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茂木健一郎 @kenichiromogi
連続ツイート第1034回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ちょっと変わった話です。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(1)今朝はちょっと変わった話です。連続ツイートは、テーマの多様性が大切だからね。さて、「うってかわって」という日本語がありますが、これを使って、何か例文をつくって下さい、と言われたら、あなたは、どんな文章をつくるあるか? (なんか外人ぽい発音になったのは意図的です)
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(2)そこで、「彼は、麻薬をうってかわってしまった」と言うのが定番のジョークなのだけど、クスリを使っては、いけません。これは、脳科学者として、断言しておきます。なぜかと言えば、この手のクスリを使うと、脳の回路が、非可逆的に変化してしまうから。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(3)私は、ドラッグの類いは、一切使ったことがない。いろいろな理由があって、もちろん非合法であるというのが一番だが、「クオリア」という視点から主観的体験を見ている時点で、十分に現象学的にミステリアスで、それ以上の体験の必要がないと感じていることもある。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(4)いずれにせよ、著名人がドラッグで逮捕されると、しばしば「何年ぶり何度目」みたいな、甲子園のようなツイートがTLに流れる。何度か指摘したように、このようなケースは、もはや刑事罰で臨む、というよりも、依存症の治療という視点から考えた方が良いように思う。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(5)私が、ドラッグの問題を刑事的に扱うことに違和感を覚える理由はいくつかあるが、その一つはドラッグは根本的に脳の回路が生化学的に改変されてしまうことが問題なのであって、それを「犯罪」として罰しても、あまり意味がないということ。むしろ少しでも回復するように手助けした方がいい。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(6)国家というものが、ドラッグに対してとっている偽善的な態度も指摘しておかねばなるまい。周知のように、いわゆる「覚醒剤」は戦争中は国が主導して製造し、軍需工場などでの長時間労働を支えるために使用されていたのであって、その結果、多くの依存症患者が出るに到った。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(7)ドラッグを使い、依存してしまう人も困った者だが、それを罰する国家の方だって、そんなに立派なものではないわけで、いずれにせよ、薬物使用の常習者については、非犯罪化して、むしろ治療的アプローチをとる方が、科学的にも正しいし、将来の方向性ではないかと私は考える。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(8)ところで、私が興味深い現象だと思っていることの一つは、意識の変性状態に対して世間が持っている嫌悪感である。幻覚をもたらすLSDは、登場時には「画期的なドラッグ」としてむしろ好意的に報じられさえした。ところが、使用者が幻覚の中で持つ変性体験が次第に世間から排除されていく。
茂木健一郎 @kenichiromogi
へけ(9)アルコールは(過剰に呑みさえしなければ)意識の劇的な変性状態はもたらさない。(脳回路が変化することは同じであるが)。いずれにせよ、世間がどのような「ドラッグ」を許容し、何を許さないのかという基準の背後には、「正常」とは何かという問題についての観念が見え隠れする。
茂木健一郎 @kenichiromogi
以上、連続ツイート第1034回「変性状態に対する、嫌悪感の理由」でした。

コメント

abhishekaアビシェーカ @premabhisheka 2013年9月14日
随分前に書いたものですが、転載します。 誰の都合でコンサータ http://plaza.rakuten.co.jp/abhiabhi/diary/200808080000/?scid=we_blg_tw01#r_blog
碧 ~吟風弄月~ @Turkis_Mond 2013年9月14日
> 「非犯罪化して、むしろ治療的アプローチをとる方が、科学的にも正しいし…」覚せい剤取締法はマフィアの資金源となること、乱用拡散の抑止のための禁止のはず。常習者・依存症への治療アプローチは常に必要。社会科学的に正しいか?だし非犯罪化しろは理解しかねるなぁ…
碧 ~吟風弄月~ @Turkis_Mond 2013年9月14日
法律の専門家では全くないので、間違ってたらごめん。
碧 ~吟風弄月~ @Turkis_Mond 2013年9月14日
患者を罰しても意味がない=罰は意味がない=非犯罪化しろってなぜそんな短絡なんだろ
碧 ~吟風弄月~ @Turkis_Mond 2013年9月14日
「脳の回路が、非可逆的に変化してしまう」のに、有効な「治療アプローチ」があるかのように信じてるぽいのも理解に苦しむ。まだゲーリー・ベッカーの話のほうが理屈は通ってる http://www.alt-invest.com/book/old/profitable_life/article1.htm
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