2013.9.4 近藤勲誕生記念

近藤さんのお誕生記念SS
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銀玲 @bitch_gorimayo

近藤誕-2013.09.04- 時は九月三日の午後十一時半を回った頃、新撰組鬼の副長と恐れられる土方十四郎は、落ち着かない様子で時間ばかりを気にしている。(近藤さん、、、遅ぇな、、、)土方の待ち人である、新撰組局長近藤勲は、急な護衛が入ったと言い、昼過ぎに出て行ったきりまだ戻ら

2013-09-04 23:55:36
銀玲 @bitch_gorimayo

ない。(チッ、、、やっぱり付いていくべきだったか、、、)自分も付いて行くと言ったのだが、大した護衛ではないと数名を連れて出て行った。(もしかして、、、日跨ぐなんて事ねぇよな?)ふと不安が胸を過る。何故、こんなにも土方が時間を気にしているかと言うと、明日九月四日は近藤の誕生日なので

2013-09-04 23:55:45
銀玲 @bitch_gorimayo

ある。土方の長い長い近藤への片想いが成就したのが、昨年の冬の事だった。明日は、恋仲になって初めて迎える近藤の誕生日なのだ。どうしても、九月四日になる瞬間を共に過ごしたい、、、。土方は、こんなにも女々しかったのかと自分自身に呆れるが、それでも自分が一番最初に「おめでとう」と言いた

2013-09-04 23:55:55
銀玲 @bitch_gorimayo

かった。(もう五十分か、、、)近藤から何の音沙汰もない侭、時間だけが刻々と過ぎて行く。そんな時、先程迄静かだった外からガヤガヤと声がする。(近藤さんッ!?)直様部屋から出ると、そこには近藤と隊士の姿が見えた。

2013-09-04 23:56:00
銀玲 @bitch_gorimayo

「おお、トシ!どうしたそんな血相変えてー」「あっ、いやっ、アンタに報告したい事があって、、、」勢いよく部屋から出た所を見られてしまい、咄嗟に冷静を取り繕うが、心臓は今にも飛び出そうな程に跳ね上がっている。「そんなに急ぎの報告なのか?もう遅いし明日でも良いぞ?」「いやっ!今すぐ報告

2013-09-04 23:56:05
銀玲 @bitch_gorimayo

したいから、部屋行っても良いか?」「ああ、分かった。じゃあ、悪いが来てくれるか?」近藤はニカッと笑いその場を後にする。土方は高鳴る胸をホッと撫で下ろし、自分の部屋に置いてある風呂敷包みを手に持つと、足早に近藤の部屋へと向かう。「近藤さん、入るぞ」「おお!」戸を開けると、着替えの

2013-09-04 23:56:12
銀玲 @bitch_gorimayo

途中で上半身裸の近藤が立っていた。「わっ、悪ィ!!」恋い焦がれた恋人の裸体が目に入り、思わず目を逸らす。「ん?どうした?男同士なんだし気にする事ないだろ?」当の近藤はそんな事は気にもせず、着替えを続ける。「まぁ、、、そう、だけど、、、」チラッと横目で見る近藤の裸体は、自分の白い

2013-09-04 23:56:34
銀玲 @bitch_gorimayo

肌とは対象的な逞しい黒で、綺麗な筋肉で覆われた肌には、所々傷痕がある。そんな近藤の身体を見るだけで、土方の胸はドクドクと熱くなる。「で?報告って一体何なんだ?」着流しになった近藤がドカッと座り土方の顔を見る。「あっ、ゴメン。報告ってあれ嘘、、、」「えぇぇッ!?うっ、嘘なの!?

2013-09-04 23:56:42
銀玲 @bitch_gorimayo

でも、急ぎって言ってなかった?」「もう、、、アンタ絶対忘れてるよな?」「えっ、何が?」キョトンとした近藤を横目に時間を見ると、時刻は午後十一時五十八分を刻んでいる。「なぁ、、、そこ座って良い?」近藤の前に視線を落とす。「え?ああ。で、何何?俺何か大事な事忘れてる??」分からないと

2013-09-04 23:56:50
銀玲 @bitch_gorimayo

いった顔で問い掛けて来る。(五十九分、、、)「今日何日か覚えてるか?」「えっ?今日?今日はぁ、、、九月の三日?」「そう。て事は?」「て事は、、、?」(ああもう、どんだけ鈍いんだよ、、、ま、近藤さんらしいけど、、、)「近藤さん、、、」「えっ、な、ンンッ!?」近藤の胡座をかいた足に手

2013-09-04 23:57:09
銀玲 @bitch_gorimayo

を置き、近藤の唇に口付ける。(零時、、、)「近藤さん、誕生日おめでとう」唇を離し、近藤の顔を目の前に、ずっと言いたかったこの言葉を送る。だが、当の本人は目を大きく見開き微動だにしない。「こっ、近藤さん、、、?」どうしたのか、と思った瞬間。「トシぃぃぃぃいいーーー!!!!!」

2013-09-04 23:57:19
銀玲 @bitch_gorimayo

「なっ!近藤さん!?」いきなり叫んだかと思うと、近藤は物凄い勢いで土方を押し倒し強く抱き締める。「何なのお前ッ!可愛すぎるでしょー!!」「はぁ!?バカ!ちょっと落ち着けって!」「無理ッ!だってトシが可愛いんだもん!!」フッと、鼻を掠める近藤の匂いに土方の胸がバクバクと音を立てる。

2013-09-04 23:57:29
銀玲 @bitch_gorimayo

(ヤバイ、、、近藤さんに音聞こえる、、、)まだ湯浴み前の汗と体臭の混ざった匂い。土方にとっては十分過ぎる興奮剤だ。「トシ、もしかして待っててくれたの?」「、、、、、だって、アンタに一番におめでとうって言いたかったから、、、」「トっ、トシぃぃ~~!!」よく見ると近藤は半泣きになって

2013-09-04 23:57:39
銀玲 @bitch_gorimayo

いる。「バカっ!何てツラしてんだよアンタ!」「だってぇぇぇぇー!トシがいじらしくて可愛いんだもーーん!!」「うっ、うるせぇ!もう黙れ!!つか、離せッ!!」ドンッと、近藤を蹴り飛ばす。「グフぅ!ちょっ、トシ、、、もっ、もっと優しくして、、、」「離せっつっても離さねぇからだろッ!!」

2013-09-04 23:57:58
銀玲 @bitch_gorimayo

口では強く諫めるが、顔は真っ赤になりハァハァと息を荒げる。「はっ、初めてだろ、、、アンタとこうなってからの誕生日、、、やっぱ、俺がアンタに一番に言いたいし、、、他の奴に先越されたくねぇ、、、」(なっ、何言ってんだ俺ッ!?)「だから、、、俺、今日此処で寝るから、、、」(わぁぁぁ!)

2013-09-04 23:58:10
銀玲 @bitch_gorimayo

口をついて出てくるのは、普段なら到底言えない歯の浮く様な台詞ばかりなのは、やはり近藤の誕生日だからだろうか。近藤はあんぐりと口を開き土方を見ている。「なっ、何だよッ!!一緒にいたいって思っちゃダメなのか!?俺はッ、俺はッ、、、!!」目頭が熱くなり、体温が一気に上昇する。

2013-09-04 23:58:24
銀玲 @bitch_gorimayo

好きで好きで堪らない。本当は一時だって離れたくない。ずっと隣に居たい。いつからか分からない位昔から、ずっと近藤だけを見ていた。近藤と結ばれた日は、近藤が心配する程涙が止まらず、ずっと泣いていた。本当は、いつだって近藤の事を想うと泣きそうになる。どうしてこんなに好きなのだろう。

2013-09-04 23:58:31
銀玲 @bitch_gorimayo

こんなに自分の心をかき乱すのは、近藤勲、その人だけ。「近藤さん、、、今日は少しでもアンタと居たい、、、」肩を震わせ、真っ直ぐ近藤を見る。近藤の顔は、今にも爆発するのではないかと思う程赤くなっている。「こっ、近藤さん、、、?」「トシ、、、お前本当、、、何でそんなに可愛いんだよ!!」

2013-09-04 23:58:48
銀玲 @bitch_gorimayo

「えっ、、、!?」思った瞬間、グイっと手を引かれ近藤に強く抱き締められる。「近藤、、、さん?」「俺は、、、俺は幸せ者だよトシ、、、こんな嬉しい誕生日は初めてだ、、、」近藤の声が震えて聞こえる。「帰るって行っても絶対今夜は帰しません!朝まで俺と一緒にいなさい!局長命令です!!」

2013-09-04 23:58:59
銀玲 @bitch_gorimayo

「なんだそれ、、、」プッと笑った瞬間、近藤に唇を奪われる。「ンぅ、、、」優しく舌を絡め取られ、角度を変えて何度も唇を食み、舌を吸われる。どちらのものともつかない唾液が、土方の顎を伝う。「アッ、近藤さん、、、」近藤に求められる悦びに、土方の目に涙が浮かぶ。幸せでどうにかなってしまい

2013-09-04 23:59:23
銀玲 @bitch_gorimayo

そうだ。「近藤さん、生まれて来てくれて有り難う、、、アンタに出会えて本当に俺幸せだ、、、」「トシ、、、俺も生まれて来て良かった、、、こうやってお前を抱き締めるのが俺で幸せだ!」土方の大好きな近藤の満面の笑顔に、胸がキュンと締め付けられる。この幸せな時がずっと続けば良いのに、、、

2013-09-04 23:59:31
銀玲 @bitch_gorimayo

今は、こうして抱き合って体温を感じ合えるだけで幸せだった。(あっ、、、プレゼント、、、)ふと、近藤に渡そうと思って持って来た風呂敷包みをちらと見るが、今はこの温もりをもう少し感じていたい。(後で渡せばいっか、、、)目を瞑り、近藤の胸へと顔を埋め背に手を回す。来年も再来年も、

2013-09-04 23:59:51
銀玲 @bitch_gorimayo

これから先もずっとずっと、この温もりを感じられる様に、、、そう願う土方だった。 ー完ー

2013-09-05 00:00:13
真夜 @gin_mayo505

道場からの帰り道、突然の雷雨に襲われた 実は十四郎は雷が苦手 心臓に響く音や稲光を見ると動けなくなるほどだ 「まだコワイのか、雷」 「んなこと、ねえ…」 強がった瞬間激しい雷鳴が轟いた 「俺と一緒にいれば大丈夫だ!俺の方が背が高いからな、落ちるとしたら俺の方に落ちるだろうさ」

2013-09-05 00:13:07
真夜 @gin_mayo505

馬鹿馬鹿しい あんたが雷に打たれてどうするよ? 全く馬鹿げてる けど、そんなあんたをきっと俺が護れるようになるから… 十四郎は近藤の大きな広い胸にもたれながら誓った http://t.co/OQOND6STqr

2013-09-05 00:17:09
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