まめしば先生による「弁護士になって半年経った雑感」

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まめしば @mameshivaa

いつぞや予告していた、弁護士になって半年経った雑感でもつぶやきます。飲みながら。

2013-08-03 00:45:06
まめしば @mameshivaa

とにかくまず最初に浮かぶのは、弁護士の世界は奥が深く、経験が重要だということ。どんなに頭が良かろうが、能力があろうが、1年目2年目のぺーぺーが役に立つ世界ではないということ。

2013-08-03 00:51:05
まめしば @mameshivaa

それと同時に、弁護士の中にはとんでもなく能力の高い人が一定の割合でいて、その人達に比べれば自分の才能なんて凡庸すぎて嫌になるということ。とにかく、自分がいかに井の中の蛙だったかを知った半年でした。

2013-08-03 00:53:35
まめしば @mameshivaa

弁護士には、大量の案件を同時処理し、瞬時に脳の引き出しを開けて記憶を取り出せる能力が絶対に必要。これを鍛えないと、ダラダラと記録を読み返して時間ばかりが過ぎていく。。。弁護士業界が長時間労働が当たり前なのは、この「記憶を呼び戻す作業」が必要なためだと思う。

2013-08-03 00:59:25
まめしば @mameshivaa

あと、徹底的に相手の立場になって考える能力も必須。メールを書くにも、FAXを送るにも、準備書面を書くにも、「これを受け取った人はどう思うか?」と深く想像を巡らせることが本当に大事。自分はこれが出来ているつもりだったけど、ボスの感性に比べたら足下にも及ばない。

2013-08-03 01:04:26
まめしば @mameshivaa

交渉でも、和解でも、たった一言(±両方)を言うか言わないかで結論が変わり得る、本当にシビアな職業です。僕が見る限り、ほとんどの弁護士はこのことを自覚していないと思う。

2013-08-03 01:08:27
まめしば @mameshivaa

そのために一番大事なのは、「とにかく自分の頭で考えて準備する習慣」。打合せをする前に、交渉に臨む前に、メールを送る前に、FAXを送る前に、準備書面を書く前に。必ず事前に、自分と相手の置かれている状況を客観的に分析して、どの言葉を言うか言わないかを徹底的にシミュレーションする。

2013-08-03 01:12:35
まめしば @mameshivaa

明るく真面目で社交性のある若手弁護士にありがちな勘違いその①:なんでも正直ベースで話す。「この人にはどこまで伝えるべきか」という情報の取捨選択をせず、とにかく自分の知っていることを伝えてしまう。「言ったら自分が不利になるか」を考えない。

2013-08-03 01:16:19
まめしば @mameshivaa

交渉(和解・調停)の世界は、ある意味情報戦。こちらの心の奥底がバレてしまうと(Ex.話し合いで終わらせたい)、ハッタリがきかず足下を見られる。ハッタリをきかせるためには相手に伝える情報の取捨選択が必要で、何を言ってもよいか、言うべきでないかは、本当に気をつける必要がある。

2013-08-03 01:28:21
まめしば @mameshivaa

若手弁護士にありがちな勘違いその②:弁護士はウソをついてはいけないから、誠心誠意事実を伝えて、それでもダメだったらしょうがない。  弁護士の限界をどう捉えるかによるが、これは職務放棄ともいえる。依頼者に有利な結果から考えて、どこまでが許され許されないかを考えるのが弁護士。

2013-08-03 01:44:45
まめしば @mameshivaa

「普通は無理だよね。。。」という事案を、何とか寝技に持ち込んで結果を持ってくるのが弁護士の仕事。弁護士は、単なる法律の知識が豊富な人ではない。自分が間に入ることで何かしら有利な結果を持ってこなければ、弁護士が存在する意義はなくなってしまう。

2013-08-03 01:51:41
まめしば @mameshivaa

「人の間に立ってお金をもらう仕事」は、一般人では実現できない付加価値を実現することでメシを食っている。現実にはいくらなんでも無理な事案はたくさんあるしそれはしょうがないけど、自分の付加価値を認識できていない弁護士はSpecial Oneにはなれない。

2013-08-03 01:57:30
まめしば @mameshivaa

「依頼者のために有利な結果を実現するためにはどうすればいいか」を常に考えていれば、仕事がルーティーンになってつまらなくなることはないだろうし、自分の狙いがうまくハマって結果が出た場合には本当に嬉しいと思う。自由で裁量が大きく、だからこそその分難しい職業なんだと思う。

2013-08-03 02:06:39
まめしば @mameshivaa

もう眠いので次で最後。若手弁護士の勘違いその③:相手方の主張・言い分や裁判所の考えをそのまま依頼者に伝えて、決断は依頼者に任せればよい。  ある意味相手方との交渉の場合の裏返しだけど、依頼者にも全ての情報を与えることがいいというわけではない。

2013-08-03 02:13:13
まめしば @mameshivaa

弁護士の仕事で一番の醍醐味は、自分が描いた絵を実現できるよう、全体をコーディネートすること。そのためには、相手方や裁判所を狙い通りに動かすことも重要だけど、依頼者を自分の狙った方向に誘導することも重要。

2013-08-03 02:17:08
まめしば @mameshivaa

こう言うと、依頼者の気持ちを無視する偉そうな弁護士みたいだけど、そうではない。「こうするのが依頼者にとって一番の利益なんだ」という確固たる信念を持って、依頼者をうまくそちらに導いていくのも立派な弁護士だと思う。むしろそこに弁護士個人の個性が表れるはず。

2013-08-03 02:20:45
まめしば @mameshivaa

ちなみに、今までのつぶやきはほぼ全部ボスの受け売りです。毎日毎日怒られてばかりで自分自身何も進歩を感じられないので働くのがイヤになってるけど、学ぶことはとても多いのでラッキーだと思ってます。3年間は我慢。

2013-08-03 02:37:22
まめしば @mameshivaa

3年後も今の調子だとさすがに耐えられないと思うけど、3年後ボスの扱いが変わっていればそれは自分が成長したからだと思う(扱いが変わらなければ自分の成長不足)ので、辞めない方向で頑張ることがいいと思って頑張ります。

2013-08-03 02:41:08