ツイッター小説 お気に入りセレクト 2010/10/05
終電も間際の閑散とした駅の中、煌々と灯が灯る一角がある。Mのロゴで有名なファーストフード店だ。深夜と云う事もあって人も疎らな中、彼と二人で溺れるようにひたすらハンバーガーを食べた。お互い何も話したくなかったのだ。口を開けば最後、この関係が終わる事を予感していた。 #twnovel
2010-10-05 22:12:35#twnovel 地球が丸いなんて嘘っぱちです。そろそろホントのことを言いましょう。ある日僕が小学校のグランドの片隅を掘っていると突然突き抜けたんですよ。突き抜けた穴の向こう側にも同じように青空が広がっていたんですよ。だから僕は地球がピザみたいに平べったいのを知っているんですよ。
2010-10-05 22:31:55風邪薬を飲もうとした瞬間、居眠りをしていたはずの黒猫が、ぐっと前足で僕の手を押さえつけた。翡翠色の瞳が何かを訴えている。よくよく風邪薬を見直してみると、それは祖父のために処方された持病の薬だった。仕方のない人ですねというように小さく鳴いて、黒猫は再び目を閉じる。 #twnovel
2010-10-05 22:39:46頭に蛇口を付けた男が居た。いたずらかと捻ってみるとだばだば水をまき散らしながら倒れてしまった。呆然と見ているとぶよぶよと肥えた女が揺れながら走ってきた。男に接吻をするとじゃーっと音を立てて痩せていった。気付いた男を抱くのは見事な美女だった。私の蛇口好きの訳です。 #twnovel
2010-10-05 22:50:58街路樹から白い糸が垂れ下がっていた。糸は枝に絡まり、更に上へゆらりと立ち上っている。風船か、と見上げるが、肝心の風船自体はどこへ。離れて見上げれば糸は木の繁みを突き抜け、空へ。あ、この空自体が一つの大きな風船なのか。じゃあこの糸を解いたら?空はどこへ行くのかな。 #twnovel
2010-10-05 23:20:35#twnovel 宇宙船を作るのです。ノコギリを手に青年は言う。「木で?」呆れて問うと当然のように頷いた。樹齢三千年の樹です。最近は宇宙に耐えられる樹はとても少ない。船になってくれないかとお願いしたら、承知してくれました。「お願い? 木に?」宇宙を見るのも悪くないかと、渋々。
2010-10-05 23:37:29