【二次創作な】「ディザイアズ・トゥ・リーチ・ガンダーラ」＃６

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ＫＲＡ－ＴＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＯＭ！バーミヤンは爆発四散！血と肉と骨と内蔵が降り注ぐ！ガンジス川が赤黒く染まる！ナムアミダブツ！ナムアミダブツ！ナムアミダブツ！今宵聖地ガンダーラは何もかもが赤く赤く汚れたジゴクへと叩き落とされたのである！ナムアミダブツ！インガオホー！ 25

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「ニンジャスレイヤー＝サン！ニンジャスレイヤー＝サーンッ！」そう叫んだエーリアスが血の雨の中へ飛び出す、ガンドーがそれを羽交い締めに押さえる。「離せよ、ニンジャスレイヤー＝サンが！」「バカか！お前さんだって…！」「見て下さい、あれを！」アコライトが天を指す。その先には。 26

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かつてインドの風と呼ばれた男が居た。シンドバッドと呼ばれた男が居た。あまねく世界を巡り、空飛ぶ絨毯を駆って悪漢を打ち倒すニンジャが居た。その伝説を今に重ね合わせるのは単なるセンチメントであろうか。見よ！血風に煽られ飛翔するそれは、巻末までを余さず広げたマキモノ…聖典テンジク！27

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「スゥーッ…ハァーッ…！」その上にどっかと腰を下ろし、アグラ姿勢でチャドー呼吸を繰り返す赤黒の男あり。たなびくマキモノ絨毯に見え隠れするその姿を、他の何かと紛う者は居まい。聖句がジゴクと化したガンダーラを照らす。それを迎える三人のニンジャは、眩しそうに額に手をかざした。28

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かくて遥か西での冒険は幕を下ろした。だが読者諸氏は 覚えておいでだろうか、この物語の発端を。冒険は終われどもイクサは終わらぬ。ガンダーラに降る血の雨はいつか止めども、重金属酸性雨は夜のネオサイタマを果てしなく濡らし続けるのだ。一瞬の雷光に浮かぶ摩天楼。そして 禍々しい肉柱。29

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直後、轟音。上空を飛ぶマグロツェッペリンのモニタでは、ブッダに扮したコメディアンが頭をバイオ肉マクラに乗せ安 らかに眠っている。いかなる雷鳴が響くとて、オヤスミ寝具社が広告を打ち切らぬ限り彼は目を覚まさぬ。「ドーモ、お久しぶりです。ニンジャスレイヤーです」「パーピヤースです」30

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ニンジャスレイヤーの不在は、この古代アクマニンジャがネオサイタマを蹂躙するに充分過ぎる時間を与えた。パーピヤースはボンノを食らう。ボンノはネオサイタマの原動力である。今や苦行ボンズ志願者はテンプルに溢れ、来世への望みをかけ自ら命を断つ者は更に多かった。31

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死と苦に満ちた清廉なる国、主を…カツ・ワンソーの復活を前にパーピヤースが創り上げようとした物はそれである。だが誤算があった。喰らい尽くせぬのだ。現代の大淫婦バビロンは余りに巨大である。数多蠢く無力なるモータル達の営みは、リアルニンジャの魔力をほんの僅かに上回っていたのだ。 32

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それはニンジャスレイヤーが命を懸けて守り抜いてきたモノである。そして彼が依って立つモノである。肉柱が傾いだ。どうやらそれはオジギらしかった。同時に闇の中から複数の影が立ち上がる。パーピヤースの歪んだ教えに心を奪われたニンジャ達だ。自我は失われ、アイサツすら叶わぬクグツである。33

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「品の無い冗談もそこまで行けば立派なものよ。へし折ったのちノリマキにしてくれる」ニンジャスレイヤーは肩にかついだテンジクを地に立てた。マキモノは己の役割を思い出したかのように、スルスルとひとりでに解けてゆく。再びの雷光。34

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「イヤーッ！」迷い無きカラテシャウトと共に、悪を、自らの弱さを打ち倒すべく。ニンジャスレイヤーが欲望の化身へと躍り掛かる。インガは断ち切られ、ここにパーピヤースの運命は定まった。ブッダは未だ、眠っていた。35

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「ディザイアズ・トゥ・リーチ・ガンダーラ」　終わり

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（本エピソードの執筆にあたり、クロダオサフネ（@kuroda_osafune）＝サンに原案協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。）