第一回大罪大戦失陣営【交流フェーズ03】並べ替え

元黒(ノワール)は強欲、アヴァリーティア[ @ebleco_sin ] 元紅(ルージュ)は暴食、グラトニー[ @Hajime__sin ] 元虚(ゼロ)の憤怒、李暗愚[ @Alfreat_sin ] 元黒(ノワール)は暴食、グラ[ @meiji_sin ] 元黒(ノワール)は憤怒、イラ[ @Fiteenl_sin ] 続きを読む
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紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

@Fiteenl_sin ぼんやりと、何もなかったそこに、浮かび上がる。ゆっくりと、はっきりと。指先が、手のひらが、触れて。 じわり、目に映るそのかたちが滲む。涙のせいだと、言われて気付く。 「なく、なってしまうかと、思いました、こわかった……!」 抱き寄せられた腕に縋りつく。→

2013-07-06 13:44:45
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

@Fiteenl_sin 溢れる涙は止まらない。唯一確かに『在』ることが、嬉しくて。ただ想いのままに、泣いた。 ややして、気付く。 「……?」 私のものでも、イラのものでもない、声。ただぼんやりとして、私には聞き取れないけれど。 「イラ様、……呼ばれて、いませんか?」

2013-07-06 13:45:10
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 子供の駆け寄る軽い足音が響く。 「アヴァリーティア」 やっと、見つけられたと突撃せんばかりの勢いで。思考が回るようになって、話したいことは沢山あった。

2013-07-06 12:43:10
アヴァリーティア @ebleco_sin

@meiji_sin 「おう、『居た』か、グラ」 男は、駆け寄る姿に両腕を広げた。立ち上がる、刺青だらけの姿。 飛び掛からんばかりの足取りで近付く幼い姿の『暴食』。 それが、『強欲』の身体を、通り抜けた。 「……嗚呼」 男は、溜息めいた声を上げて、首から上だけで振り返った。

2013-07-06 12:56:05
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 普段通り飛びついても受け止めてもらえると思っていたから、勢いは殺さずに、そのまま地に落ちた。 「!?」 意味が分からないと振り返ってアヴァリーティアを見上げる、確かに其処に居るのに、何故。 ぎゅ、と眉を寄せてもう一度。

2013-07-06 13:13:55
アヴァリーティア @ebleco_sin

@meiji_sin 何度も、何度も。 幼い暴食は待ち詫びた姿に飛び付いた。 何度も、何度も。 グラの身体は、刺青だらけの姿を通り抜ける。 何度だって、男はそれに体を向けて、両腕を広げた。 それでも、最早『罪』は交わらない。 「……触れねぇんだ。同じ色でも」 端的な、言葉。

2013-07-06 13:18:59
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 理解していても、諦めきれなかった。そこに姿は在るのに、見えていて声も届くのに何故と、喚きたかった。 それをしなかったのも一つの成長、次に向けたのは、子供の顔に似つかない表情。 「他の、誰でも?」 撫でて貰うことすら叶わないと、いうのなら。

2013-07-06 13:27:52
アヴァリーティア @ebleco_sin

@meiji_sin 「……そうだ。誰でもだ。俺は、『誰にも触れられない』」 男の色違いの瞳は、真っ直ぐに、冷たい表情の『暴食』を見た。 ゆっくりと、下ろした、『両腕』。 「だから、探すぞ、グラ。俺に触れられるものを、お前に喰えるものを。抗え、思い出せ、お前は、『其処に居ろ』」

2013-07-06 13:32:03
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 「喰えるもの、……あっ」 思い出す、皆で食べようと持ってきた果実のこと。右手で身体に触れると一つ取り出して床に置いた。真っ赤に熟している、林檎。 「これでもだめかな」 これは、アヴァリーティアの分。自分のはまだ食べない。 ……両手? 「アヴァリーティア?」

2013-07-06 13:39:20
【暴食の雛】 @meiji_sin

「うで、生えたの?」 飛びつこうとしたときにはその違和感には気づく余裕が無かったけれど、両腕があるアヴァリーティアは、なんかへんだ。 生えるなら、かじらせてくれてもいいのに触れられないなんてずるい。何としても絶対に触る。

2013-07-06 13:42:33
アヴァリーティア @ebleco_sin

@meiji_sin ゆっくりと、男は、掌を『何も無い』地面に向けた。その先には、赤い、色。 男は、いつだって、掌をグラの顔にだけは向けなかった。 「……ああ、これか? インヴィディアに貰ったんだ。いい腕だろ?」 握る。右の拳。『床の上の林檎は動かない』。 「……俺のものだ」→

2013-07-06 14:07:04
アヴァリーティア @ebleco_sin

→ 「それは、俺のものだ。グラ、どうせ此処じゃ何も腐らない。それは、取っておけ」 反対側、だらりと下げた、継ぎ接ぎだらけの腕。 その先には、左側にあるのに『右手』が付いている。 男は、その手で薄紅色の瞳を抑えた。口元だけは、笑みの形を作っている。 「……お前も、それも、全部だ」

2013-07-06 14:10:01
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 「インヴィディアの?なんで、みぎだけ」 疑問は尽きないが今はインヴィディアは居ない。 アヴァリーティアの手が林檎に触れることは無い。これでも駄目だったようだ。 自分の右手で林檎をなぞるように触れると直ぐに消えた。 「しかたないな、ぐらが持っててあげる」

2013-07-06 17:06:51
【暴食の雛】 @meiji_sin

@ebleco_sin 「えー、ぐらも?」 自分は、アヴァリーティアさえ食いたいと思っている、今は叶わずとも必ず。 「それもしかたないなー」 大人びた口調が子供の声で紡がれる、背伸びしたい子供そのままに。 「でも、ほかのりんごは『みんなの』だからね、アヴァリーティアはいっこだけ」

2013-07-06 17:09:17
【暴食の雛】 @meiji_sin

触れられないならどうしたものかと、考えるまもなく姿が増える。 途端に表情は威嚇するものを少女へと向けた。まだ一緒にいる、と低く唸る。 林檎は、グリードの分もあるのに、だ。 まだ赦せない。

2013-07-06 17:11:59
LiljaのIra @Fiteenl_sin

@HeNotShe_sin 白いそれを抱きとめて、緩やかに息をつく。その言葉には苦笑して、そして不意に違和を覚える。 眼を凝らす。掌で白い髪を撫でようとして、それが掌を突き抜けていく。意識を凝らせば漸く遠い感触がある——『此処には何も無い』。『在る』としているのは、金の百合か。

2013-07-06 14:21:12
LiljaのIra @Fiteenl_sin

ただその事には何も言わずに、泣くそれが落ち着くのを静かに待って。 そして遠くからの声、問いかける声に顔を上げる。見渡せば虚空だが、何も無いということは、何でもあるという事だ。存在は、認識に依る。手を繋いで、そして何処かへと足を踏み出して。 「アヴァリーティア」 確と、名を呼んだ。

2013-07-06 14:21:12
アヴァリーティア @ebleco_sin

「……よぉ、イラ。『来た』か」 男が、交差するように右眼に宛てていた左腕を振り払う。そこから、赤色の雫が、虚空に散って、消えた。 振り返る姿。男に無かった筈の継ぎ接ぎだらけの左腕の先、右腕に比べれば細い指先。『右手』。嗚呼、男の傍らには『暴食』が居る。女の傍らには『世界』が在る。

2013-07-06 14:30:19
LiljaのIra @Fiteenl_sin

視えた瞬間、息が詰まった。強欲の姿、傍らの少年、虚空に置かれた赤い色。ああ、と意識のしないまま声が落ちる。そのまま、何を言うかも分からないまま沈黙して。 「……来たか、じゃないわよ」 勝手にいったのは、そっちだろうに。おかげでどれだけ大変だったか。続けられない声が、渦巻いて。

2013-07-06 14:39:51
紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

繋いだ手を確りと握って、離さない。もう離さないと決めたのだ。この不確かな世界で、持たざる私が唯一望むことを赦された、この手を。 進んだ先に、見覚えのある少年と、知らない誰か。 ――『黒』だ。 胸がざわついた。今の『私』には、それがどういうことなのか、わからなくなっているけれど。

2013-07-06 14:43:23
アヴァリーティア @ebleco_sin

「来なかったら、どうしようかと思った」 笑み。常の、強欲の口元に弧を描かせた、半眼の表情。 「見ろ。何にも無い。まるで煉獄だ。誰も来ないんじゃ、本当に虚無じゃねぇか。寂し過ぎて泣きそうだ」 軽口。常の、そんな訳も無いのに、口に出すだけの、言葉。 男の視線は、イラの手へ。その、→

2013-07-06 15:21:34
アヴァリーティア @ebleco_sin

→ その手は、確かに繋がれていた。 「……嗚呼。そうか。良かったな、イラ」 ぽつりと、零した、言葉が、一つ。 そうして、男は一歩を踏み出した。 緩く、手首を地面に向けて振った。 それから、首をゆっくりと回して。 ――いきなり、男はイラの隣の少女の顔に向けて、拳を振り抜いた。

2013-07-06 15:24:15
LiljaのIra @Fiteenl_sin

——拳を見た瞬間に、手を引いた。 庇う、とは言えない。ただ腕を掴んで引き寄せその拳の行く先から少女の身体を退ける。 ——本当にそのつもりなら、掌を向けるだけで良い。こちらに近寄ったりなど、しない。 だからこそ少女を引き寄せたそのまま、女は彼に向かって笑んだ。 「……ありがと」

2013-07-06 15:30:48
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