第一回大罪大戦虚陣営【交流フェーズ03】
- sinlite_ohari
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「行こう。……ああ、でもその前に」 『色欲』の目を、見つめる。 「アンタの名前を聞いてない」 『大罪』であっても、その前に人だと言ったのは彼女だ。ならば『罪』としての名ではなく、人の名を知っておきたかった。
2013-07-08 01:36:30「…それは」 どちらの『名』を? と問いかけて止めた。 それを今聞くのは野暮だろう…そう思ったから。 「…『蘭 菲(ラン フェイ)』よ」 自らが忘れていた名。 出来ることなら忘れてしまいたかった名。 けれど…これは背負っていかなければいけない『罪《名》』→
2013-07-08 01:41:39今でも思い出せるあの青年の姿。 あぁ、あの子は幸せになれただろうか。 不幸にしてしまった『化け物』などに思われたくもないだろうが、今でもそれが気になった。 「…それが、今あなたの目の前にいる『化け物』の名前よ。 しっかり覚えておきなさい」
2013-07-08 01:44:22「『化け物』ねえ」 そんなことを言ったら『大罪』は皆化け物だ。しかしそれでも、彼女にそう言わしめるだけの過去を、彼女は取り戻したのだろう。 「わかった」 深くは、問わない。 そのまま広間へ。そして扉の前へ。『SIN』と描かれた扉の前に立つ。→
2013-07-08 01:58:12『いすとりーぶー』 裾を、引かれる。視線を向ければ、そこにはあどけない表情を浮かべたエダクスがいた。くいくいと俺の裾を引きながら、どこかを指さす。 『あれくいたい』 指さす先には瓦礫の山しかない。だが。→
2013-07-08 01:58:25幻影が、立っている。鮮やかな緑の葉を広げて果実を実らせるリンゴの木。赤い果実は光を受けて瑞々しく輝く。 「……エダクス、あれは」 返事をしようとした時には、もうエダクスは消えていた。リンゴの木も消え、残るのは瓦礫のみ。→
2013-07-08 01:58:36「…………」 エダクスにとって、リンゴには重い意味があるのだろうか。それも、『黒』に聞けばわかるのだろうか。 俺は、どうしたい。この戦いをどうしたい。 そんなことは――もう、決まっている。
2013-07-08 01:58:51「…そうね、じゃあ行きましょうか…」 扉を開く。 扉から差し込む光に少し目がくらんだけれど、大丈夫…前を向ける。 「…あぁ、そうだった…『イストリーブ』、あなたに伝えておくことがあるわ」→
2013-07-08 02:01:36振り返り『暴食』に向けて自分の決意を伝える。 そして女は『暴食』の返事も聞かずに扉を潜った。 ―――さぁ、『化け物』の最後を締めくくろう。
2013-07-08 02:03:10