第二大罪大戦《第五の狭間》【戦闘フェイズ1】

紅(ルージュ)は強欲、アヴァリス(@soujyu00_sin) 黒(ノワール)は色欲、フライシェスラスト(@meiji_sin2) 狭間に出で遭い、交叉する。
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リズ @soujyu00_sin

→ それからも紅で過ごす日々は穏やかで幸せに満たされてた。 ずっとこのままで居られればいいとどれ程願ったか。 けれど幾ら切り離そうと閉じ込めようと、少しずつ綻び結局は座を喪う。 先送りにすれど結末は同じ――違う。 身勝手に、強欲に、手放せないからこそ、あたしはそれを選んだ →

2013-08-06 22:05:57
リズ @soujyu00_sin

→ 「長かった。ようやく、ようやくね。来て欲しくなくて、待ち遠しかった! あなたにもう一度会える。けれど全て終わってしまう みんなにもう、会えない。でもやっぱりあたしは―― 覚えて無くても、どこまでも、強欲だったわ」 ぎゅう、としがみついた腕へ、ぱちん、ぱちん、水が触れていく。

2013-08-06 22:06:23
イーシェ @meiji_sin2

腕の中に飛び込んだ罪を抱きしめる。 『四回目』に腕の中にあったものと同じ体温、違うのは覚悟が決まったから。 これほど求めたものでも今ここにある全てを殺す為に居る、その事実は変わらない。 会えなければどんなに良かっただろう、しかし自分以外に少女が殺されることなどあってはならない。→

2013-08-06 23:25:20
イーシェ @meiji_sin2

→ 忘れている間に、薄布で口を隠して少女以外の女を抱いた。何度も何度も抱きしめて名を呼んで、その中で果てた。 それは嘗て人間だった時に繰り返ししてきた反吐が出る行為と同じだった。 あれほど嫌悪した事を繰り返して穴を埋めようとする、無自覚で貪欲な自分を呪った。→

2013-08-06 23:25:26
イーシェ @meiji_sin2

→ 呪いは巡る。 いつしか、屋敷《黒》から出歩けなくなるほどに。 しかし覚えていないことを『仲間』たちは気づくこと無く極普通に過ごしてゆく。 ――夢に時々現れる少女の声と姿以外は。 「リズを、やっと抱けたな」 腕に触れる水は、もう逃さないと肌に吸い付くよう広がり網の目を描く。→

2013-08-06 23:25:32
イーシェ @meiji_sin2

→ 「紅は楽しかったか?」 まるで遠足の感想を聞くような軽さで少女に問いかける。 その間も辺りには浮遊する水の数は増え、降雨の瞬間を切り取ったかのような風景。 その一つ一つ全てが細い針となって、少女へと襲いかかるための準備。

2013-08-06 23:25:40
リズ @soujyu00_sin

「当たり前でしょう?毎日幸せだったし楽しかったわ! オルと語らって、アンの眠る水仙の湖にお話しに行って、コレールには我儘言って、リュグに沢山抱きしめて貰って、ディズと美味しいものを食べて、アセディと笑いながら沢山お昼寝をして、幸せを分け合って――夢みたいに幸せな時間だったわ」 →

2013-08-07 00:12:53
リズ @soujyu00_sin

→ 何よりも大事で大好きで。 だからこそ『帰る』と約束出来なかった。何処の狭間で誰と会おうと 自分はもう戻れないと何処かで識っていたから。 ごめんなさいと謝りながら、後悔は何一つなかった。 知ればきっとみんな怒る。 それでもあたしは『あたし(強欲)』にいつだって正直に生きた →

2013-08-07 00:13:26
リズ @soujyu00_sin

→ いつだって笑ってたい。笑えば幸せが来る。 好きな人達にもいつだって笑ってて欲しい。 楽しいも嬉しいも幸せも分け合いたい。 何処までも素直に強欲に過ごした日々も、幸せそのものだった。 だからこそ。さいごまであたしは欲しがりで、手放せない、強欲として生きる。 →

2013-08-07 00:14:03
リズ @soujyu00_sin

→ 素肌に、宙に感じる水の気配 知らず笑みが零れる。笑みの、意味は 「でもあたし言ったわよ?簡単に殺されてなんてあげない!」 手を相手の頭後ろへ。口元を覆う布を留める紐を解き――頬に口付けを一つ。 とん、相手の体を突き離しながら、猫の様な身軽な動きで腕から抜け距離を取ろうと

2013-08-07 00:14:23
イーシェ @meiji_sin2

小さい罪だと、侮っていた。 しかし罪は罪で重く、少女は大罪である。 別れてからずっと隠れていた口布を落とされて素顔を見せる。 軽い感触のすぐ後、温度は腕からすり抜けて離れる。 バランスを崩しつつ後ろ足に体重をかけると反動で逃がすまいと前傾姿勢を取り腕を振るう。→

2013-08-07 01:11:50
イーシェ @meiji_sin2

→ 「無論、あっさり死なれては俺が困る」 浮かんでいた水が、途切れていた時が動き出すように少女へと降り注ぐ。 それはまるであの日突然降りだしたスコールのようでもあり、しかし上がることのない雨。 豊穣とは程遠い罪の粒たちは腕に残る網を目印に。

2013-08-07 01:11:57
リズ @soujyu00_sin

「その方がいいわ!何で口元隠してたの?」 軽い身のこなしは本来少女が持ち得てるものではない――色欲はもう気づいているだろう。 『強欲』が先に狭間にいた意味を。半径数十メートルは既に彼女の罪科『領域』の中だと。 自在に動け、叶う『子供の純粋な欲求の領域』の中ひらり、降り立つ。 →

2013-08-07 01:55:35
リズ @soujyu00_sin

→ 怠惰に貰った首元の紅色のリボンが揺れる。 金の双眸。真っ直ぐに見据え、高らかに謳い、笑う。 「紅の罪華がひとひら。領域の強欲」 「ここは既にあたしの領域。 誰よりも強欲なあたしの願いを 誰にも、あたし自身にも阻ませはしない」 「これはあたしだけの不可侵の『領域』!」 →

2013-08-07 01:56:09
リズ @soujyu00_sin

→ 「痛みよ枯れよ、悲しみよ絶えよ」 「在るべき姿へ。恵みの雨へと還れ!」 降り注ぐ雨に似た粒を恐れることなく、受け止める様両腕を広げる。 領域内で願った事により、多量はただの水の粒へと変わる。 変え切れぬ分は少女の腕へ赤い血筋を作っていく。 それさえ気にならぬ風で、強欲は笑う

2013-08-07 01:56:51
イーシェ @meiji_sin2

「さあ、覚えていない。でもリズ以外に触れるのに抵抗があったんだろうな」 その結界は案外あっさり破ったのだけど少女には言わないでおこう。 少女の身が軽いのは、既にここがもう『領域』の中なのだろうと察するに十分だった。 捕まえるのにも苦労しそうだ、このお転婆め。→

2013-08-07 02:57:18
イーシェ @meiji_sin2

→ 記憶の中の少女にはなかったリボン、それこそが彼女が紅だという証に見える。  ――あれは邪魔だな。 僅かに眉を寄せて謳う言葉を聞く、罪の音が重くおもく重なってゆく。 降り注ぐ雨は、ただの雨へ。 一筋残る朱のみちだけが、『届いた』ようだ。→

2013-08-07 02:57:26
イーシェ @meiji_sin2

→ 殺すとは言ったが傷つけたくは無かった。 この領域の中ではそれすらもままならないようだ、とても厄介な罪科。 「それごと、洗い流す」 なにもかもだ、どうせ二人きりの空間ならば全てを『清浄』に近づけよう。 苦しそうに眉は顰め、しかし口端は引き上げて落とすは一滴。→

2013-08-07 02:57:33
イーシェ @meiji_sin2

→ 紅への繋がりを強めた首元のリボンを狙い、振りぬく早い動き。水滴は鏃のように直線を飛ぶ。 どうやら自分自身には行動制限はかからないらしい。 「リズの領域だとしても、息ができるかぎり俺は諦めない」 少女の願いを叶えるまでは、なんとしても。それに他の紅は相変わらず、消したいまま。

2013-08-07 02:57:45
リズ @soujyu00_sin

「相変わらず色欲!上手な言葉だわ!」 言いながら、ふ、っと己の両腕へと息を吹きかける。 褐色の肌へ格子模様を付けていた水が離れていく。以前見たものだ。対策は分かる。が 「…洗い流す?」 相手の言葉に疑問符。考えれば相手の能力は水しか知らない。それが相手の罪科なのだろうかと。 →

2013-08-07 03:38:53
リズ @soujyu00_sin

→ 「――っ!」 その疑問が油断。鋭さを持った水が目指すは己の首元。 直線の鏃を避けようと身を逸らすも遅く――ぱさり。 少女の肌を傷つけることなく、紅のリボンだけが無残に切られ、地へ、落ちる。 最初からそれだけが、目的だったように。 彼女の、瞳の色。 あたしたちの、色。 →

2013-08-07 03:39:37
リズ @soujyu00_sin

→ 『あのね、『アヴァリス(ぼくらの強欲)』、だいすきだよ』 柔らかな彼女の笑顔が浮かぶ。 『かえってきたら、また、けーき、たべよう』 叶えられない約束にこたえられなくて。 穢された。 アセディの思いを。 あたし達(紅)の誇りを。 紅で最期まで在りたいあたしの願いを! →

2013-08-07 03:40:15
リズ @soujyu00_sin

→ 「イーシェ。あたし、言った筈よ。最後まで『紅で在りたい』って」 屈み、切れたリボンをそっと大事そうに拾いあげる。 「あなた今狙ったわね。あたしが身につける『紅色』を。アセディから貰ったリボンを」 ここは領域。リボンは形を変え、少女の首へ紅色の華を刻む。――6枚花弁の罪華 →

2013-08-07 03:40:45
リズ @soujyu00_sin

→ 「いくらあなたでも、赦せない。絶対絶対!絶対に!! イーシェ、いいえ!『黒の色欲(フライシェスラスト)!』」 睨む金色の双眸は今まで見せた事が無い程の怒りに満ちていて。 腕を振るえば空に現れるのは大小数十の短剣。 「彩れ!全てを紅に!」 短剣は色欲目掛けて一斉に向かっていく

2013-08-07 03:49:37
イーシェ @meiji_sin2

『色欲』なのに一見そぐわないような罪科、『清浄』 その言葉の通り清らかなるまでに殆ど何も無い状態を望む意味は、強い嫌悪感から。 自身へ、色欲へ、全ての罪へ向けられた力は時に水で洗い流し、押しつぶして貫く強さがある。 無論それ以外にも使えてしまう器用さもあるが。→

2013-08-07 22:15:06
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