飛行機マニア、「風立ちぬ」を観る。

モンペリエ斉藤 @_monpe

そんなわけで俺は映画館へやってきたのです。

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「風立ちぬ」素晴らしかった！

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『風立ちぬ』面白かった！飛行機映画としてはあまり期待していなかったんだけど、思っていたより多種多様な機体が登場してましたな。個々のシーンは短いんだけど、それぞれが宮崎駿らしい偏執的な描写で描かれていて息を呑んだ。（とあるシーンで翼内構造が透過図になるところなど、もう！）

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アニメの真骨頂は、写実ではなく誇張にある。実物を見たときに感じた感動を動画で表現できるのが強みで、「風立ちぬ」に登場する飛行機は、まさにアニメならではの魅力に溢れてた。たぶん現存しない機体をリアルに表現したいのであれば「レッド・バロン」のようにフルCGにするのがベストだろう。

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それを一番感じたのは三式艦戦のジュピターエンジンの描写。シリンダーヘッドがまるで心臓のように鼓動するのだ。確かに始動したエンジンは振動するが、現実には生物のように脈動するなどありえない。あれは今まさに飛び立たんとする飛行機の躍動感、それを見た者の感動をそのまま活写しているのだ。

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鳥のように羽ばたく厚翼、過剰なバックファイア、見る角度によって自在に伸縮する縮尺。どれも現実にはありえないが、飛行機を見る者の感動は確かに「写生」している。二郎にはあのように見えていたのかもしれないと思わせる説得力があった。

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人が口真似で演じたというエンジン音も、あの作品世界ではまったく馴染むものだった。実機の音を録音するなどありえない。愛も人倫も踏みしだいて「美しい飛行機作り」に邁進する二郎、まさに子供のような純粋さ（笑）を持つ彼には、エンジン音を口真似で演じて遊戯に興じる世界が似つかわしい。

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設計の様子や九試単戦設計チームの会議シーン。門外漢なのでどこまで正確なのか分からないけれど、想像するにかなりアレンジというかカリカチュアライズされてるんだろうとは思う。けどあの短い時間で、堀越技師の革新性をよく表現していると思った。沈頭鋲は萌えるよね！

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しかしまあ、欲を言えば「飛行シーンをもっと！」というのはありますね。途中に差し挟まれてた恋愛モドキみたいなのをカットして、そのぶんを飛行機描写にあてて欲しかった。

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恋愛モドキ、はかなり意地の悪い言い方だったな...。でも、人間のクズの美しい面をなんとか表現しようとして、結果クズサイドがどうしようもなく強調されたちゃいました、的なものを僕は感じた。あるいはそれは監督の狙いどおりでもあったのかもしれない。

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なぜなら、『風立ちぬ』公式サイトにある企画書を読むと、確かにその通りの映画になってるのだ。「夢は狂気をはらむ」。二郎の夢と狂気は言わずもがな、菜穂子の夢（独善）と狂気も。http://t.co/ToIFs0l3gM

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とにかく、見た後で無性に語りたくなるという事は、よい映画だったという事なのです。『風立ちぬ』は素晴らしい映画です。惜しむらくは、直前にビールあおったせいで上映中絶えず尿意にさらされていて集中できなかったこと。できればまた観に行きたい。

モンペリエ斉藤 @_monpe

まあ、その前に『パシフィック・リム』だな...。

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あ、大事なこと忘れてた二郎と本庄の関係性は確かにクるものがありました。一部で騒がれるだけのことはある。『風立ちぬ』が煙草映画と化した理由の3分の1ぐらいは本庄にありますし。

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そういえば、本来は今月発売号のモデルグラフィックスに付くはずだった九試単戦のマガジンキットは、11月発売号に延期になった模様。さっき本屋で確認してきた。

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そういえば『風立ちぬ』の前に『かぐや姫の物語』の予告があったんだけど、それも素晴らしかったなぁ。

モンペリエ斉藤 @_monpe

今時ジブリ映画はカップル御用達のデートムービーでもありまして、劇場内には「風立ちぬの後はアレ勃ちぬ」とか「貴方の逞しい操縦桿で私を天上へ連れて行って！」と言わんばかりの状態の連中も結構いまして。 　　　　　 生きねば。