〜ごきげんよう劇場「父娘シリーズ」〜

キリン @NAMARIKIRIN

父「おはよう、娘よ。今日は大寒、一年で最も寒い日だ。風邪を引かないように気をつけるんだ」 娘「分かっている父よ。そんなことより、私には父の頭が寒そうに見える」 父「そう、私の頭専用の防寒具（ｽﾞﾗ）はどこかね？」 娘「捨てた」 父「なぜ捨てた」 娘「なんとなくだ」 父「なぜだ」

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父「ごきげんよう、娘よ。少しそこに座りなさい」 娘「何のつもりだ父よ。実の娘を強制的に座らせるなど、文部科学省が動くぞ」 父「こんなことで文部科学省は動かない。さぁ吐きなさい。私の頭専用の防寒具（ｽﾞﾗ）を再びどこに隠したのかね？」 娘「燃やした」 父「この前よりヒドイぞ」

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娘「父よ」 父「何だ」 娘「おはよう」 父「もう昼よ」 娘「昼におはようと挨拶してはいけないと誰が言った。教えるんだ、今から行ってそいつをはっ倒す」 父「私だ」 娘「父だったのか。よし（ﾊﾟｧﾝｯ!!）」 父「本当にはっ倒すな。父だと言えば止めるだろうと楽観した私がバカだった」

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父「ﾗﾝﾗﾝﾗｰﾝ、ランドセル～は～♪　ﾃﾝﾃﾝﾃｰﾝ、天使のは～ね～♪」 母「……」 父「背筋ﾋﾟｰｰｰﾝ!!」 母「……」 娘「おはよう、父は朝から何の儀式をしている？」 母「もうすぐバレンタインだから、そのアピール」 父「天使っのっはっねっ！！」 娘「ただのロリコンか」

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父「ごきげんよう、娘よ。明日はバレンタインだが、ちゃんと私に用意しているかね？」娘「自ら娘に催促するとは情けないぞ父よ。経済産業省が動くぞ。そして去年も施しただろう」父「こんなことで経産省は動かない。それに去年貰ったのはカカオだ。誰が原材料をくれと言った」娘「貴様だ」父「私か」

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娘「おはようございます」 店員「あの…アレ、あなたのお父さんですよね？　なんとか連れ帰ってくれませんか？　もう開店から今までずっとチョココーナーに張り付いて『明日になれば安くなるはずだから今からキープ♪』なんて言って…」 娘「…父よ」 父「おお、娘か」 娘「去れ」 父「なぜだ」

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タマ「にゃあ（ごきげんにゃう……トイレにゃう……と）」娘「……父よ、なぜか私のスマホをうちの猫が操作しているんだが」父「それは簡単な話だ。私がしょっちゅうタマに貸していたからだ」娘「なぜ貸している。そしてツイッターを教えたのは貴様か」父「違う」娘「自分だと言え。恐いだろう」

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父「ごきげんよう！　超寝過ごしたぜ！　こんな時間に起きてしまった俺に一言！」 娘「貴様が寝過ごそうが気持ち悪くヌルリと起きようが私の人生には変わり無い。むしろそのまま永遠に寝過ごして欲しいものだ。さぁ、寝過ごせ」 父「一言どころじゃないが許す！　でも内容は許さん！」 娘「うむ」

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父「おはよう…」娘「どうした父よ。精気が無いな」父「せい…」娘「…（ｶﾞｯ）」父「拳で殴るだと…唐突すぎて逆に笑える。何故殴った」娘「貴様が確実に今、下ネタを言おうとしたからだ」父「何故分かった」娘「私は貴様の娘だからな」父「…フフ、お前も成長したな」娘「貴様の知らぬところでな」

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娘「ごきげんよう、父よ」父「娘よ、この臭いは何だ？」娘「暇だからパンを焼いてみた。食いたかったら食えばいい」父「パンというか、サン（酸）みたいな物体だな。真っ黒で暗黒の世界がこの中に渦巻いているかのようだ」娘「私と母の分はこんがり綺麗だ。貴様の分だけこんなんだ」父「何その仕打ち」

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父「ごきげんよう。ちょっとそこに座りなさい」娘「もう座っている」父「胡坐じゃなくて正座で…まあいい。いいか、形あるものは全て壊れる、だが我々はそれに臆せず前に進んでいくしかないんだ。分かるな」娘「全然分からん」父「早い話が、私のプリンを食べたな」娘「犬にやった」父「しかも犬か」

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父「おはよう…母さん、あの」母「元気ないね」父「娘に怒ったんだ。そしたら…」～父「夜遅くまでどこ行ってたんだ。言いなさい」娘「言わん」父「言いなさい！」娘「言わん！」父「言え！」娘「言わんと言っているッ！！」～父「と、2倍の凄さで返してきて私ショック」母「あっそ」父「あっそ！？」

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父「ごきげんよう…」娘「どうした、何か元気が無いな」父「昨夜、怖い夢を見ちゃったんだよォォ」娘「おお、よしよし」父「ぎゃー！」娘「なぜ怖がる」父「ど、どうしたんだお前！　いつもだったら『私にとって貴様と過ごすこの現実が悪夢のようだ』って言うのに！」娘「言っていいのか」父「ダメ！」

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父「おはよう。こんな朝から何をやっている？」娘「たまには貴様の為に弁当を作ってやろうと思ってな」父「ありがたいが、前のように白飯とラザニアだけとかじゃないだろうな」娘「今日はラザニアだけだ」父「なぜそれほどラザニア推しだ」娘「醤油ぶっかけておいた」父「なぜだ。私が醤油顔だからか」

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父「…ごきげんよう、どうしたんだ？」娘「いや、貴様が一人で空を見上げながら黄昏ているようだから、娘としてさらに心配になった」父「さらにってどういう意味？　いや……ただ、5月だなぁって」娘「5月病か」父「フフ……そうかもな」娘「貴様に6月は永遠に来ないだろう」父「なにその予言」

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父「ククク…ごきげんよう」娘「何をニヤニヤしているんだ気持ち悪い」父「娘よ、俺と一緒にこの呪いの心霊ビデオを見ないか」娘「な、なぜそんなものを貴様と一緒に見なければならないんだこの気持ち悪いクソハゲグレートが」父「いくら怖いからってそんなグレートな悪口を父に投げかけていいと誰が」

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父「ごきげんよう娘よ。少しよろしいか」娘「買い出しに行こうとする娘をわざわざ呼び止めるとはどういう了見だ父よ。石原軍団が動くぞ」父「石原軍団は炊き出しをしてくれる軍団であって買い出しをしてくれる軍団ではない。そんなことより俺にプリンを買ってきてくれ」娘「断る」父「まさかの展開だ」

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父「ごきげんよう娘よ」娘「あっちいけ」父「父を愚弄するか」娘「愚弄はしていないが、いつも貴様に苦労している」父「照れなくていい。それより、俺のつけまを知らんかね？」娘「まず貴様がつけまをしていることに衝撃を受けた。毛は目に植えるより頭に植えたらどうだ」父「現実を見せるな」

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父「娘よォ～～！！」おばさん「あら、お向かいのお父さん」父「あ、ごきげんよう！　あの、うちの娘を見ませんでしたか！　『家を出る』と数時間前に出てったっきりで…」おば「え、あなたの後ろに買い物袋を持った娘さん居るけど」父「えっ」娘「そこで何をしている父よ。ほら帰るぞ」父「アレッ」

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父「ごきげんよう娘よ。今日は6月9日、ロックの日だそうだ。だから娘への日頃の想いをロックテイストで歌いあげよう」娘「それは粋な計らいだ」父「ｷﾞｭｲｰﾝ！！」娘「それは歌詞か」父「そうだ。♪俺とお前は天使と悪魔ァァーー！！」娘「待て。悪魔はどっちだ」父「お前だ」娘「それはお前だ」

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父「ごきげんよう…昼になったか。昨日の父の日には何も無く…娘もあの有様だ」娘「何を見ている」父「いや…」娘「いいか、今日は私の部屋には絶対に入るな。貴様が期待しているものなど何もないからな」父「…あいつも素直じゃないな。ふふ…どれ、お呼ばれしようか」　※本当に何もありませんでした