薬学たんのリウマチ講座(?)

かねてより予告していたリウマチ講座(?)です……お待たせいたしました…… 追記:所々ツイート差し替えによる修正を行っております
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

あとは……リウマチのお薬についてやりますか! お待たせいたしておりました……!

2013-07-15 19:25:20
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

まず、関節リウマチってどんな病気だかわかります? 関節痛やこわばりは、一体何が原因なのでしょう?

2013-07-15 19:32:06
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

関節リウマチは、関節に慢性的な炎症を引き起こす病気で、血管などにも炎症が起こることもあります! この炎症の原因は、何と自分自身なんです!  というのも、自分の免疫機能が何らかの異常を以て、自身の関節などを攻撃してしまうのです! こういった病気は、自己免疫疾患と呼ばれます

2015-05-26 23:28:58
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

関節リウマチでは、初期症状として関節のこわばりや関節痛が現れます! これが進行していくと、関節が特有の変形を起こします……! 他に、慢性的な炎症による疲労感や倦怠感、発熱なども症状として出ることがあります

2015-05-26 23:52:46
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

では、簡単に自己免疫について説明していきましょう 免疫といえば、主役は白血球です! 白血球にはいくつかの種類があります 例えばマクロファージ、ヘルパーT細胞、好中球、B細胞、ナチュラルキラー細胞、キラーT細胞……… これらが主に私たちの免疫機能を担っています

2013-07-15 19:43:17
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

そして免疫の機序ですが、今回は細胞性免疫体液性免疫という2種類に分けて説明したいと思います!

2013-07-15 19:48:59
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

そういえば以前花粉症のお話をした時に少し免疫のことが出ていましたね!(参考:薬学たんの花粉症講座(?))http://t.co/Nhv0zEZ3vX では、体液性免疫を先にお話しましょう!

2013-07-15 19:58:02
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

まず免疫の対象になる物質を抗原といいます 普段は細菌やウイルスなんかが抗原となりますね この抗原が体内に入ってくると、マクロファージと呼ばれる細胞などがそれらを見つけて食べ始めます!

2015-05-26 23:39:02
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

それからマクロファージは抗原提示というお仕事もします 彼は抗原を食べ、その欠片をヘルパーT細胞に提出するんです! ヘルパーT細胞は、いうなれば免疫系の司令塔で、号令係でしょうか……

2013-07-15 20:04:49
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

マクロファージに抗原提示されたヘルパーT細胞は、「むむっ、これは大変だ!」といって活性化し、サイトカインという物質を産生します これが、免疫反応を開始する号令です!

2013-07-15 20:11:32
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このサイトカインは、B細胞と呼ばれる細胞を活性化して、プラズマ細胞と呼ばれる細胞に変化させます! 彼は白血球界の科学者なんですよ!

2013-07-15 20:17:12
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

B細胞は、ヘルパーT細胞からの号令を受けて、免疫グロブリンと呼ばれる物質で出来た抗体を作り出します! この抗体は、B細胞という科学者が作り出した対抗原用の武器です!

2015-05-26 23:41:01
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

こうして出来た抗体が抗原を認識して攻撃することで無力化する…… これが体液性免疫の仕組みです! 続いて、細胞性免疫について……

2015-05-26 23:44:08
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

細胞性免疫は、ヘルパーT細胞がサイトカインを産生するところまでは体液性免疫と一緒です! こちらでは、サイトカインの効果でマクロファージを活性化させ、キラーT細胞を増やします 司令塔の号令が、戦士を鼓舞するとでも言いましょうか……

2013-07-15 21:14:09
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ざっくり言うとこんな感じですね B細胞が関わるのが体液性 ラーT細胞やマクロファージが元になるのが細胞性免疫

2013-07-15 21:48:21
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

では、そんな免疫の疾患であるリウマチはどのように治しましょう? よく用いるのは抗リウマチ薬と呼ばれるお薬たちですね!

2013-07-15 21:52:22
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

抗リウマチ薬をいくつか取り上げて解説します ではまずペニシラミンから!

2013-07-15 22:09:42
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ペニシラミンは、銅や水銀などの金属と結合して、キレートと呼ばれる化合物になるため、水銀中毒や鉛中毒の治療にも使います このお薬は関節のコラーゲンを破壊するコラゲナーゼという酵素の働きを抑えます

2013-07-15 22:14:51
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

次にオーラノフィンです! こちらは金製剤と言いまして、金原子を含んだお薬なんですよ! マクロファージの暴食を抑え、細菌を分解する働きを持つライソゾームを抑制する作用があります

2013-07-15 22:18:43
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

よく見るのはメトトレキサートかもしれないですね! このお薬は、コラゲナーゼの抑制、免疫グロブリンの産生の抑制などのはたらきを持ちます

2013-07-15 22:23:26
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

次に、副腎皮質ステロイド薬ですね! ステロイド薬は、以前に何度か説明していますが、抗炎症作用を持ちます そのうえ、今までは副作用に見えていた免疫抑制作用がここで功を成します! このお薬は、副作用を上手く調節しつつ用いますよ!

2013-07-15 22:25:58
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

あと特筆すべきは、生物学的製剤ですかね……例えばレミケード、エンブレル、オレンシアなどでしょうか……これらは注射薬ですね

2013-07-15 22:38:05
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

生物学的製剤は、サイトカイン阻害薬とも言います このお薬は、効けば強力ですが副作用が強かったり、値段が高いので、他に手段がないときの最終兵器ですね

2013-07-15 22:42:40
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

例えばですね、生物学的製剤の服用中は日和見感染症のリスクが高まります B型肝炎をのウイルスをもっている方は、B型肝炎ウイルスの再活性化も報告されています よって、感染症のリスクを持っている方が服用するときには、抗菌薬などで対策をします!

2013-07-15 22:58:52
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

うん、こんなものかな ちなみに、今のところリウマチを根本から治療するようなお薬はないんです ですから、何とかしてお薬を使わずとも痛みや腫れ、炎症の無い状態(寛解といいます)を目指すことが、リウマチ治療の目標ですね!

2013-07-15 23:01:14