9/22-28twnovel

Mark @Marknovel

#twnovel 大中寺の和尚は小学生の集団を境内に招き、得意の七不思議を語り始めた。やがて六つ目の話が終わると恐怖に怯えた少年、少女は微動だにせず、目は宙を泳いでいた。身動きが取れないのを確かめた後、寺の小僧が児童を一人ずつ井戸に放り投げた。そして和尚は七つ目の話を書き始めた。

瑞稀 @hapihapi1108

いつも僕の言うことを聞くしかない、可哀想な君に教えてあげよう。――君は僕の人形だから、どう足掻いても逃げることなんてできないんだよ。僕から逃れられるとしたら、それは君が死ぬときだけ。だけど僕がそんなことさせないから。君を逃がしてなんてあげないから――覚悟してね。 #twnovel

23時の夢物語 @23novel

#twnovel 海の中にも、獏ちゃんたちは突撃します。人間の飽くなき食欲におびえる、脂の乗った魚たちの悪夢を食べるのが、今の季節のごちそうなのです。時々間違えるのか、ピチピチ跳ねる銀色の尾を口の端から出していますが、魚たちの悪夢がより一層増えるので、特に気にしてはないようです。

藤 秋人 @akihito_fuji

#twnovel 路地裏を歩いていると廃人に出会った。コンクリートと日射し、廃人と影。退廃画の中に紛れた気分になった私が「貴方が持っている太陽をくれれば、百円あげるわ」憂鬱丸出しで告げた。彼は制服姿の私を見上げ「原始、女性は太陽だった、今もそうだ。俺は持ってねえ」小馬鹿に出来ない

渡邉 元尋 @ganjinw

出店で、お面をねだられた。却下しようとしたその時、昔懐かしいヒーロー仮面に目が止まる。見つめながら、記憶は過去へと…。本気でそのヒーローに変身するつもりで気合いを入れて変身ポーズを取り、高台から飛び降りていた。足を挫き、その瞬間、私は360度から1度を失った。 #twnovel

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel この川を二人で歩きたかった。渡せなかった手紙と、お揃いにしたかった帽子をそっと流す。夕日が水面に反射して。涙はない。私はそっと背を向けた。 　彼女はまだ気づかない。川には上流と下流がある。海に近い穏やかな水面。彼女が握りたかった彼の手がそっと「それ」を拾う。

藤 秋人 @akihito_fuji

#twnovel 私達には魔法の言葉がある。都合の悪い時、居所が悪い時は「それ」のせいにしたり「それ」を廃絶しようとする。なのに、忌々しいことに、そいつは生活するのに必ず必要で微笑みながら「罵ってくれても、自分に責任を負わせて構わない。ただここに置いて欲しい」と言う。愛は、重い。

リオ @urufffayn

「ばか。」恋人にも兄弟にもあまり言ったことのない言葉。ばかばかばか。もうしらない。今まででいちばんいっぱいばかって言った。ばか、って言うあたしがばかだと思った。そう思いながら、ばかーって思って、ばか、って言っては、鼻のおくがつんとして唇を噛む。ばか。 #twnovel

いでゆのまち @ideimachi

#twnovel 未来から通信が可能になった。でも直接表現は禁止で、まるで暗号。『ウサギ顔に注意』十年後の僕からだ。初めての彼女の事かな。前歯が大きくて、笑うと兎みたいに可愛い。注意って？ 悩むうち仲は深まり、ついに唇を…ごちん。歯をぶつけてファーストキスは台無し。そういう事か…

夢名 七志 @mumei7c

まとめを更新しました。#twnovel 「毎年9月ぐらいの中秋の名月ならお月見で」 http://t.co/SNfZxXqpqv

域外 @ikigai_haji

記憶力が凄い男が居た。彼は一度見ただけでどんな物でも覚える事が出来た。その男はこんな事をたまに訊かれる。「そんな能力があるのなら、良い学校に通っていたんでしょ」と。彼は何時もこう答える「いや違う」。何故かと訊くと、「覚えるだけで、内容は理解出来ない」と答える。 #twnovel

犬吠埼一介⑨わさらー団 すてぃるあらいぶあらいさん @inbosk

「耳と尻尾の狭間にて」 電子書籍サーチ - 電子書籍と紙書籍の価格比較と検索サービス http://t.co/NWf84rvf4o kindle本を電子書籍サーチに登録しました！★ #kindlejp #Amazon #電子書籍 #bookmeter #twnovel #個人出版

Mark @Marknovel

ぶどうさんとりんごさんが喧嘩をしていました。ぶどうさんは言いました。「あんた、そんな赤い色して何か恥ずかしい犯罪でもしたの」りんごさんは言い返しました。「おまえこそ、汚い枝にしがみついて死ぬまで半人前だな」「あんたは虫にかじられてスマホの裏側で一生を過ごしな」 #twnovel

めぐる @skycolorring

小さい頃は宵の口の満月が怖かった。 #twnovel 焦げたような色だし何よりデカい。落ちるんじゃないかとハラハラしていた。一度そんな夢を見たから尚更だったのだろう。今もあの月は怖い。いつもより近くにありそうなのに手が届かない。夢が奇妙に変形して、何度でもそれを知らしめるから。

みきちず @mikitiz

#twnovel 目の前に置かれた花瓶。その水も飲み干した。飾られていた一輪の花も茎を吸い付くし今ではすっかり枯れ果てた。硝子一枚隔てた窓の外には水があるというのにこの窓を開ける事ができない。このままここで渇いて朽ちるのだろうか。海の底で干物になるとは俺はアジか？　足開いちゃる。

粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

あなたしか知らない私について、あなたが語ることはない。食べる夢と食べられる夢の隙間で、とまどって迷う私のこと。堕落してゆく肯定と飛翔してゆく否定の両方に、受け入れられる私のこと。どれほど求めても、きっと、あなたが教えてくれる時は永遠に来ない。 #twnovel

みきちず @mikitiz

#twnovel 「という事で今回の罰ゲームは『右手を動かす時、その右手で何をするつもりなのか言い続けないといけない』です。これはなかなかキツイですねー。期限は２４時間。では早速スタート！」「ジージージィージイーシュイーンシュイーンシュインーシュインオナオナオナオナ」「死ね！」

瀬口 @an2a_09

こんなに明るい夜は迷いたくても迷えない。月は全てを照らす。迷路のような恋心も晒され、あなたの元まで私を導く。でも何故かあなただけが見えない。そうしてようやくあなたは既にあの人の中だと気付く。行き場を失った私は全てを照らす月にすがる。どうか次の道を照らして、と。 #twnovel

一田和樹の廃墟垢 @K_Ichida0

​#twnovel ​ ​君が少女から大人になる間に僕はたくさんのメール書きため、その間君は他の人たちと物語を紡ぐ。君が誰かとの物語にエンドマークを打つ時、僕は君に書いたメールを出会った時の君のメールアドレスに送る。それがエラーで戻るまでの間に僕は静かに旅立つ。

杉木一 @HajimeSugiki

#twnovel 母を愛する者を父と呼び、父を愛する者を母と呼び続け、やがて始めの何人かの顔を忘れ、遂に全員が居なくなってしまった時、手近に転がる歪で不気味な残滓を漸く、家族と認識出来た。

一田和樹の廃墟垢 @K_Ichida0

​#twnovel ​ ​魂の総量は決まっていて、もう制限値を超えている。だから最近の人間には魂がない。ひとつの魂をネットを通して何人かで共有している。だからみんなネットに依存する。そこにしか自分の本体はいないから。

一田和樹の廃墟垢 @K_Ichida0

​#twnovel ​ ​「自分に貢ぐ男とつきあう女はいないんだってさ」「なんで？」「貢がれる代わりに夢をあげて、つきあう相手からは夢をもらって愛をあげるんだ。どっちの夢も実現しないけどね」「愛をもらう男がお得だな」「いや、夢から醒めた時、女の愛は憎悪に変わるんだ」

一田和樹の廃墟垢 @K_Ichida0

​#twnovel ​ ​他人の絶望の方が自分のものより、楽そうに見える人にためできた絶望交換所。少しでも楽しい生活を求めて交換を繰り返しながら、絶望の中で死んでいく。手数料をとられる分、つらいことに気づく人は稀だ。絶望は仕事や恋人にも置き換えられる。

ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

その盃の中には金魚が描かれている。酒を入れるとゆらゆら動く。「今日の酒は安物だね」盃の底から金魚が話しかけてくる。「そう毎晩吟醸は飲めぬよ」「安月給なのかい？」赤い金魚がぴちゃんと跳ねる。「もっと良い酒を飲んでくれないと、鱗が色褪せてしまう」「それは困るね」 #twnovel

一田和樹の廃墟垢 @K_Ichida0

新作twitter小説４本、『硝子玉の惑星』アップしました。 ​http://t.co/NNb5fXbya3 ​ ​#twnovel ​