#夏の倒錯

2013年夏の企画。 やっとまとめられました。遅くなってごめんなさい。 なんの捻りもなく並べただけですが, 楽しんでいただけたなら幸い。 続きを読む
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@RAIN_CAGE

じわり。染んでいく季節に何を託そうか。夜空に滲んだ花火も消え、もはや水底に残滓が焼べられるのみとなった。流水が剥ぎ取る温度は誰のものだったろう。淀んだ夏の記憶すら掻き消され、曖昧な輪郭だけが浮かんでは消える。 愛だったのだろうか。 #夏の倒錯

2013-07-31 16:41:01
@RAIN_CAGE

倒錯:逆になること。さかさになること。特に、本能・感情などが正常とされる状態とは逆の形になって表れ、反社会的・反道徳的な行動を示すこと。

2013-07-31 16:44:04
みお @h_k_mio

夢見がちなきみが大好きなことが溢れる季節。そのすべてを共にしたくて、馬鹿みたいに出掛けて行った。いつかの別れを前提にして、振り切れるくらい楽しんだ。きみがまたそこに行くたびに、私を思い出せばいいと呪いをかけながら。#夏の倒錯 それはどうやら、私にもかかってしまったみたいだ

2013-07-31 19:13:54
みお @h_k_mio

想い出を作りましょう。私たちがここにいた証を、笑いあえていたということを、刻むために。崩壊から目を逸らして、だけど鮮やかな終演を目指しながら。たとえそれが、この季節がめぐるたび僕の胸を抉ろうとも #夏の倒錯 そうすれば生きる糧になるのだと、きっとわかっていた

2013-07-31 19:15:20
@RAIN_CAGE

逆さまの世界は水面の鏡で歪んだ。泣いていたのだと思う。悲しんでいたんだろうとも、思う。背中に刺さる棘。心臓は夏の暑さにひしゃげた。終わらせたかったのだろう。永遠を望むあまり、耐えられなかったのだろう。 #夏の倒錯 融けてしまったよ、もう。跡形もなく。

2013-08-01 01:15:05
弑那 @Cannibalism010

ゆるゆると融けていく輪郭をなぞる指が浸る。ここからひとつになってしまえばいいのにねと呟くと、押し当てられた掌は熱を帯びた。ああ、君が僕を侵略する。同じように手を伸ばすけれど、するりとかわされる。僕だけが掻き混ぜられる。僕も君に溺れたいのに。でも異なる体温は僕を拒んだ。 #夏の倒錯

2013-08-01 03:56:00
N @L0ve_is_dead

こんな季節は馬鹿になる。命の潰えた転がる肉塊。吸い込む空気も吐き出す息もべっとり、べたべた。ああ全部夏のせいだ。そう、何もかも。ぽたり、落ちる雫。思考をやめた頭が熱い。犯した罪もその残骸も、まるごと溶けてくれたなら。蝉の鳴き声がひどく遠い。家に帰ってアイスが食べたい。 #夏の倒錯

2013-08-01 09:28:14
N @L0ve_is_dead

爛れた熱を重ねては貪って、いっそこのまま。西日が差す狭い部屋。気休めにもならない安堵、愚行の繰り返し。慰めのキスはいつだって優しい。望む唇には一生届かない。目の前の君を好きになれたら――幸せだ。何度も何度も、笑うけど。生温い同情が僕らの絆。寂しさがシンクロする。 #夏の倒錯

2013-08-01 16:13:29
@RAIN_CAGE

微温い安堵感の雫が垂れた、窓ガラスの痕跡。なぞる指先は冷え、季節から切り離されたように惑う。 世界を焼ききる太陽光線。背中に刺さる棘はいつかの憧憬に似て、強烈に焦げ付いた。 あなたのせいだ。 #夏の倒錯 ふたりが出会ったこの季節に、わたしはあなたを切り捨てる。

2013-08-01 22:28:34
弑那 @Cannibalism010

涙と雨の違いが塩分なら、海は涙に満ちていた。波間にたゆたう水母のように、悲しみに揺れる君。その髪を梳いて、乾いた感触に、僕は独り干上がっていく幻覚に怯えた。白い塩の砂浜で、僕だけが静かに枯れていく。故に僕は君を深く沈める。誰にも見付からないように、淡く祈りすら込めて。 #夏の倒錯

2013-08-02 00:40:38
弑那 @Cannibalism010

蝉時雨が脳髄を掻き乱す。僕の正気を撹拌する。どろどろと毛穴から噴き出す汗が狂気の証に思えてならない。堪らなく不快。肌に張り付く湿気で息も苦しい。反転。こんな夜は無性に、君の肉に溺れよう。狭い部屋で二人、絡まって眠ろう。生温い中身を混ぜ合わせて、母胎の熱を思い出すんだ。 #夏の倒錯

2013-08-02 10:16:07
月白 @k19_3

 真青なそらがひろがっていた そばにいて、のばした手 もっていた、空いろの傘 つきさした、あの子 (の、ココロ に) とけかけた、こおりのことば まとって ささって    (そばにいて)   バイバイ #夏の倒錯  太陽のひかり(が)(に)うめつく(され)(し)た

2013-08-02 11:43:15
穴井秋乃 @AnaiAkino

太陽に炙られて大量の水分を吸い込んだ空気が剥き出しの肌に纏わり付く。不快感が脳内を占領し尽くした瞬間に差し出された氷。こんなに暑いのに、こんなに冷たい。口の中で溶けた氷は食道を通り胎内を真冬に変える。真冬を抱え込んだ私は真夏の太陽に反抗して、氷を噛み砕いた。 #夏の倒錯

2013-08-02 13:09:38
皐月 @mint_green925

少し笑っただろうか 暑さのせいで疲労が滲むこの部屋の中で その顔から目が話せなくて、流れる汗が止められなかった ふっと過ぎった冷たさは、その汗と非常さが交わって、世界の終わり、地獄の終わりを感じさせた #夏の倒錯

2013-08-02 14:27:17
@RAIN_CAGE

【企画告知】 #夏の倒錯 期日:8月8日〜10日 概要:企画名をお題にした創作企画 参加方法:タグ付けて創作物を投下 対象:文章、写真、イラストその他創作物ならなんでも 備考:終了後トゥギャ有。期日前後の作品も対象。 #創企

2013-08-02 22:40:32
@RAIN_CAGE

滲み零れた汗も、茹だる脳髄も、倦怠感に包まれた躰も。夏に置き去りのままのわたしだ。 クーラーの効き過ぎた部屋で思う。透過していく日々は無機質な音色で、低く呻く装置を想起した。 これは本当にわたしだろうか。夏の魔力によって何かを奪われていないだろうか。 #夏の倒錯

2013-08-03 00:09:39
穴井秋乃 @AnaiAkino

ジリジリと肌を焼く太陽。日焼け止めと日傘で跳ね返した紫外線。纏めてシャワーで洗い流したら、サウナに、つまり、大きな夏から鋭い夏へ飛び込む。倒錯した頭脳は体の欲求とは裏腹に、より強烈な熱を求めてる。もっと、もっと、普通の暑さじゃ夏なんて感じられ無い! #夏の倒錯

2013-08-03 13:47:34
@RAIN_CAGE

重ねた季節に何を託そうか。照らされる世界は刺激が強過ぎるのだと目を伏せる。夏風は肌を撫でても、気怠さを拭ってはくれなくて。汗の伝う青白い腕に舌が這った。熱い。「冷たいと思ったのに。」言いながら残された歯型に苦笑。なあ、重ねていく季節に何を託せるかな。 #夏の倒錯

2013-08-04 00:52:43
ひなた 6m @vinextuzura

まだ向日葵も蕾で夏が始まったばかりだった 向日葵畑の視界に君の姿が映らなくなって 記憶の中の君の顔が段々とぼやけてきて 蝉の鳴き声に掻き消されるように君の声が思い出せなくなって もうこの街のどこかで君とすれ違っても、もう、会えない、 #夏の倒錯

2013-08-04 01:03:48
コウキ@副垢 @koukinaly

思考を辞めてしまえば、そこからはもう下り坂だった。どうにか積み重ねて来た月日に意味はあっただろうか。気温の高さにやられて、君の声が聴こえない。僕は君の何が好きだったのだろう。君は僕の何処を気に入っていたのだろう。夏の暑さに、何もかもが熔けて消えてしまった。 #夏の倒錯

2013-08-04 03:14:26
白露 @alies111

苛立ったように君が何かを呟いた。聞こえない。頭の中で鳴り響くような蝉の声に全てが掻き消される。その綺麗な形の眉がひそめられるのを見ながら、鳴いているのは蝉じゃなくて僕なんじゃないか、なんて考える。僕に触れる君の手が、熱い。#夏の倒錯 知りたくないんだ。きっと、知っているから。

2013-08-05 16:39:11
ささかま。@小説家になろう等 @soranouta_sasa

コンビニで買った安物のアイスを炎天下の公園でベンチに座って食べる。溶けるアイスキャンディーの雫を彼女の舌がねぶる。僕は暑さと熱さをもて余し、蝉時雨を聞いていた。 #夏の倒錯

2013-08-06 00:34:04
@RAIN_CAGE

まだ、覚えている。いつまで残っているだろうか。掌の表面を這う、感触。 夏の短い夜、通り過ぎていく雨音に隠された、嬌声にも似た断末魔。愛を騙る頸部を絞めあげた。呼吸と血流を保とうと、拒絶にも似た抵抗。 暑さに朦朧した脳髄で振り翳したのは、恋情にも似た暴力。 #夏の倒錯

2013-08-06 23:31:10
穴井秋乃 @AnaiAkino

厚くて、暑くて、熱くて、ワタシ、私が、融けて、溶けて、夏は解けない、難問ばかりの感情パズル。 シャリシャリ、音を、片仮名で、違う、違うわ、カタカナで、硬さを、固さを、堅さを、カタサを、言葉に、コトバに、してよ。 氷は、アツク、燃え上がるから、ココで、正しく、倒錯セヨ。 #夏の倒錯

2013-08-07 16:27:59
@RAIN_CAGE

絡まる髪を解くように、指を解いた。それが当然のように、ふたりは離れた。 靄が罹る視界は、熱病の色。突き刺さる太陽光線を背に受けながら、喉の渇きを訴える。何かが狂った気がした。 水滴の残る、君のいた場所。ソーダ水の幻影。新しい針を刺して流し込む。熱は止まない。 #夏の倒錯

2013-08-08 00:02:57