君は見たか!?パシフィック・リム!!

今朝に私がパシフィック・リムを鑑賞した感想を纏めてみました。(2D吹き替え版です)ロボットアニメではありませんがこれはロボットアニメファンならば見て損はしません。私も新たな道が開けたと確信したとともに作品への感謝の意を込めて感想をまとめました。この夏、最低二度楽しんでもオッケーではないかと……思います。
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 君は見たか!?パシフィック・リム……という事で本日、パシフィック・リムを見た訳ですが……負けた!と言わざるを得ません。

 何が負けたという事かですが、私の予想していた作品のイメージが、実際に目にした作品のイメージを前に敗れ去ったのです。実際の作品は……冗談抜きで言いますと、「こればかりはロボットアニメ好きなら映画館に足を運んでみよう!この夏でしか味わうことのできない最高のプレゼントだ!」と言っても良いでしょう。

 この私名無しはロボットアニメとなりますと好きで好きで見続けているのですが日ごろのTLを目にした事がある方ならご存知の事特撮に関してはほぼ興味がない男です。特撮のTVシリーズも途中で見なくなってしまう事が多く、ましてや大長編の劇場版になると集中力が続かないのです。私は大体1時間ほどまでしか集中力が持続しないと自負していまして、アニメ作品もそうですし、ましてや邦画洋画とか殆ど見ません。正直に申しますとこの名無し、生まれてからちょうど24年目で初めて洋画を映画館で目にした訳となります。その私にとってパシフィック・リムは初めて”心から愛する洋画なりハリウッドなり特撮なり大長編映画なり劇場版なり超ロボット大作”であります。

もう一度言います。私名無しが生まれて初めて”心から愛する洋画なりハリウッドなり特撮なり大長編映画なり劇場版なり超ロボット大作”であります。

そのパシフィック・リムの見どころですがやはり8割ほどはロボット対怪獣……いや、"イェーガー対KAIJU”のバトルにつきます。最初と最後に客を引き寄せる目的で用意されたものではなく、本編全体の約2/3が血沸き肉躍る熱ーいバトルで構成されています。おかげで130分の間アドレナリンが放出されっぱなしでした。

 まず出動シークエンスのパイロットスーツの質量、格納庫内のイェーガーが平面的に巨大な存在である事を知らされ、そして下からのアングルで立体的な質量感も十分。何よりジプシーが掌と拳を打ちつけ合うポージングが……格好いい!実は名無し、初めて見た瞬間に思わずジプシーの物まねをしてしまいました。(さすがに座ったままでしたが……この点では観客があまりいなかった事が幸いしたかもしれません)勿論、ジプシーの重量感あふれる鉄拳もついつい真似してしまい、何よりも序盤ではパイロットの兄弟とともに放たれるハンマーパンチがバトルの見どころといえましょう。あとコクピット内でのパイロットの歩行シーンはジャンボーグAのトレースシステムをハリウッドで半ばバカバカしくもゴージャスにアレンジして再現させたかのような味わいがあります。

 そんな冒頭のバトルはローリーの兄貴がコクピットから怪獣に引きずり出されて食べられるシーンもショッキング!その後はローリーとマコのドリフトを中心としたドラマパートが描かれますが、このドラマパートは二人が触れあうまでのドラマとしては今一歩。イェーガーの中国組、ロシア組が目立たずに終わってしまった点も残念です。このドラマパートがちょっと弱い点がこの作品の欠点かもしれません。ただドリフト候補者を抜擢する棒術アクションシーンはなかなか迫力が出ています。
 キャラクターの点では、チャックのライバルのようで噛ませ犬のようなキャラクターのいやらしさは上手く出ています。吹き替えの浪川大輔さんが近年ロボットアニメでは噛ませ役を多く演じられている点もありフィットしているかもしれません。
 次に凸凹博士コンビニュートとゴッドリーブのやり取りは一種の清涼剤として笑わせてくれるものがあり、このドラマパートだけではなく、バトルパートと並行しながら描かれている所も良い感じです。古谷徹さんと三ツ矢雄二さんで「あ!四谷君と飯田橋君だ!!」と突っ込んでしまったのは内緒です。(あと三ツ矢雄二さんがロボットものに出演されたのはレイズナー以来でしょうか……?)

そして後半の1時間は怒涛のバトル!香港でのKAIJUとのドリフトイベントを交えながらも終始バトルシーンが描かれていて飽きません!楽しませてくれます!序盤もそうですがイェーガーの重量感が半端ないです。海を渡る際の波しぶきの見せ方、市街地の移動の際に衝撃で吹き飛ばされたり踏みつぶされたりの車、投げ飛ばされた瞬間に巨大なイェーガーが街へ落下する際の破片の見せ方などなど……(個人的にはビルへ拳をぶち込んだ際にその衝撃で振り子が揺れるシーンの見せ方が気に入っています)

 イェーガーのバトルでは中国組とロシア組があっけなく脱落してしまった点がやはり惜しいかもしれません。中国のクリムゾン・ハリケーンは3本の腕で放つ雷雲旋風拳が映像としてもアイデアとしてもトリッキーで凄く印象に残るのですが……。やはり中国組とロシア組にもう少し活躍させても良かったかもしれません。

ですが、ジプシーのバトルは壮絶そのもの。名無しはバトルシーンを見ながら「あ!マジンガーZ対暗黒大将軍だ!!」と感じてテンションが極限に達しました。「デル・トロ監督絶対暗黒大将軍を見ていたでしょ!」と心の中でニヤリとしていたものです。
 まずローリーのエルボーロケット……ならぬ「ロケットパーンチ!」で本当にマジンガーZ!だと思ってしまった訳ですが、

・遠距離用のプラズマキャノンを至近距離でレザーバックに向けて何発もお見舞いするシーンは”アルソスを相手にドリルミサイル零距離射撃”
・KAIJU側の世界に向けてスラターンを抱え込みながら熱線をお見舞いするシーンは"マモスドンにしがみつきながらの零距離ブレストファイヤー"
・オオタチによって空中へ連れて行かれるシーンには"ジェットスクランダーなきマジンガーZを爪で掴んで持ち上げるオルピィ"
・チェーンブレードを構えて向かってくるライジュウを貫くシーンに"(向かう方向が違えど)獣魔将軍めがけて天にマジンガーブレードを構える"

……と「うわー、そうきたか~!!」と斜め上にテンションが上がりっぱなしでした。オルピィに持ち上げられた際にエネルギーの尽きたプラズマキャノンに代わってマコがチェーンブレードを展開させるシーンに「マジンガーZ,これを使え!」との鉄也の声が何故か聞こえてしまいました(笑)あと、チェーンブレードはどことなくガリアンブレードを思い出します。

そして最後の手段はジャイアントロボや大鉄人17の特攻や、ファースト・ガンダムの脱出劇に通じるものを感じました。そこは何か必殺技で止めを指してほしかったとも思いますが、そのラストもラストで全然ありかなーと思います。またイマイチ存在意義がないと感じたホンコンマーケットのハンニバルは最後の最後で「あぁ、この人はいるべきだwwwww」と感じたものです。

……といった感じです。名無しはロボットアニメが好きでも特撮や大長編映画や洋画にあまり縁がないと自覚していましたが、そんな私でもすげー!かっこいいー!!と最初から最後まで血肉が湧きあがってまして、「ありがとう!デル・トロ監督」と御礼を言いたい気分です。
 今回は2D吹き替え版を視聴しましたが、次は3D字幕版も見る事がまずデル・トロ監督らスタッフ・キャストの皆様に出来る事ではないかなと思います。2Dでも質量や破壊描写で十分でしたが3Dではどのように迫力が上がっていますか……楽しみです。

 そんな訳で特別にパシフィック・リムの視聴感想を書いてみました。日本の、いえ世界のロボットファンのみなさん!これはこの夏最大のプレゼントです。大画面で鑑賞できる今こそ見るべき!と太鼓判を押して薦めます。