月への思考

月はいつだって、そこにいる
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守りたい人がいる。初めて出会った時に、自分を守ってくれたあの人を、守りたい。例え周りが皆、戦う相手でも、負けたくない。私の名を素敵と言ってくれたあの人を、悲しい目で月を見上げるあの人を、私が、今度は助けたい。剣を取る。力を感じる。赤い月の下、私は戦う。 #twnovel

2013-01-30 08:03:16
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貴女さえいればそれでいい。二人きりの閉じ籠った世界は静かで平和で、幸せ。結ばれた手と手を繋いで、抱き合って、ただ二人でいればいい。外の世界なんていらない。赤い月の下、私と貴女がいればいい。他のモノ、全て私が消すから。だからお願い、貴女は、消えないで。 #twnovel

2013-04-15 23:53:23
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ナイフの刃が光る。きらり、きらり。それは星の瞬きか、月の光か。縮められる距離と詰められない距離の狭間で、一時の平穏を感じたのは、事実。星も月も、その距離で輝き続ける。きらり、きらり。どこかでひとつの魂が、光を帯びて生まれ変わる。 #twnovel

2013-04-19 23:31:57
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月が真っ赤に笑う夜だから、背中の影が踊り出す。月が真っ赤に笑う夜だから、夜道の足跡大きくなる。月が真っ赤に笑う夜だから、満月兎の目も赤い。月が真っ赤に笑う夜だから、一人がそっと怖くなる。月が真っ赤に笑う夜だから、貴方がそっと、欲しくなる。 #twnovel

2013-04-26 20:42:46
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星が、堕ちた。微笑む天使の顔をした悪魔は、月を隠して太陽を隠して、夜を永遠と続ける。星が光る地面を歩いて、大地を見失わないように進む。崩れる星屑は、未来の行く先すらも危うくする。星は、堕ちた。月も太陽もないこの世界で、夜は永遠となる。 #twnovel

2013-05-01 11:01:53
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丸い月があたしを照らす。暗闇に浮かび上がるシルエットは、ホントのあたしじゃない。それでもいい、寄り付く男は幾らでも。影は魅力的なインパクト、星屑は素敵なチャーム。何処の誰だか知らない男と関わって交わって、あたしの夜は更けてゆく。壊れてもいい。全部、この月のせい。 #twnovel

2013-05-25 21:24:19
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死ぬためだけに生きていると言うなら、何故そこまでの輝きを求めて、何故そこまでの希望を持って、何故そこまでして死にたい? 美しさも煌めきも、ほんのひとときの幻想で、僕にも君にも意味のない欠片なのに。月が砕けても、星が沈んでも、この心臓は動き続けるのに。 #twnovel

2013-06-11 11:02:29
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スーパームーンは嘲笑う。この星の輝きが、あまりにちっぽけであることを。遠い宇宙の僅かな距離の縮まりで、歓喜する人々のことを。迫り来る衛星がもたらす何かを知りもしない星の人々は、手を伸ばして月を掴もうとはしゃぐ。スーパームーンは嘲笑う。この星にやってくる、結末を。 #twnovel

2013-06-23 20:28:41
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風吹けば、少女は踊る。雨降れば、少女は笑う。月満ちれば、少女は消える。手を伸ばしても容易く逃げられて、細い手はいつの間にか見えなくなってしまうのだ。お菓子の欠片、色とりどりの花弁、輝く宝石。どれもこれも、少女の本心。きっとどれも、正しく認識することはできない。 #twnovel

2013-06-25 19:07:03
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花火の煙、霞む月。揺れる提灯が、暑くなる空が、君の心を揺れ動かす。繋いでた手が離れて、人混みの中に君が消えて、花火が終わって。君は何処かへ。祭りの中で、伝えたかった言葉は、何処へ? 君は、霞む月の下で、浴衣を輝かせて。 #twnovel

2013-08-17 17:54:52
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夜空に月一点、三日月オン・ステージ。誰もいない黒の舞台に、淡い黄金は一際輝く。隣に立つものは許さない、孤独なステージ。三日月は何時までも輝き続けて、孤独であり続ける。三日月オン・ステージ、拍手は鳴らない。当たり前の光景に、神秘はもう、産まれない。 #twnovel

2013-09-10 20:05:30
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君が願うのならば、この舞台全てが君のものさ。夜の闇が私に語りかける。舞台は既に整っている、と広げる両手は星一つない夜空。舞台を駆ける私は三日月。太陽が昇るまでの何千、何万秒が、私の出演時間になる。拍手も歓声もないこの舞台、神秘を知るのは、きっと私を消す太陽だけ。 #twnovel

2013-09-11 00:00:55
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月があまりに綺麗だから、星になって夜空に行った。誰よりも近くで月を見たいから、一番近くに流れる星になった。夜空の真ん中で輝く月の前では、星の光は霞む。月の美しさに自分を見失いそうになって、夜空の闇もわからなくなる。月の魔力でまた、誰かが何処かで星になる。 #twnovel

2013-09-18 20:45:33