ドラマチックストラクチャーをマルチエンディングシナリオに適用する
- nyaa_toraneko
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ゲームの場合、しばしばですがプレイヤーキャラには際だった特徴をつけないことがよくあります。しかもその時取り組んでいたシナリオはギャルゲーのシナリオです。この主人公も例のごとくあまり色がついていないキャラクターでした。色がついていないというのは、超目的がないという意味でもあります。
2010-09-21 03:46:54まあなんで超目的がないかというと、そのほうがプレイヤーがキャラを動かしやすいからという理由があるのはわかっていましたが、それにしても何故超目的がない主人公が存在しえるのか、不思議に思っていた矢先でしたので、頭の中にこんな仮説が浮かんだわけです。
2010-09-21 03:48:05ギャルゲーの場合、本当の主人公は各ルートの攻略対象になっているヒロインのほうであり、プレイヤーキャラはそれらヒロインに対し影響力を行使できるカメラのようなものではないか?」こう考えるとすごくしっくりと来たのです。
2010-09-21 03:49:46もうちょっと考えてみます。ギャルゲーの攻略対象となっているヒロインには、各シナリオルートがあります。このシナリオルートを、主人公視点からではなくヒロイン視点から見るとこのように解釈することができます。
2010-09-21 03:50:52「ギャルゲーの各ヒロインのシナリオとは、元々最初に存在していた各ヒロインごとの超目的が、プレイヤーキャラの介入によって変化してしまうシナリオである」
2010-09-21 03:52:09このように考えると、全てのヒロインごとにスタートポイントとエンドポイントが存在することになり、プレイヤーの介入がなければ、各ヒロインは予定通り最初に設定されている超目的に従ってデフォルトのエンドポイントに向かうのですが、
2010-09-21 03:53:55プレイヤーの介入があると途中でヒロインの超目的が変化し、その結果シフトした位置にエンドポイントがずれて別のエンディングを迎えることになるという構成をとることになります。
2010-09-21 03:55:23@charasaito そう言っていただけますと、ツィートした甲斐があります。ありがとうございます!
2010-09-21 04:18:15ちょっと複雑ですが、このように超目的が変化するストーリーというのは、ドラマチックストラクチャーで扱うことができるので、これに関しては問題ありません。
2010-09-21 03:55:42後は、途中で他のルートにも分岐できるように、各ルートの結節点をプロットポイントに設けてやればいいだけの話です。例えるならば、元々青森から東京経由で大阪まで行く予定だったトラック(ヒロイン)が、途中の東京でプレイヤーキャラを載せたために目的地が名古屋に変わっただけの話です。
2010-09-21 03:58:10マルチエンドのストーリーとは、このようにあるストーリーラインを共有するキャラごとに超目的を設定してやり、もし分岐が必要ならば各ストーリーのプロットポイントを同じ場所やイベントに設定してやることで、共通の結節点として飛ばしてやればよいだけの話ということになります。
2010-09-21 03:59:39このように考えるようになってからは、ストーリー構成を勘に頼るのではなく、方法論に頼ることができるようになりました。おそらくかなりのゲームライターの皆さんは、今でも勘でストーリー構成を考えている方が多いと思うのですが、こう考えると少しは楽になりますよということです。
2010-09-21 04:02:16シングルスタート/マルチパス/シングルエンドの重要性に関しては、今までお話ししてきたマルチエンディングでのドラマチックストラクチャーの適用仮説をもうちょっと進めたところにあると思っています。おそらくここで問われるのは、「それでもプレイヤーキャラは主人公なんだ」ということでしょう。
2010-09-21 04:05:02シングルスタート/マルチパス/シングルエンドに関してはひとまず今は課題としておいて、近いうちに実践をしてみたいと考えております。
2010-09-21 04:09:51@nyaa_toraneko マルチヒロインゲームにおけるヒロイン選択によるマルチシナリオと、そうではなく一つのモチーフを扱い続けるマルチエンドでは、分岐の意味合いが異なりませんか? 後者では、葛藤の解決方法にプレイヤーの意志をどう反映させるかで、没入感を高める形式だと思います。
2010-09-21 04:08:07@epics_jp そうですね。ギャルゲーを例にとりましたのは、非常に分かりやすい例だからです。実際、ひとつのモチーフを扱う場合でも、同様にそのモチーフに絡まるストーリーラインとして個別に定義すると、同じような方法論でシナリオ構成ができますよ。
2010-09-21 04:12:34ちなみに『H』というゲームは、これを徹底的にやってるゲームで、独立した3ヒロイン×5エンドのストーリーが、7つイベント見るとストーリーがオチるという形式で作ったものです。前にも言いました通り、途中のイベント発生に十分な調整が出来ていない部分がありますので、完全とは言いにくいですが
2010-09-21 04:22:55少なくともそういうときメモタイプのシミュレーションでも、十分ADVに見える形式に作ることはできるということは証明できたと思います。後は、各イベントの発生タイミングを調整する「演出」を仕込むことですね。そうすれば、シミュレーションゲームにストーリーを語らせることは十分可能でしょう。
2010-09-21 04:25:03む。すべての分岐を辿り終えた先にテーマがある、と作っていいのか、それとも、任意のルートで一回クリアするだけで伝わるべきなのか。すなわち、各分岐したストーリー自体を、総体を構成する一つのエピソードとして良いのか。いや、両方の要素がバランスよく有るべきなのでしょうけれども。
2010-09-21 04:21:42@epics_jp 僕的には、「すべての分岐を辿り終えた先にテーマがある」が、シングルスタート/マルチパス/シングルエンドの物語にはふさわしいと思いますねー。これは勘ですが。
2010-09-21 04:26:26もう一歩進めた先に、個別のパスにおけるシナリオ構成だけでなく、分岐構造をユーザが辿る体験そのものを構成する、マルチシナリオ脚本術がありそうな気がします。もし、仮にそれが、辿る体験のゴールを一つに定める技であるなら、それはシングルエンドと言うべきですね。
2010-09-21 04:28:52@epics_jp そうですね。途中の行き方が自由な一筆書きみたいな感じですね。それが究極だと思います。
2010-09-21 04:30:18