表情など。 #大罪大戦
2013-06-04 01:21:31「はン。あなたにはそう見えるんですのね、ウーヌス?」あざ笑うように口元を歪め、女性は『嫉妬』を見遣った。「まあ。私をどう見ようと勝手ですわーー他の誰だって、私の立っている場所に登ってこれるはずがありませんもの。ねえ? 恨めしいかしら、ウーヌス?」
2013-06-04 01:21:46「そりゃぁ、忙しいさ。何しろ、最終的に俺達は『向こう側』を奪い尽くさなきゃいけない。準備一つだって、寝てりゃ良い訳には……」そう言い返した所で、『あんな顔』だとか、『置き土産』だとか、呆れた声。「……ま、何かを手に入れるには、犠牲は付き物だ、って事で。ちょっと勿体無かったけどな」
2013-06-04 01:26:43「まったく、余計な置き土産を残したものだよ。うちのタイショーは」 溜息のような、そんな吐露。 「これからは忙しくなるだろうなぁ……ということで、イラ。あとはよろしく任せたお前に総てを託す」 傍らのイラに告げた男は、一層深く背凭れに見を預ける。我関せずと言うように。 #大罪大戦
2013-06-04 01:27:45用意された椅子に掛ける動作に無駄はない。軋む音すら立たなかった。「準備期間なんていらないのに」スペルビアの用意した食物から一つを摘みあげる。「体を温めてきた私が先走っているみたいじゃないですか」そうして再度頬を染め、齧ったのは、乾燥したイチジク。
2013-06-04 01:30:00ルクスーリアの手元に視線は注がれている。食べ物の気配にだけは敏感だ。真面目な会話はきっとなんとかなるとすら思っているから、ああ早く食べたい食べたい。《食べ放題》にヨダレが溢れる。
2013-06-04 01:32:01「どうできるかなんて、知れたことですわ。『どうにでも』」淀みなく、少女は言い切る。故にこその『傲慢』なのだろう。「私が令を下せば全てが従う。世界は私の庭で、全ての存在は私の兵。一人遊びのチェスなら、どんな奇跡の盤面にもできるんですのよ?」
2013-06-04 01:32:13「まあ、強いて言うならーー気分次第。私は、私達は奴らの身の振り方なんて指先ひとつで『斯く在れ』と決めることができるんですもの。アヴァリーティアの言う通り、今は準備期間。食材を見てから料理の方法を考えるのも、悪くはないはずですわ」
2013-06-04 01:32:18@klown_sin 「……貴方、あたしを"怒らせて"くれるんなら、そう言ってくれなくちゃ。あたしは仲間割れなんて、大歓迎よ」場から大きく身を引く隣のソレに言って返し、黒いヒールで立ち上がる。「まあ、仲良くしておく事に異論はないけれど」
2013-06-04 01:32:18@ebleco_sin 「はい、とてもとても」片腕を喪っても宙を砕く男に、女の目に光が走り、消える。「でも、奪うだなんて物騒な言い方は止めてくださいと、言っているでしょう」「気持ちの良いことを『して』『されて』楽しみあうだけです」
2013-06-04 01:34:27@meiji_sin 「……『ア・ヴァ・リー』だ。いい加減覚えろ。……ったく、お前、食物の勘定は絶対に忘れないし間違えないのにな」 腕を振る。腰すら上げる事無く、男は台の上の果実を一つ。『掌握』した。無造作に、噛り付く。果汁が、滴る。「……だってよ、スペルヴィア? 足りねぇって」
2013-06-04 01:35:07@ebleco_sin 「あ、べりー?」「! ベリー食べたいな。黒いやつ。」まるで話は聞いちゃいない。頭のなかは今な小さくて粒がぷりぷりの実でいっぱいだ。歯に当たる果肉の食感が、口内に広がる酸味が、想像するだけでも腹からくうくうと獣のような音が鳴る。
2013-06-04 01:39:37ああ、グラが見ている。小さな干果も見逃さない。「ごめんなさいね、私もお腹が空いていまして。少しだけ許してくださいね」「あなたは後でたーくさん、食べられるのでしょ?」別のイチジクを摘み、グラに差し出す。その陰で自分の分をもう一つ獲っておく事は忘れない
2013-06-04 01:40:02ぷつん。何かが切れる音が聞こえたような、そんな気がした。「アァァァァチェディアアアアアアアッッ!! 今すぐ『停滞』!! そこの!! 食べすぎの奴に!! 停滞ッッ!!」叫びながら、指先で印を切る。食糧を『斯在(だ)す』魔法陣が、2基増えた。もっとも、これで足りるはずもないのだが。
2013-06-04 01:41:05@whycame_sin 「……はぁ、お前も相変わらずだな。『する』のも、『される』のも、『奪う』手段じゃねぇか。俺は、お前みたいに『野放し』にして飼い慣らすのは、性に合わねぇ」 ひらり、ひらり、果実を皿に。指先を払う。果汁が、散る。
2013-06-04 01:41:24@whycame_sin 「ん!」差し出されたイチヂクを両手で受け止める。見えないほうが気にしない、今は目の前のこれがあるのだから。「るくすー優しい。」どこかの誰かのように急に騒ぎ出さない。
2013-06-04 01:42:36@takami_sin 「……ま、ご尤もだ」傲りはあるが、それに固執することはない。平時であれば、周囲の意見を取り入れ、判断がつく。十分な才覚だと、男は一人頷く。そうであるならば、彼女は戦場で犬死などする事はない。その一点に、安堵を覚えた。喪失は、忌避すべきだ。 #大罪大戦
2013-06-04 01:43:43@takami_sin 「――」前言を、撤回しよう。駄目だコイツ。目の前で光を放つ方陣を横目に、男は静かに背に体重をかけた。
2013-06-04 01:45:27「あら、豪勢な事」テーブルに転がった果実を一つ掬い取る。甘い香りの立つそれを口元にあてがいながら、激昂するスペルヴィアにもう片方の手を伸ばす。「男は顎で使うものよ、声を荒げたら喉が枯れてしまうでしょう?」耳元でそう囁いて、その頭を撫でようと。
2013-06-04 01:46:10何処までも【傲慢】な態度のスペルビアには興味が無さそうに肩を竦めるだけ。 「君の立場に何て元から興味も無いし、【嫉妬】さえしないけど?僕が【嫉妬】するのは」 言葉を区切り大仰に右腕を広げ、見えない何かを握りつぶす様拳を握り 「――あの【紅の】奴らに位なものだけどね」
2013-06-04 01:47:21@meiji_sin 「聞けよ! っていうかベリーくらいならスペルヴィア……あ、駄目だあいつ。ヤバい時のイラみたいな声出してやがる」 それでも、補給は怠らない辺りが、『傲慢』足り得る才覚ではあるが。 「……ほれ、グラ。これ捨てるの勿体無ぇからやるよ」 そして投げ渡される果実の芯。
2013-06-04 01:49:02@Fiteenl_sin 「……おぉ、怖い怖い。お前さんの怒りは、こっちじゃなく『あっち』に向けておくれ」 そうは言いながらも、行動で示すことはない。 「全くだ。仲良しこよしバンザイ」 過干渉さえしてこなければ、とはあえて口に出すまでもない。 「今の憤怒は、貯めておくべきだ」
2013-06-04 01:50:00