オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー 02

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=988909 pixivの方で掲載している仮面ライダーオーズの二次創作です。以前掲載していたWの二次創作( http://togetter.com/li/462856 )との関連性は全くありません。 pixiv掲載版とこちらでは若干タイトルが異なります。 前 http://togetter.com/li/557036http://togetter.com/li/563608
0
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

平成ライダーカプセルトイ二次創作シリーズ 「オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー」 02:斧と鎧と甲殻類メダル

2013-09-01 23:37:54
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ディケイドの武器・ライドブッカーのソードモードがドクトルGの盾に防がれ、釣り鐘を撞木《しゅもく》で叩いたような轟音が周囲に響く。よろけはしたが、決定打には至らない。 「面白ェ、斧には斧だ」ディケイドはブッカーから『フォームライド』のカードを抜いて腹部のバックルに装填した。

2013-09-01 23:39:03
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ————FORM RIDE 「DEN-O AX」  彼の体は電車の警笛のような音と共に、金色の鎧に身を包んだ仮面ライダー、『電王・アックスフォーム』に変化した。ディケイド最大の武器・他ライダーへの二段変身《カメンライド》能力が成せる技だ。

2013-09-01 23:41:08
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「小賢しい。姿が変わった所で、我が鎧は貫けぬ!」  それが何だと、今度はドクトルGがディケイドに飛び掛かる。ディケイドはそれを避けることなく受け止め、近寄ってきた彼の右手を掴み、アックスフォームの専用武器『デンガッシャー・アックスモード』で袈裟に裂いた。

2013-09-01 23:43:24
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 盾で凌ぐことすら失念し、斧の強烈な一撃をその身に浴びたドクトルGは、傷口から赤い火花を散らして吹き飛ぶ。ディケイドは直ぐ様間を詰め、袈裟・逆袈裟・脳天割りの起き攻めで、敵の反撃を許さない。

2013-09-01 23:46:48
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「くうぅ……、調子に乗るなッ」  だがドクトルGも負けてはいない。斧をその身に浴びてよろけた瞬間、態勢が崩れたことを利用してディケイドの胸部を蹴り付けると、側転で距離を取りつつ立ち上がった。

2013-09-01 23:47:49
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「やるな、ラァーイダ・ディケーイ。しかァし、貴様の付け焼き刃の斧捌きでは、このドクトルGの首は取れぬ!」 「そうかい」ディケイドはライドブッカーから新たなカードを抜き出して言葉を返す。「だったら一つ勝負と行くか」  ——FINAL ATTACK RIDE「d-d-d-DEN-O」

2013-09-01 23:50:34
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ディケイドが金の縁取りのカードをバックルに装填し、軽く手を叩いたと同時に、血気盛んに斧を構えたドクトルGが襲い来る。ディケイドはデンガッシャーを構えて迎え撃つ「振り」をし、斧を天高くに放って、ドクトルGが斧を振り下ろすよりも早く、彼の左頬に回し蹴りを叩き込んだ。

2013-09-01 23:52:24
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「馬ァ鹿。誰も”斧で”勝負するとは言ってねぇだろ」  ドクトルGがよろけたその刹那、ディケイドは高く飛び上がって空中のデンガッシャーを掴み取り、真一文字に振り下ろした。構えた盾すらも砕く程の一撃を喰ったドクトルGは、裂けそうになる右半身と左半身を両手で押さえ、『卑怯者め』と叫ぶ。

2013-09-01 23:55:12
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「よくも騙してくれたな! 戦士の風上にも置けん奴め、もう許せぬ!」 「お前らが言えた義理かよ、それ……」  やれやれと両手を振って溜め息をつくディケイド。ドクトルGは懐から一枚の黒い『メダル』を取り出して、額の前で構えた。

2013-09-01 23:55:28
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「見るが良い、仮面ラァーイダ・ディケーイ!」  その瞬間、彼の額に自販機の投入口のようなものが現れ、手にしたメダルがそこに吸い込まれて行く。ドクトルGは黒い煙の中に姿を消し、頭には蠍の鎧、腕に逞しい蟹鋏、脚には海老の殻を模した外殻を纏った怪人へと姿を変えた。

2013-09-02 00:01:08
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「これぞ、私の新たなる力! 超装“綱”《ちょうそうこう》カニレーザー、だ!」 「おいおい、ナントカの仮装大賞の時期にゃまだ早いぜッ」  言うが早いか、ディケイドは先んじてカニレーザーの眉間へと斧を振るう。しかしそれは平たく変形した右腕の蟹鋏に阻まれ、粉々に叩き折られてしまった。

2013-09-02 00:04:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「何ッ! なんつう硬さだ……よッ!?」 「薪割りの斧ごときが超装鋼カニレーザー様の鎧を貫けるものか。“アポロ首領”に仇なす愚か者め、このまま叩き割ってくれる」  カニレーザーの巨大な鋏がディケイドを襲う。ディケイドは姿勢を低くし、バックステップで距離を取って「参ったな」と呟いた。

2013-09-02 00:07:11
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「だったら、内側から蒸し焼きにしてやるまでだ」  ——FORM RIDE 「HIBIKI-KURENAI」  ディケイドはカニレーザーに対抗すべく、赤く燃え盛る鬼のカードをバックルに装填。青い御霊と赤い炎に包まれたディケイドは、その姿を「響鬼・紅」へと変化させる。

2013-09-02 00:09:12
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ————ATTACK RIDE「ONGEKIBOU-REKKA」  続いて、もう一枚のライダーカードを装填。一対の撥《ばち》を呼び出して、外殻越しにカニレーザーのこめかみを引っ叩く。清めの音撃と共に放たれた熱き炎は、カニレーザーの外殻内部に染み渡り、奴に呻き声を上げさせた。

2013-09-02 00:11:16
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「熱……熱い! だが、負けん!」  されどもカニレーザーは止まらない。蒸し焼きは有効な手立てらしいが、生憎押し切る程の力は無いようだ。とすれば、蟹鋏を掻い潜って、装甲の薄い奴の腹に叩き込むのが得策か。

2013-09-02 00:13:27
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 カニレーザーの動きは見た目よりも素早い。ただ懐に入るだけでは、捕まって胴から下を切断されるのが落ちだろう。何らかの隙を作らなくては。そう思案していたディケイドに向かい、気味の悪い黒色の光線が放たれた。

2013-09-02 00:13:41
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「うわっ、と! 危ねぇな、当たったらどうする気だ」 「それならば万々歳よ。この私を鋏だけの怪人と思うなよッ!」  頭部と両手の鋏、三ヶ所から放たれるレーザーがディケイドを襲う。数は多いが躱すのは容易。ディケイドはプロボクサーのように腰のフットワークで徐々に間合いを詰めて行く。

2013-09-02 00:17:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 カニレーザーの心に焦りが生じ、狙いがさらに粗くなる。鋏で突くには近付かれ過ぎた。焦るカニレーザーの目にオーロラから逃れんとする遊牧民たちの姿が留まった。この機を逃す手はない。カニレーザーは遊牧民たちの殿《しんがり》を行く映司とパドル少年に照準を合わせ、両腕のレーザーを放った。

2013-09-02 00:20:27
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「戦士だとか言っておいてやることが汚ねぇぞ、ちきしょう」 「フン、貴様に言えた義理か」 「手前ェ!」ライドブッカーをガンモードにして構えるも、光線は彼らの目と鼻の前まで迫っており、相殺は間に合わない。ディケイドはやむなく二枚のカードをドライバーに装填し、踵を返して駆け出した。

2013-09-02 00:23:38
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ——KAMEN RIDE「KABUTO」  ——ATTACK RIDE「CLOCK UP」  ディケイドが変身《カメンライド》したのは、赤き一本角の仮面ライダー、カブト。カブトの持つ超高速移動能力『クロックアップ』で、映司たちを光線から護ろうとしているのだ。

2013-09-02 00:25:48
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 光線に追いついたディケイドは腕を胸の前で十字に組み、黒色の光線を受け止める。衝撃で加速世界から投げ出されたディケイドは、青々と茂った草木の上を暫く転がった。

2013-09-02 00:26:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「勝機! 喰らえ、仮面ラァーイダ・ディケーイ!」  カニレーザーは後頭部から毒針を伸ばし、起き上がらんとしているディケイドの背中に突き刺した。背中から毒を注入されたディケイドは、全身を襲う激痛と痺れに耐えかね、両膝をついて倒れ込んでしまう。

2013-09-02 00:30:29
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「エイージ、何だったのさ今の。あの赤い、なんであそこで倒れているの?」 「俺にだって分からないよ。でも……」  ディケイドと名乗る異形の男は今、己の身を省みず、自分たちをカニレーザーの光線から庇ってくれた。その彼が今危機に瀕しているのだ、見過ごせる訳がない。

2013-09-02 00:33:58