6月29日の増田耕一先生の講演:雑記

講演後のコメントを書いたところ、増田先生にも返信を頂きました。
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田家 康 @tangeyasushi

6月29日に気象予報士会の例会で、JAMSTECの増田耕一主任研究員にご講演をお願いしたが、その内容がご自身のウェブサイトにアップされている。表紙頁とスライド、質疑応答が別立て。スライド45~48枚目と質疑応答は新鮮です。http://t.co/FVN7pmafFg

2013-07-02 06:37:04
田家 康 @tangeyasushi

増田先生から「温暖化予測モデルは今後修正が必要だろう」といった趣旨の発言もあった。科学の進歩一般を指すのか、あるいは本質的な課題があり、それを解決する必要があると思っているのか不明だが、印象に残った。 http://t.co/8V5E4xUGOa

2013-07-02 06:43:51
田家 康 @tangeyasushi

20世紀前半の昇温が小氷期からの回復期とするのは、予測モデルで温室効果ガス要因を除いても気温の推移を再現できたことに由来する主張だろう。20世紀後半の自然要因と温室効果ガス要因合わせた昇温と回帰線の傾きが同じなのが少し違和感。http://t.co/9RMQK18yIf … …

2013-07-02 06:54:31
MASUDA Kooiti @masuda_ko_1

モデルではなく研究の進めかたに修正が必要だろうと言ったつもりでした。気候モデルの改良は進むと思いますが、永遠に答えられない問いもあります。社会が知りたいことであり科学ががんばれば答えられることでもある課題を見つける相談の場が必要になると思うのです。@tangeyasushi

2013-07-02 09:40:01
田家 康 @tangeyasushi

永遠に答えられないであろうものに、自然変動の頻度やサイクル期間があるわけですね。@masuda_ko_1 研究の進めかたに修正が必要だろうと言った。永遠に答えられない問いもある。社会が知りたいことと科学ががんばれば答えられることの接点。http://t.co/IylRYxiivU

2013-07-02 20:24:17
田家 康 @tangeyasushi

IPCC・AR4の時点では、自然変動は循環的な性質を持つゆえ長期的には相殺できるもので、その変動幅はエラーバーに収まるとの説明だった。これを聞いた当時、エラーバーはそんな万能のものかと不思議に思ったりした。(続)

2013-07-02 20:38:27
田家 康 @tangeyasushi

(承前)しかし、21世紀に全球平均気温の上昇傾向が見られないというHiatus問題が拡がると、今度は自然変動に注目が集まった。そして、1980年代から2000年にかけての気温上昇には自然変動要因が相応にあるはずとの見込みとなった。(続)

2013-07-02 20:39:06
田家 康 @tangeyasushi

(承前)しかし、温暖化予測モデルではこの期間の気温上昇要因を全て温室効果ガスだとしている。この主張は筑波大学の田中教授がAOに言及しつつ、語っている。増田先生の今回のコメントは、田中教授の見解にも適っている。そして、このことが、Hiatus問題の根幹かもしれない。(終)

2013-07-02 20:41:27
田家 康 @tangeyasushi

先週の東京支部例会で「中世温暖期と現在ではどちらの気温が高いのか?」との問いかけを複数人から受けた。この議論は30年以上前から専門のワークショップが開かれているが、各地で古気候の解析結果はまちまちで決着がつかない。増田先生がRobustでないとしたのもこれが背景だろう。(続)

2013-07-03 06:53:09
田家 康 @tangeyasushi

(承前)ただし、「ホッケースティック」として別の議論を呼んだMannとBriffaの年輪による気温分析には20世紀後半の昇温が読みとれないというDivergence Issueがある。中世温暖期の気温を過小評価している可能性がある。(続)

2013-07-03 06:53:38
田家 康 @tangeyasushi

(承前)現時点で最もplausibleなものは、Morberg(2005)だろう。欧州、北米大陸、カリブ海、アラビア湾、中国などの世界各地から採取された氷床コア、花粉、有孔虫、鍾乳石による分析をまとめている。(続) http://t.co/cqBa9bLE1a

2013-07-03 06:54:09
田家 康 @tangeyasushi

(承前)Moberg(2005)は、IPCCのAR5にも採用される予定のようだし、今度の拙著でも掲載する。西暦0年~1978年までが解析対象で、これをみる限りで北半球の平均気温は1000年頃の方が1980年代以前の20世紀よりも高い数字になっている。(終)

2013-07-03 06:56:01
MASUDA Kooiti @masuda_ko_1

これは学問的にはおもしろい問いですが、温暖化対策との関係で重要な問いは、中世に全球平均地上気温を指標として(「産業革命前+2℃」と言われる)20世紀後半+約1.5℃のレベルを経験したかどうかだと思います。@tangeyasushi 「中世温暖期と現在ではどちらの気温が高いのか?」

2013-07-03 10:56:11
田家 康 @tangeyasushi

Moberg(2005)の北半球平均気温の各年の数値はNOAAの古気候データベースにありますが、最も温暖な年は1105年で、1960~1990年平均値+0.37℃ですね。"@masuda_ko_1: 全球平均地上気温で中世に20世紀後半+約1.5℃のレベルを経験したかどうか。"

2013-07-03 12:00:36