#短歌の文語 #筒井筒 篇

『伊勢物語』の「筒井筒」に出てくる和歌を、じっくりまったり解体していきます。随時更新。
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小山芳立@念仏無間 @khoryu

#短歌の文語 #筒井筒 「ず」(打消)の連体形の一つ「ぬ」は、完了「ぬ」の終止形と同形で紛らわしいですが、未然形に付くか連用形に付くか、あるいはあとに体言が付くか付かないかで判別できます 「こぬ人をまつ」〈来ない人を待つ〉 「八十島かけてこぎいでぬ」〈島々を目指して漕ぎ出した〉

2013-07-06 00:18:29
小山芳立@念仏無間 @khoryu

#短歌の文語 #筒井筒 ちょいと面倒なのは、連体形はあとに体言が付くとはいえ、その体言がよく省略されるということです。現代語もそうですが文語ではもっと。連体形はあとに「人」「もの」「こと」などが補われます 用例「しるもしらぬも…」(蝉丸)→「知る(人)も知らぬ(人)も…」

2013-07-06 00:21:58
小山芳立@念仏無間 @khoryu

#短歌の文語 #筒井筒 「筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに」 この歌で重要な点の一つは、過去と完了がきちんと使い分けられているということ。「井筒にかけし」の「し」は過去(「き」の連体形)、「過ぎにけらしな」の「に」は完了(「ぬ」の連用形)です。

2013-07-06 00:25:09
小山芳立@念仏無間 @khoryu

#短歌の文語 #筒井筒 現代語では過去と完了の区別が不明瞭なので例えば「荒れた寺」という言い方をしますが、文語にするときに現代語の感覚で過去表現を使い「荒れし寺」と言うと昔話になってしまいます(あるいは今はもう荒れていない寺)。こういう場合、文語では「荒れたる寺」と言います。

2013-07-06 00:29:17