律令たんが選ぶ法史学の""基本書""リスト

嘗て投稿したものを纏めました。法制史クラスタ諸兄に於かれましては、不平不満が大量にあるでしょうから、是非教えて下さい。なお、西洋法制史は纏めから除かれています。
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律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】④律令編(2) ◯井上・関・土田・青木『律令(日本思想大系)』(1977)こちらは令の条文の基礎となっている本。注釈書ですが、巻末の井上博士の解説は、わが国における律令制を研究する上では欠かせない論文として必読です。

2013-05-11 02:05:25
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】④律令編(3) ◯高塩博『日本律の基礎的研究』(1988)『訳註日本律令』の作業にも加わった筆者による、日本律の復元のための諸論考の纏められた本です。内容云々より復元のための比較法学ですので、余程興味がないと退屈かもしれません…。(でも凄く大事な研究です)

2013-05-11 02:10:57
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】④律令編(4) ◯大津編『律令制研究入門』(2011)律令制を研究する人が先ず最初に手に取るべき本。第一部は海外向け雑誌に発表された律令制の概要を邦訳したもの(「そうしないと学生諸君は読まない」とは耳の痛いご指摘です…)、第二部は論説になっています。

2013-05-11 02:14:33
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】④律令編(5) ◯石井・水林『法と秩序(日本近代思想大系)』(1992)がらりと変わってこちらは明治初期の律令についての基本書。水林先生の巻末解説は、図を多用した非常に分かり易いもので、これも必読です(但し時に誤りを含むので注意です)。

2013-05-11 02:18:30
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】④律令編(6) ◯手塚編『近代日本史の新研究』近代日本法制史には、川口先生の他に山中監修『日本現代法史論』等が有りますが、もう少し基礎的な研究が集められた論文集です。私は後藤武秀「(正・続)新律綱領「不応為」条の一考察」に感動して律令に興味を深めました。

2013-05-11 02:29:26
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】⑤東洋法制史編(1) ◯仁井田陞<のぼる>『中国法制史(増訂版)』(1952)中国法制史の祖による一般向けの本。非常に効率よく纏まっています。但し、くどいですが、稍古い法史学の水準で書かれている事には注意を要するかと思います。

2013-05-12 22:49:14
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】⑤東洋法制史編(2) ◯滋賀秀三『中国法制史論集』新時代の東洋法制史の旗手による論文集です。東洋法制史について何か語るなら、先ずは本論集所収の「中国法の基本的性格」から読みましょう。学部での講義案を元に書かれており、通覧に大変便利です。

2013-05-12 22:56:24
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】⑤東洋法制史編(3) ◯張普藩(何・後藤訳)『中国法制史(上・下)』現地で発行されたのも加えておきましょう。馬・列・毛思想によって貫かれた法制史という、イデオローギッシュな歴史記述に慣れない方にはビックリするような代物かもしれません。

2013-05-12 23:09:23
律令たん@雑事法務研究会 @Ritsuryo_tan

【法制史学の「基本書」】⑤東洋法制史編(4) ◯島田正郎『遼朝史の研究』(1979)「東洋」法制史という言葉の正当性を担保してくれる数少ない研究として紹介します。同『清末における近代的法典の編纂』は日本が協力した法典編纂の様子を伝え、わが国の近代法典編纂史と比較すると面白いです。

2013-05-12 23:14:10