漫画から学ぶ演出情報の出し方

web連載中の「極光の銀翼」ってこれ? http://www.garakunomori.com/products/s_aurora.html
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榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

「それに……あの上昇力……! ――何者なんだ!?」  それは、第二次世界大戦を生き抜いた飛行機乗り達の目から見てすら――あまりにも鮮やかな空戦だった。  しかし…… 『撃ちもらしがあるよ! シズカ!!』 #sousaku

2013-09-21 23:33:11
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

 その『さかさま』の機内。  女操縦士――シズカは仲間からの指摘に、焦りを滲ませた声でこう答えていた。 「責任はとりますッ!」 #sousaku

2013-09-21 23:33:29
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

――以上、分解した6ページ分。ちなみに、震電関連の蘊蓄はウィキペディアで調べたものなので、間違ってても責任とれません、あしからずw また、機長と操縦士とか、その辺の会話の「担当」がずれてるかもしれませんが、これも大目にみてくださいw  #sousaku

2013-09-21 23:35:18
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

まあ、これは何も考えず、私が普通に文章おこしをしたものですが。以前、話に出ていた「言葉選び」による雰囲気造りを「間違う」とどうなるか。無理矢理ですが、次に敢えて「間違えた」バージョン(先のものほど長々とはやりません)を貼り付けます。 #sousaku

2013-09-21 23:37:14
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

 気がついた時には囲まれてしまってた。  それはもう、思いつく限りに最悪って感じで。 「管制、聞こえるか!」  操縦士は泣きたくなるよーな声で通信機に向かって叫ぶ。 「こちら第45輸送隊〈トンプソン13〉だ! 囲まれてる!」 #sousaku

2013-09-21 23:38:12
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

 だけど多分、管制官には通じてない。だから管制官は聞いてきた。『〈トンプソン13〉、一体何に囲まれているのか?』などと。間抜けもいいところ。だけどそれに噛み付く余裕とか、操縦士にはなくて。 「何って……戦闘機だよ!」  透明な風防のその向こう。 #sousaku

2013-09-21 23:38:38
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

 そこに戦闘機の姿が見える。二機だ。だけど多分、それだけじゃない。他にも居る。確実にこっちを墜としちゃう積もりが向こうにあるなら、三機以上ってのが定番だ。  一言で航空機って言っても、でっかくて重い大型の輸送機と、戦闘機じゃ全然モノが違う。 #sousaku

2013-09-21 23:39:08
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

同じ獣だといっても、羊と狼が違うのと同じだ。  相手は喰う方。こちらは喰われる方。立場が入れ替わる事は無い。 「この“回廊”にはソ連の戦闘機は入って来ない協定だよな!?」  怖くて。焦って。それを紛らわせたくて操縦士は叫んだ。  安全な空の旅だった筈なのに。 #sousaku

2013-09-21 23:39:35
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

 もう戦争は終わった。それに載せてるのは弾薬とか燃料じゃない。食料とか医薬品、一般の補給物資だ。だから輸送機が護衛もつけないで飛んでるのだ。何時死ぬかわからない、そんな時代は終わったと、安心していた……筈なのに。 #sousaku

2013-09-21 23:39:57
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

以上。おわかりいただけたでしょうか? 元々の「極光ノ銀翼」が、女性ばかりの戦闘機隊を描いている反面で、かなりシリアスな雰囲気を醸し出している訳で、その為に、先の例文は比較的硬い書き方をしてます。一方で、後の奴はあえて軽い書き方というか、口語調に近づけてます。  #sousaku

2013-09-21 23:41:45
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

両方とも、提示している情報の内容は同じです。しかし選ぶ言葉が違うと、明らかに別の雰囲気になる。シリアスな雰囲気にしたいのに、後の方の単語選びをしていると、まあ、雰囲気作りに失敗する。逆に「ガルパン」みたいな雰囲気にしたいなら、むしろ、主人公の  #sousaku

2013-09-21 23:42:56
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

女子高生という肩書きから、後のタイプの文章にした方が、雰囲気は出せるかもしれません。要するに、文章の書き方が違うだけでこれだけ差が出ます、という一例。 #sousaku

2013-09-21 23:44:12
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

この手の取捨選択が、どれだけ無意識に、自然に出来るか、ってのが小説の様なエンタメ文章を書く上での「文章力」――「演出」を組み込んだ言葉選び、という事になりまする。  #sousaku

2013-09-21 23:45:30
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

漫画がどういう順番でどんな量(ペース)で情報を出しているのか、それを参考にしていくと、コマ単位で分割されている分、情報の出し方、演出の手法、そういったものが理解しやすいと思います。それを踏まえた上で文章を書くと、まあ、「演出」組み込んだ文章になりますわな。 #sousaku

2013-09-21 23:48:17
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

更にそういう演出の「考え方」を意識して言葉まで選ぶと、まあ、文体自体でも演出が出来る、という実例です。まあ、前に何度か言っている通り、ラノベ業界に限って言っても私は殊更に「美文名文で売ってる書き手」ではないので、  #sousaku

2013-09-21 23:50:33
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

こういう文章を皆目指すべきだ! 的な傲慢な話ではないです。 とりあえず「これ位書ければまあ通用する」程度の理解で。 #sousaku

2013-09-21 23:51:06
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