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Takehiro OHYA @takehiroohya
@lematin 繰り返しますが、自民党改憲案はダメだと私も思いますし、問題点について議論するのはいいことだと思いますし、そのために勉強するのも素晴らしいと思いますが、社会的に広く通用するスタンダードな議論から始めることが(特に導入的な段階では)正しいと思いますよということです。
Takehiro OHYA @takehiroohya
とりあえず芦部憲法の学習会から始めても、例の自民党改憲案を批判的に検討するという目的のためには十分のような気がするがなあ。あれ書いた人たちと比べても、それだけでかなりいいところまで行けるような気がする。これ以上直接的な表現は避けるけど。
Takehiro OHYA @takehiroohya
というわけで法律学まめ知識。上位規範は下位規範に優越する。同一レベルの規範同士が衝突する場合には《後法が先法に・特別法が一般法に》優越するといった基準で判断するが、まずは規範の階統性が適用される。
Takehiro OHYA @takehiroohya
優越順位の基本は、憲法→法律→政令→省令。条約・条例はどこに入るか、憲法のなかに差があるかといった応用問題はあるが、とりあえずこれが基本。だから憲法に矛盾する法律は無効になるし、政令で法律の内容を変更することはできない。さてこれを踏まえて。
Takehiro OHYA @takehiroohya
問題:自民党改憲案は、現行36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」の後半を、「禁止する」に改めることを提案している。これについて「絶対」でない以上は許容される可能性があるという主張は、正しいか。
Takehiro OHYA @takehiroohya
仮に、例外的な場合に拷問を許容する法律が制定されたとしよう。しかし憲法で拷問は禁止されており、上位規範の内容を下位規範で改めることはできないから、その法律は無効になる。憲法による禁止を改めるには同レベル=憲法による規定が必要になる。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→ところで憲法規範を定めるには96条の改正手続きが必要である。それが成功するというのは憲法自体を改めることが可能な事態なので、憲法に「絶対」と書いてあろうがなかろうが《そこを変えることのできる状況》だということになる。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→つまり「絶対」の有無に関わらず法律で例外を認めることはできないし、憲法改正には対抗できない。《法的には》別に何も変わらないということになる。もちろん「絶対」と言い切る意気込みがなくなるということは可能であり、おそらくそれは事実だが、それは表現の問題であるに過ぎない。
Takehiro OHYA @takehiroohya
問題:自民党改憲案は、内閣総理大臣が緊急事態を宣言し、法律と同じ効力を持つ政令を定めることができるようにすることを提案している。また、緊急事態のあいだ両院議員の任期に特例を設けることができるようにしている。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→事前に緊急事態を無期限とする法律を定めること、あるいは一旦緊急事態が宣言されたのちに上記の政令によって緊急事態が無期限に継続するものと定めることは認められるか。
Takehiro OHYA @takehiroohya
案98条3項は、緊急事態が100日を超えて継続するごとに・事前に・国会の承認が必要であるとしている。緊急事態を無期限とする法律はこの規定に反するので、違憲無効となる。また緊急事態下における政令は法律と同一の効力を持つとされているので、やはり憲法の内容を変更することはできない。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→なお一般的に内閣は両院の多数を占める政治勢力に依拠して成立するので、緊急事態の宣言および継続にかかる承認が通常の多数決で得られるものとすると、事実上はかなり高い確率でそれに成功することが予想され、結果的に相当長期間にわたって継続する危険性は否定できない。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→しかしそれは法的な効果ではなく事実上の予測なので、少なくとも100日ごとの投票を避けることはできないし、次第に世論の批判を受けて反逆者が増えるとか、与党が分裂するという可能性もある。それらをも抑えた・法的に永続する緊急事態を合法的に作り出すことはできない。
Takehiro OHYA @takehiroohya
なお立法論的には、緊急事態法制が必要だとしても《緊急事態だ》ということに広範な社会的合意が得られる場合に限定すべきだとして承認に特別多数を要求するとか(ドイツの場合2/3)、継続の承認が得られる条件を次第に上げていくということは十分に考えられる。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→また、緊急事態法制の趣旨が危機への対応を優先するために政治プロセス・政治対立を「棚上げ」するところにあることを考慮すれば、その期間内に・当面の目的を超えた措置を講じることは避けられなくてはならない。→
Takehiro OHYA @takehiroohya
→基本的にその判断は国会の事後承認に委ねられているが、それ自体をも回避するような憲法体制の変革を予防するために、緊急事態下における憲法改正の発議を禁止する規定は明示的に置くべきかと思われる(ドイツに同種の規定あり)。

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