初心者向け「四式中戦車『チト』」のお話
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そう言えば旧軍で思い出したが、フジテレビの四式中戦車特集<FNSドキュメンタリー大賞:幻の戦車>今日の深夜2時半からの放送ですよ。 http://t.co/0ldLZjt2p8 #garupan
2013-06-19 20:15:25以前に四式中戦車については解説をツイートしてまとめているので放流しておこうか。 【初級者向け】四式中戦車「チト」のお話 http://t.co/R6AYem5swz #garupan
2013-06-19 20:18:10ただこれ初級者向けの内容にしてあると思うから、初心者向けで改めて語っておいたほうがいいかしら?
2013-06-19 20:19:15今日のフジテレビで放映される「幻の戦車」こと四式中戦車は、昭和十七年頃に兵器行政本部研究方針にある「中戦車(甲)」から始まりました。
2013-06-19 22:57:44この戦車計画は47mm砲を搭載し、重量約20t、最高速度40km/h、最大装甲厚50mmで計画され、当時陸軍で九七式中戦車の後継として計画されていた一式中戦車の、更に後継となる戦車でした。
2013-06-19 22:58:21当初はこの仕様のままで研究が進むかと思われた戦車計画ですが、昭和十八年度から以前から独ソ戦にて収集した戦車情報により「歩兵直協を考えつつ対戦車戦闘に対応する」というものから「対戦車戦闘を重視する」という方針に変わり、要求が大幅に上がる事となりました。
2013-06-19 23:04:31これにより、新戦車こと秘匿名称「チト車」は重量約24t、最高速度45km/h、最大装甲厚75mmに長砲身57mm砲を搭載するという案に拡大変更され、開発が続くことになります。
2013-06-19 23:07:37そんな中、仕様変更から1年後の昭和十九年五月八日、チト車の試作1号車が完成します。試製チト車は各種試験に回され (続く
2013-06-19 23:14:06(続き 走行試験では最高速46km/h、平均速度31km/hを出し、良好な足回りを評価されましたが、この頃には長砲身57mm砲は敵戦車に対して対戦車戦闘力が足りないとして修正研究を行われることとなります。
2013-06-19 23:15:00それによりチト車は、当時同時期に研究が行われていた五式中戦車こと「チト車」に搭載されていた試製七糎半戦車砲(長)の搭載を行うと改定され、それと同時に生産性の向上を目的とした鋳造製の砲塔を搭載することが決定されました。
2013-06-19 23:18:29試製五式七糎半戦車砲(長)搭載型のチト車は計画より少し遅れた昭和二十年二月初旬に完成します。その後チト車は、二月末から三月にかけて各種試験にかけられる事となり、3月16日に富士裾野演習を終えたチト車は貨車に積まれて東海道線を西に降りた先の愛知県伊良湖射場に向かうこととなります。
2013-06-19 23:24:06翌日の3月17日に伊良湖射場にて行われた射撃試験ではチト車は初速820m/sという良好な初速を出し、いくつかの修正結果が出た後に渥美線の田端駅にて貨車に積まれ、そのまま三菱東京機器製作所に戻される予定でした。
2013-06-19 23:27:30しかし何の因果か、三菱東京機器製作所に戻る予定のチト車は地元豊橋の戦車第二十四連隊に配備されることとなり、そのまま終戦を迎えます。そしてそのチト車は浜名湖北の猪鼻湖にて沈められ、今に至るというわけです。
2013-06-19 23:29:28チト車は試作が2輌存在していたと言われ、そのうちの1輌は千葉で終戦を迎えた後、戦後米軍によってアバティーン試験場に運ばれたらしいですが、その後の消息は不明となってしまいました。
2013-06-19 23:30:52以上が四式中戦車の簡単な事の顛末となります。その四式中戦車の簡単なスペックについてはこんな感じとなっています。
2013-06-19 23:33:43四式中戦車主要目…… 全長:6,34m 全幅:2.86m 全高:2.77m 装備:五式七糎半戦車砲(長)Ⅱ型×1(65発搭載) 7.7mm機関銃×2 装甲:車体、砲塔正面……75mm 砲塔側面、後面……50mm 車体側面……25~35mm 後面:50~35mm
2013-06-19 23:41:08発動機:空冷V型12気筒ディーゼル(三菱AL) 400hp/1800rpm 最高速度:45km/h http://t.co/PTsU3YXM76
2013-06-19 23:44:01では、この四式中戦車の簡単なスペックについてまとめて行きましょう。まずは攻の部分、主砲についてです。
2013-06-19 23:46:10元々この五式七糎半戦車砲(長)は、スウェーデン・ボッホース社の75mm高射砲を国産化した「四式七糎半高射砲」が元となっています。この高射砲を元にして開発した戦車砲を五式中戦車に搭載する目的でした。
2013-06-19 23:51:48この戦車砲は、巨大で重量がある弾を素早く撃ちだすために自動装填装置が開発されており、装填手の負担を減らすと共に速射による対戦車能力の増大を図っていたわけです。 http://t.co/9uCIIcabE3
2013-06-19 23:54:36四式中戦車にも五式七糎半戦車砲(長)を搭載する予定となったわけですが、生産性を考えて自動装填装置を外し、その分の重量バランスが変わるのを避けてカウンターウェイトを取り付けた五式戦車砲を搭載することとなり、区別のために前者を五式七糎半戦車砲(長)Ⅰ型、後者をⅡ型と呼ぶようになります
2013-06-19 23:58:37そんな五式七糎半戦車砲(長)Ⅱ型は、さっきも少し触ったように射撃試験で820m/s、別の試験時には最大885m/sもの初速を叩きだしました。ちなみにこの数値はドイツの虎戦車も撃破したイギリスの対戦車砲である17ポンド砲とほぼ同等の性能であり、その優秀さが見て取れます。
2013-06-20 00:03:06