第九十八話:彼岸舟 第九十九話:取引 第百話:百物語
- C_N_nyanko
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「ママがね、パーティーのじゅんびできたって。あ、でもね、パパ、めかくししてから来てね」 言いながら、君はそわそわと落ち着かない。 案の定の言葉に、少し微笑みかけた。 「わかった。じゃあ案内してくれるかい」 http://t.co/Yoa5FrowrV #角川小説
2013-07-16 12:14:58僕は君と手をつないで、部屋を出る。その途中でふと、あることを思い出した。 「少し待ってなさい」 君を廊下に待たせて、書斎に立ち戻る。 ロウソクが、ゆらゆら揺れていた。 僕は、ふぅと息を吹きかけた。 http://t.co/Yoa5FrowrV #角川小説
2013-07-16 12:17:36ロウソクは、ゆらり、揺らめいて消える。 「これですべての物語はおしまい」 一人になった部屋で、僕はそう告げた。 ぱち、と、手を叩く音がする。 ぱちぱち、ぱちぱちぱちぱち。 無数の何かが、手を叩く。 http://t.co/Yoa5FrowrV #角川小説
2013-07-16 12:18:48「ありがとう」 僕は立ち上がって、大きくお辞儀をしてみせた。 拍手は、少しずつ鳴り止んでいく。 「じゃあ、お別れだ。どうぞ達者で」 僕は、書斎をあとにした。 君が、にこにこと僕を待っている。 http://t.co/Yoa5FrowrV #角川小説
2013-07-16 12:19:09僕は目隠しして、君と手を繋いだ。 「じゃあ、案内してくれるかい」 その問いかけに。 『君』は、楽しそうに笑った。 そういう訳で、僕は今、君と、『新しい君』と、共にいる。 そういう、チョッとした話。 http://t.co/Yoa5FrowrV #角川小説
2013-07-16 12:20:34というわけで、たくさんの応援、本当にありがとうございました。 お陰様で「チョッとした物語」、無事完結を迎えることができました。 たくさんの励ましを下さったフォロワーの皆さんには、感謝してもしきれません。 本当にありがとうございました。
2013-07-16 12:26:17