【緊デジ】 電子書籍に関する出版デジタル機構の現状と竹の子書房からの提言 【竹の子書房】
これも最近繰り返してるけど、「安くすれば売れる」なら「タダのものが世界を席巻してるはず」だけど、そうにもなってない。値段がゼロ円でも、手に入れた人はそれを読むのに自分の持ち時間を消費する。それに見合う価値がないものはゼロ円でも買われない。
2013-10-08 10:22:40理想は「幾らでも買う」という読者の確保wだけど、それは無理なので、「〇円までなら買う」という読者を、この復刻本は何人なら確保できるのか?というのが焦点になってくる。「タダなら貰ってもいい」って人は、どんなに出来が良くてもお金出さないのでノーカウント。
2013-10-08 10:24:07そういう人は、1万円の商品を見れば千円なら買うといい、千円のものは百円なら買うといい、百円のものはタダなら貰ってやってもいい、と言う。
2013-10-08 10:24:44電子書籍の市場規模を考えてみよう(◉◞౪◟◉)
話は戻って、電子書籍の「市場規模」の話。著者の取り分が確保でき、制作費も確保できるのは最低限幾らからなのか、については、これは諸説あるから平均的な数字をあげられない。まあ、そこは無理は承知で「50万から100万」というのを定義したい。
2013-10-08 10:25:56百万というのは一昔前の、一冊の本の収益で著者が得られた金額の目安。本当はこれに制作費とかが色々付く。五十万というのはここ最近の上製本の初版部数最下限当たりで著者が得られる収益の目安。まあ、これ以下だったらほぼ「そもそも企画が通らない」の部類だとする。
2013-10-08 10:27:27電子書籍1冊を500円で出したとする。文庫本の平均的価格と同じくらいなので、紙束のない本としてはやや割高。Amazonで70%で出したとする。収益は1冊売れて350円。百万稼ぐには2857冊売れないとならない。五十万でいいならこの半分で1428冊売れれば概ね届く。
2013-10-08 10:29:46仮に著者が制作費を自分の収益の中から捻出する(版元ではなく著者が負担するケース)のだとする。1500~3000人の読者を絶対に確保できる著者が、そこから制作コスト/管理マネジメント費用の一切を、自分でやらずにアウトソースしたら、恐らく「収益の2~3割」は掛かるんじゃないかなあ
2013-10-08 10:31:33仮に、価格を500円じゃなくて250円と半額にした場合は、百万稼ぐのには5714冊の売上が必要で、同じく250円で五十万稼ぐには2857冊の売上が必要。このへんの計算は公式が分かれば小学生でもできる。
2013-10-08 10:33:37で。紙の本で1万冊売れる本が、電子書籍でも1万冊売れるのかというと、正直売れないと思う。一度紙で出た同じ内容の本を電子で買い直してくれる読者は多数派ではないというのがまずひとつ。上製本で買った本を文庫本でも買い直してくれる人は多数派じゃない。
2013-10-08 10:34:44上製本と同じ内容の文庫本が売れるのは、値段が上製本の1/3~1/4程度と安いからで、文庫落ちを待って買うという読者は少なくない。電子書籍は文庫本の下位互換と考えられているので、「文庫本よりさらに安い値段」が期待されている。
2013-10-08 10:35:46読者としてならその気持ちは分かるけど、ここまで述べてきたように制作コストを考えると電子書籍は文庫本の数分の一で出すことは難しい。文庫本読者が上製本読者の「数倍」いるから成り立つ話で、電子版を文庫本より安くするなら電子版読者は文庫本の数倍必要になる。
2013-10-08 10:36:48実際には、「レジで金を払えばすぐにページをめくれる紙の本」に比べて、電子書籍は購入手続きのハードルが高い。クレカが必要だったり、Amazonギフトを別の場所で買わなきゃいけなかったり、買ったら買ったで読むために目玉以外の装置が必要だったり、手順がバラバラだったり。
2013-10-08 10:37:51Amazon Kindleで買った本はBookLiveでは読めないし、逆も無理。(Kindleで買った本のうちDRMフリーのものはkoboでも読める)つまり、読むために労力意慾が必要になってくる。読むための端末の導入コストも掛かる。子供の参入が大変で、子供が自前で本を買うのが困難
2013-10-08 10:39:22電子書籍は子供が自力で独自決済できない(´・ω・`)
子供が自分で融通できる金額を、自分が親の管理外で独自に決済して、自力で読めるもの、というそういう位置づけのものは電子書籍には現在のところほぼ存在してない。3DSで買えるコミックとかあるけど、あれも親の管理下だしねえ。
2013-10-08 10:40:30「そもそも端末が高いから子供は電子書籍等買えないのだ」は道理であると思うけど、そこを開拓して裾野を広げていかないと、将来の【電子書籍にお金を出す層の育成】は進まないとは思うね。
2013-10-08 10:41:21でも、子供が独自に扱うには、決済についても装置についてもまだまだハードル高い……子供が自力で買える金額に設定するなら、収益が十分に上げられるものでないと事業として立ちゆかない。あちらを立てればこちらが立たない、何はともあれ市場が小さい、というのが現在最大のネック。
2013-10-08 10:42:49ともあれね、「現金決済」(子供が自力で買える、店頭で買える、店頭に電子書籍を露出させる機会の拡大)による市場そのものの拡大はそれこそ偉い人達に期待するしかない。
2013-10-08 10:44:09ミニマルな電子書籍制作体制の事業化(`・ω・´)
一方で、「小部数による小収益でも制作費が捻出できる仕組み」というのは、現場側でどうにかするしかないと思う。「誰かがかぶって我慢すれば出せる」「有志の手弁当に頼る」というのは、黎明期には仕方がない。研究会としてであるから竹の子書房もそうしている。
2013-10-08 10:45:11でも、「有志の篤志」に頼ったスタイルというのは、持続性の点でいずれ壁にぶち当たるし、緩やかに低迷していく。事業化可能というのは「それで儲けたい」ということ以上に、「それを持続的に続けていける」ということを保証することになるのだと思う。
2013-10-08 10:46:18なので、竹の子書房密林支社では「ミニマルな電子書籍の作成費用と事業化コストの算出」を引き続き検討中です(`・ω・´) ◆電子書籍作成に関わる作業コストに関する意識調査 http://t.co/FC0N6niOWo
2013-10-08 10:48:00「幾らなら受ける」「幾らなら頼める」っていう金額の目安は、たぶん人によって開きが大きい。今のところは「集計結果を発表できる」というほど回答があるわけではないので結果はまだ出せてませんが(さくらインターネットのCGIが動作不良気味ってのもある(´Д`))
2013-10-08 10:49:56紙の出版物での作業コストの目安は、電子書籍の作業コストの目安にも採用されるだろうと思う反面、「それを捻出するのにどのくらいの市場規模(読者の人数)が必要で、それは確保可能か?それを確保するための手順は?」というところに、まだ考える余地があるのではと思う。
2013-10-08 10:51:07