世界経済の構造変化について(NHKラジオ第1放送ビジネス展望7月26日放送分 )まとめ

藤原直哉氏の世界経済予測のまとめ(2013年7月)
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藤原直哉 @naoyafujiwara

NHKラジオ第1放送ビジネス展望7月26日放送分 世界経済の構造変化 Q:参議院選挙が終わりましたが今後の日本経済はどうなるでしょうか。

2013-07-26 07:13:40
藤原直哉 @naoyafujiwara

・安倍政権が経済政策として何をやりたいかはすべて出尽くしている。問題は何ができて何ができないかということと、政権にとって想定外のことが起きたときに何ができるかだ。

2013-07-26 07:13:57
藤原直哉 @naoyafujiwara

・アベノミクスの波及効果ははっきり言って全然広がっていない。というよりむしろこの春から不景気と原材料高を訴える声が強い。安倍内閣の支持率が今回の選挙を挟んで横ばいないしさらに下落していること、都市部で脱原発候補や共産党が躍進したところに人々の政権に対する思いがよく表れている。

2013-07-26 07:14:16
藤原直哉 @naoyafujiwara

果たして今不況を感じている人たちはこのまま3年間待っていれば本当に良き恩恵が来るのだろうか。

2013-07-26 07:14:30
藤原直哉 @naoyafujiwara

・衆議院の解散がなければあと3年は国政選挙がない。ということは政権としても国民が怒っても3年はかわせるということでもある。したがって安倍政権の経済浮揚策でうまくいかない人は少なくともあと3年はうまくいかない。

2013-07-26 07:14:56
藤原直哉 @naoyafujiwara

しかし同時にいま議員をやっている人にとっては3年後はおそらく衆参同日選挙だろう。その時に過去3年間の怒りが噴き出せば議席が危うくなる。これらの力学がこれからの3年間にどう働くかだ。

2013-07-26 07:15:01
藤原直哉 @naoyafujiwara

・TPP対策ということで新しい農業の話がよく紹介される。しかし最大の問題はそうやって未来を自分の手で創ろうという農家と、それが難しくて現状維持を求める農家の格差が、意識と実力の格差があまりにも拡大したことだ。

2013-07-26 07:15:19
藤原直哉 @naoyafujiwara

そして政治はその使命からしてうまくいかない人たち、意識と実力の低い人たちの面倒を見る義務がある。安倍政権はうまくいかない農家の面倒を見るのか、見捨てるのか、そこも注目点である。

2013-07-26 07:15:24
藤原直哉 @naoyafujiwara

・うまくいかないところがうまくいくようになって初めて日本は再生したということになる。切り捨てだけなら今までの政権と同じだ。その実力が試される3年間になる。

2013-07-26 07:15:38
藤原直哉 @naoyafujiwara

Q:世界の様子はどうでしょうか。 ・世界経済にも激しい構造変化が訪れている。

2013-07-26 07:16:06
藤原直哉 @naoyafujiwara

・まず米国が過去40年間の金融自由化の根本を変更しようとしていることだ。すなわち現下の激しい金融危機に直面して、銀行と証券の分離を定めた80年前の基本に立ち返り、過去40年間の金融自由化と国際金融資本の台頭を根本的に潰す方向で動いている。

2013-07-26 07:16:10
藤原直哉 @naoyafujiwara

そのため特に冷戦崩壊後の20年間に世界経済を激しく成長させた心臓、エンジンとなった米国の巨大金融資本が実質的に消滅となる。したがって今後は今までと同じような急激な世界同時経済発展は不可能になる。

2013-07-26 07:16:21
藤原直哉 @naoyafujiwara

・そのため中国、インドなど、米国の巨大金融資本に頼って巨額の近代化設備投資で国づくりを進めてきたところは構造的にそれが今後不可能になる。

2013-07-26 07:16:32
藤原直哉 @naoyafujiwara

・したがって日本としても新興国の急激な発展を前提にした事業展開は不可能になる。ところが日本の産業界の多くもこの構造転換がまだ全然できていない。

2013-07-26 07:16:45
藤原直哉 @naoyafujiwara

・欧州はいよいよ今までの護送船団方式が破綻しようとしている。そのため金融経済の回らなくなった国は日本で起きた市町村合併のように、金融財政の権限をEUに移管して食わしてもらわなければならなくなる。

2013-07-26 07:17:02
藤原直哉 @naoyafujiwara

それは一面では欧州の政治経済統合が一段と進むということだが、反面それに対する強烈な反対が欧州各国に渦巻いている。これを欧州の政治が軟着陸させることができるかどうかだ。

2013-07-26 07:17:07
藤原直哉 @naoyafujiwara

・さらに最大のリスクは米国だ。米国はこの春に金利が激しく上昇し、米国債が叩き売られた。さらにスノーデン氏の盗聴暴露で米国外交の権威が地に墜ちた。オバマ大統領が心血を注いだ自動車産業の再建も最後にそのメッカであるデトロイト市の破産という事態になった。

2013-07-26 07:17:24
藤原直哉 @naoyafujiwara

景気が良いと言っているのも安易な与信が増えているからだ。米国はもはや世界をリードできない。それが実態であるが、米国も諸外国もそれを呑み込めないままに米国が何とかしてくれるだろうと思っている。これが最大のリスクだ。

2013-07-26 07:17:47
藤原直哉 @naoyafujiwara

・そして中東だ。今の中東はまるで7世紀にはじめてイスラムが誕生して瞬く間に広がっていった時代のようだ。イランで起きたイスラム革命は様々な形でイスラムを覚醒させ、軍事クーデターで倒されたがエジプトでもイスラム政権を生み、トルコでもイスラム政権である。

2013-07-26 07:18:02
藤原直哉 @naoyafujiwara

さらにイスラム過激派ますます力を得て、米国と金銭的に極めて親密な関係にある中東の王家を震え上がらせている。さらにイランは穏健派の大統領が出てきて、もしここで核開発を放棄すればイランへの経済制裁は解除になり、イラン産原油が世界市場に流通し始め、原油価格は暴落する。

2013-07-26 07:18:18
藤原直哉 @naoyafujiwara

日本のような需要国には最大の恩恵だが、中東の王家にとっては最悪の事態だろう。でもこれだけ世界が不況で原油価格だけ高いという異常事態はいつまでも続かない。

2013-07-26 07:18:30
藤原直哉 @naoyafujiwara

Q:日本はどうすればよいのでしょうか。 ・この半年ぐらいの間にこうした変化はより明確に我々の目に見えるようになってくる。

2013-07-26 07:18:43
藤原直哉 @naoyafujiwara

昨日も米国では過去最大規模のインサイダー取引をやっていたjヘッジファンドが摘発されたし、次に米国の中央銀行、FRBの総裁になると言われている人が、金融緩和は意味がないという爆弾発言をしている。

2013-07-26 07:19:00
藤原直哉 @naoyafujiwara

新しい時代の現実を冷静に踏まえた戦略が必要である。そして隙間を縫って未来に進むという機動力が必要な時だ。・まずは足元から自立することを忘れてはならない。

2013-07-26 07:19:19