- Mocha_Kiliman
- 1913
- 0
- 0
- 2
アリーナ・イブラギモヴァ(p)&セドリック・ティベルキアン(p)によるベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(名古屋電気文化会館ザ・コンサートホール)の第3日最終日に大阪から駆けつけました。イブラギモヴァの実演に接するのは初めてのこと。
2013-09-15 22:50:10イブラギモヴァの今回のような演奏会は大阪では実現しそうにないので、チョン・キョンファ、ハーディングMCOに続いて今年3度目の名古屋遠征です。イブラギモヴァの音色は木のぬくもりを感じるような落ち着いた響きで綿菓子のような浮遊感と上品な言葉づかいと天真爛漫な笑顔を連想させます。
2013-09-15 22:50:10そんな風に感じたイブラギモヴァ、前半の6番と3番はいずれも緩徐楽章が印象に残りました。弓が弦をこする音、ひっかかる音は皆無。弓が弦に触れる瞬間の柔らかい感触と上品でぬくもりのある響き、弱音部へのこだわり。イブラギモヴァはそんな演奏家だと思いました。
2013-09-15 22:50:10木造校舎の思い出がいっぱい詰まっ た長い廊下、その廊下を進んでいくとみんなで遊んだ裏庭が。あの時と変わらない花いっぱいの裏庭が!そんな風に前半プログラム、イブラギモヴァの演奏を楽しみました。しかし休憩をはさんで演奏されたクロイツェルソナタで状況は一変しました。
2013-09-15 22:50:10人が変わったように1楽章冒頭からイブラギモヴァはエンジン全開ハイテンション!上品な楽器の鳴らし方は犠牲にすることなく、ぐんぐん集中力を高めていく。そしてセドリック・ティベルキアンのピアノがみごとに併走。時々つんのめりながらもイブラギモヴァを鼓舞し続ける!手に汗握る演奏でした。
2013-09-15 22:50:10イブラギモヴァのクロイツェル残り二つの楽章は戦いに疲れた身体を癒やすように僕には響きました。そしてアンコールのスプリングソナタ第二楽章。プログラム前半に感じた木造校舎のぬくもりをイブラギモヴァは再現して見せました。名古屋まで来た甲斐ありました。往復交通費が入場の倍かかりましたが。
2013-09-15 22:50:10自分は室内楽の良い聴き手でも、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタのファンでもないし、しばらくしたらどんな曲だったか忘れてしまうかもしれない。でも、バッハ無伴奏とショスタコーヴィチの第一協奏曲で好きになったイブラギモヴァの、浸透していくような音楽を聴けたことに満足している
2013-09-16 05:52:11ベートーヴェンのヴァイオリンソナタは若いころの作品ではあるけれども、ダイナミクスの変化とか、曲想のコントラストで聴き手に訴えようとするところとか、やっぱり彼だ、と思った。第3番2楽章のため息のような終結とか、第3楽章のリズムによる語り掛けとか印象に残った
2013-09-16 05:59:00そして、クロイツェルソナタ。演奏者が舞台に出たとき、その緊張感が伝わってきて、こちらも思わずテンションが一気に上がってしまった。こういった心の変化もライヴならではだし、ベートーヴェンの室内楽と向き合う機会もなかなかないので、貴重な3日間だった。これからはCDでも聴くようにしよう
2013-09-16 06:05:45イブラギモヴァ、次はルクーのソナタとか生で演奏してほしい。協奏曲ならベートーヴェンとかベルクとか。またコンサートでお会いできるのを楽しみにしている
2013-09-16 06:08:01①名古屋にて3日間に渡り開催されたイブラギモヴァ&ティベルギアンのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を観てきた。わざわざ遠征していながら言うのもおかしな話だけれど、最終日3日目に観た9番「クロイツェル・ソナタ」の第1楽章、あんなに凄い物を観れるとは思っていなかった。
2013-09-16 13:36:30②最上級のロックンロールに似たスピードと高揚感。第一楽章が終わったところで、深く長い満足のため息が出た。このデュオのライブCDをひたすら愛聴してきたので、どの曲も大好きな状態になっていたのだが、やはり一般的に人気のある5番「春」と9番は、コンサート映えするんだな、と分かった。
2013-09-16 13:38:09③クラシックはポップスのコンサートと比べると、パフォーマンスや演出の要素にどうしても制限があり、眠くなる人が生まれる一因となっている。しかしこの2曲、特に9番は、ヴァイオリン奏者が重音をフルパワーでかき鳴らすパート等、思い切った身体表現を必要とする派手なフレージングが多い。
2013-09-16 13:39:01④平常心で弾ききれる楽曲ではなく、そこが好まれるのだと思う。 今回3日間の通し券(最前方の特等席)を購入して、しかし1日当たり3000円もしないという破格っぷり。2人ともルックスが良いのだが、イブラギモヴァは「妖精」というより、上品なロシアのおばちゃん(失礼)という感があった。
2013-09-16 13:41:45⑤ティベルギアンは身長が高く男前なのにちょっとナードな雰囲気。 1日目の開演前、会場のあるビル1階のタリーズコーヒーにいたら、ティベルギアンが一人で入ってきて、電話したりスマホでぷよぷよみたいなゲームをしていたり、開演1時間前までそんな感じで面白かった(つい観察してしまった…)
2013-09-16 13:45:24⑥3日間とも終演後サイン会があり、KPOPでミーハー魂を鍛錬した自分としては参加するしかなく、一緒に写真も取ってもらった。クラシック業界に「ファンサ」という用語は無いだろうけれど、二人とも非常に気さくで素敵だった。既にこのデュオのファンだったが、すっかり魅了されてしまった。
2013-09-16 13:48:13⑦サイン会のティベルギアンが、微妙にダサいTシャツに着替えていて、これまたダサい俺のユニクロTシャツを指差して「I like your T-shirt」と言われてしまった。楽しい思い出を有難うw 正直CDの方が完成度の高い曲もあったが、強い感動もあり今回のチクルスは大満足だった。
2013-09-16 13:53:41昨日のイブラギモヴァ、前半は二日目と比べると若干艶が欠ける気もした。それが天気(湿度)のせいなのか意図的なのかは分からなかったけど、後半のクロイツェル第1楽章では火の飛び散るような演奏、第2楽章やとアンコールでは二日目のような音色。やっぱり意図的に音色を変えていたんだろうか。。。
2013-09-16 15:05:57イブラギモヴァを聴いて思ったのは「ひっさつわざ」の種類が多い人だな、ということ。獣王のような致命傷を与える「かみつき」から子猫の「ねこねこパンチ」まで、実に多彩。演奏中の鋭い眼光は、完全に捕食者のそれだった。
2013-09-16 15:10:15