【韓国】中学校の９割が「日本語」を学習　学習者数は世界最多

腐ォトショッピー @IWD1_PhotoshoP

「Ja-Net」 April 2013 No.65 ５ページ目 あちこち日本語ご紹介　海外編　韓国 ソウル 近くて遠い国―新しい時代に向かって 　同徳女子大学校　石井奈保美

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世界最多の学習者数 韓国は日本語学習者数が世界で最も多い国であり、韓国の日本語学習者の約９０％は中等教育機関で学ぶ中学生です。中学・高校での第二外国語の選択は、学習言語を学校が決定する場合も多く、日本に興味がないまま日本語を始めたという学習者も少なくありません。

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しかしながら、中・高での授業がきっかけとなって、日本や日本文化に興味をもつようになり、大学で日本語を専攻したという学生も多いようです。

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私が勤務する同徳女子大学校の日本語科は1979年に設立され、現在310名の学生が在籍しています。韓国では、日本のアニメやゲーム等の大衆文化や日本の小説に関心があり、日本語を勉強しているという学生が多いのですが、私の勤務校も例外ではありません。

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また最近では、中・高時代に姉妹校や日本人と交流した経験が決め手となり、日本語を専攻するに至ったという声も耳にするようになりました。また、大学卒業後に日本語を使っての就職を希望する学生も多いですが、韓国経済の停滞や中国語の需要増加の影響もあり、なかなか厳しいのが実情です。

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言語だけではない学習内容 私の勤務校では、総合的日本語教育を目指したカリキュラム作りに取り組んできました。例えば、１年製の必須科目に＜日本語学習法の理解＞という授業があります。

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これは外国語教育と習得理論の基礎を学び、学生が自分の日本語学習について段階的に学習計画を立て、進められるようにするための授業です。

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また、その学生なりの日本…日本人観を確立させるために、日本の生活文化、日本人の精神文化と言語行動について調査、討論をする科目や文化間コミュニケーションの授業があります。

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学習者がこれらの授業を通して得た見識を文学や語学の授業で生かし、実際のコミュニケーション場面で応用させていくことを期待しています。

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その他には、フィールドワークや学術祭、日本の大学との国際交流セミナーといった行事があります。フィールドワークでは、韓国国内の日本と関係がある遺跡や建造物などを回り、日本との交流の歴史について考えています。

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国際セミナーでは、日韓の学生が一緒になってグループごとにテーマを決め、調査や討論を通じて交流を深めています。

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関係の深い両国だからこそ 最近は、歴史・領土問題や東日本大震災、中国の台頭の影響から第二外国語として中国語を選択する学生や教育機関が増えています。さらに中等教育機関ではカリキュラム改訂が行われ、必須科目であった第二外国語が選択科目になり、日本語教師の供給過剰が指摘されています。

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これらの影響は大学や語学スクールにも現れており、私たち日本語教師にとっては厳しい時期が続いています。

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しかし一方では、2000年前後から民間レベルの交流が増えたことで、韓国の若者の日本・日本人観が多様化してきていることも感じています。

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両国の歴史から政治的要因や経済状況が日本語学習にも影響を及ぼしがちな国ではありますが、今まで以上に草の根交流が広がり、日本に関心を寄せる学習者が増えてくれることを願っています。そしてそのような学習者のお手伝いを少しでもできればと思っています。

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紙面より文字起こし。ここまで。