1945年8月2日 赤軍の次期自走砲開発計画

1945年8月2日付の、赤軍機甲総局による46~50年の自走砲計画について。面白い資料だったのでつらつらと訳してみました
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ちょいと面白い資料を見つけたのでつらつらと

2013-09-04 18:11:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

1945年8月2日 赤軍機甲総局による46~50年の自走砲計画 46~50年の期間に、以下に示す新設計の自走砲を開発し生産する 1.以下の武装を備える701車台(注:IS-4)ベースの密閉戦闘室自走砲 a/ 初速900m/sの152mm加農 b/ 初速900m/sの130mm加農

2013-09-04 18:30:16
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

2.以下の武装を備える"ウラルマシュ-1"車台(注:SU-101)ベースの開放戦闘室自走砲 a/ 152mm ML-20SM加農榴弾砲 b/ 122mm D-25加農 c/ 57mm連装砲 /自走対空砲

2013-09-04 18:32:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

3.以下の武装を備える、戦闘重量25t未満の新型車台をベースとする開放戦闘室の自走砲 a/ 100mm D-10加農 b/ 122mm榴弾砲 c/ 37mm連装砲 /対空自走砲

2013-09-04 18:35:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

4.37mm連装砲を搭載した、T-34車台で開放戦闘室形式の対空自走砲 5.20~25mmmm連装砲を搭載した、SU-76車台で開放戦闘室形式の対空自走砲

2013-09-04 18:37:21
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

6.76mm砲を開放戦闘室形式に搭載し、歩兵戦闘に従事する装軌式水陸両用空挺自走砲 /重量5t未満 7.76mm砲を開放戦闘室形式に搭載し、歩兵戦闘に従事する装輪式水陸両用空挺自走砲 /重量5t未満

2013-09-04 18:40:04
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

8.測距儀と無線機、弾着観測のための強力な観測機器を備えた、"ウラルマシュ-1"車台(注:SU-101)ベースの砲兵観測車

2013-09-04 18:42:57
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

旧軍の戦車学校の兵器研究方針と同じような系統の資料の様子。個々の兵器の資料はちょくちょく出てくるんですが、こうキッチリまとめられたのはなかなか見当たらなくて、結構面白いです

2013-09-04 18:46:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

資料はさらに続き…… 新たに開発される自走砲には、以下のような要求が与えられる 1. オーフェンロール(パンツァーシュレックのほうが有名か)のような歩兵用成形炸薬発射機/投擲弾への効果的な防御 2. (砲身が地形にぶつかるのを防ぎ)運動性を改善するために、戦闘室を後方に移動する

2013-09-04 18:55:00
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

3. 確実な路外起動能力を確保するため、17馬力/トン以上の出力重量比を確保する 4. 自走砲の弾薬搭載量は増加すべき。以下の発射速度を達成できるよう留意して弾薬配置と戦闘室を設計すべき 空挺自走砲:毎分10発 軽自走砲:毎分8発 中自走砲:毎分6発 重自走砲:毎分4発

2013-09-04 19:02:14
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

5. 以下に示す水平射界を確保すること エンジン停止時:30度 エンジン動作中で、車長が砲手と連携して自走砲を旋回させるとき:360度 (わかりにくい記述ですが、地面に駐鋤を打ち込んで車体を固定しないと射撃できないようなタイプはダメって事でしょう)

2013-09-04 19:06:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

6. 戦闘室の換気装置の能力向上。最大発射速度を継続してもガス濃度が基準を超えないこと 7. 倍率4倍と8倍を切り替え可能な潜望鏡式照準器 8. 簡易で扱いやすい標的指示システム 8番はちょっとよくわからないですが、車長が砲手に敵方位を素早く伝える装置か何かでしょうか

2013-09-04 19:11:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

9. 自走砲の車長用に以下の装備を搭載 a/ 簡易で扱いやすい測距儀 b/ 測距儀と一体化した倍率6倍の観測装置 c/ 全集旋回可能なキューポラに備えられた視察装置 10. 操縦手の視察装置の改善。少なくとも120度の視界を確保

2013-09-04 19:16:02
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

11. 中自走砲と重自走砲は大口径対空機関銃を備えるべき 12. 少なくとも300kmの航続距離を保障 13. 夏季・冬季戦での信頼性向上。整備のためのアクセスがしやすい機構、頻繁な調整なしで確実に動作するエアフィルタ、ヒーター、その他

2013-09-04 19:22:01
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

14. 火砲の旋回・仰俯機構の操作に大きな努力を必要としない。重砲は電動と手動の二系統を備えること。操作負荷4.5kg未満 15. 操向装置の操作は容易であるべき。操作負荷10kg未満 16. すべての口径の火砲の徹甲弾の品質を改善

2013-09-04 19:26:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

17. 火砲の尾栓、砲架、防危板の小型化に重大な注意を払うこと 18. 砲架はベアリングのみで支持されること(旋回・仰俯機構の軽快な動作と関連?) 19. 中口径の固定弾薬火砲は半自動鎖栓を備えること 20. 中/大口径砲には砲腔洗浄機が必要

2013-09-04 19:34:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

21. 大口径砲には装填補助機構が必要 /装填トレー、ラマー 22. 射撃機構は電気と機械の二重系統。砲手はこれらを使用する際、照準器や操砲装置から離れる必要がないこと 23. 射撃機構は尾栓の開閉をしなくとも再撃発が可能なこと

2013-09-04 19:37:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

24. 火砲の反動が全体の重量を上回らないこと 25. 旋回機構はバランスが中立であること(重量のバランス?)

2013-09-04 19:39:58
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

あとは車種別の進捗目標やら何やらが続いてるんですが、とりあえずここまで。ちょいと長かったですね

2013-09-04 19:41:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ともあれ、この中から戦後の赤軍車両で実現されたものを探してみたり、どう形を変えたか考えてみるのも面白いかと思います

2013-09-04 19:44:34
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

例えばZSU-57-2なんかは、T-54車体のものが実際作られましたけども、その車台の選定にはSU-101計画の中止が関連していそうだなあ、とか。76mm砲装備の空挺自走砲はASU-57の前身、ASU-76として試作されてますよね http://t.co/0Osh71izlJ

2013-09-04 19:46:50
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

SU-122-54なんかはこの計画にない車輛ですが、ステレオ測距儀と14.5mm対空機銃の装備なんかは、後半の細部要求の9番と11番に対応してたりもします。戦後の赤軍自走砲計画の根本がここにあるんじゃないかしら http://t.co/XrPNRvQNIy

2013-09-04 19:54:15
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

WoTでおなじみ(?)Object268はIS-8ベースの重自走砲で、やはりこの時点の計画には無いですが http://t.co/dlBBKpemHr IS-7がコケたせいで重量級車輛全体が疑問視されて、中量級のIS-8の方向に移った関係で、計画が変質したのかなと想像したり

2013-09-04 19:57:32