2013年7月3日

「独白～新選組隊士たちのつぶやき　第七章（最終章）　藤堂平助～慶応三年十一月～七条油小路」

「新選組　試衛館の青春」の著者　松本匡代先生による「独白～新選組隊士たちのつぶやき」をまとめました。こちらは最終章　藤堂平助～慶応三年十一月～七条油小路　です。

文学書籍試衛館の青春藤堂平助新選組

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こちらに来てしまった私達には、もう、あちらの仲間達のために何もしてあげることはできません。せめて、二人で、みんなのことを、こちらから見守っていきましょう」　私は、深く頷いた。本当にそうだと思った。 #試衛館の青春

2013-07-03 18:23:05

「さて、そろそろ私は行きます。総司のことも心配ですから」　山南さんは、今度は少し明るく微笑んだ。　私も総司のところへ行きたいと思った。たったひとりで屯所で寝ているだろう総司のことが気にかかった。 #試衛館の青春

2013-07-03 18:24:01

　私がそういうと、山南さんは首を横に振った。「それは、まだ、無理です。まだ暫くは、自分の遺体の見える範囲しか動けないのですよ」　山南さんは、静かな微笑を残して、消えた。 #試衛館の青春

2013-07-03 18:25:18

　残された私は、いつまでも私の遺体のそばから離れようとしないみんなの姿を、いつまでもいつまでも眺めていた。 #試衛館の青春

2013-07-03 18:26:11

　私は死んだ。　少し寂しく、少し悲しかった。　でも、みんなのもとへ帰って来たんだ。　そう思えて、少し嬉しかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　（了） #試衛館の青春

2013-07-03 18:27:26

以上で「独白」終了です。長い間、お読みくださり、有難うございました。宜しければ、ご感想など何なりとお聞かせ下さいませ。今後の企画は、今晩、後程お知らせいたします。 #試衛館の青春

2013-07-03 18:31:54

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