アーティスティクスの「Baby I Need You」にまつわる話
- kentarotakahash
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すげー! こんなヴィデオ・クリップが存在するとは! 1999年に撮影されたものだそうだが、マーヴィン・スミスが歌ってる映像を観ることが出来るとは思わなんだ。 The Artistics - I'm Gonna Miss You http://t.co/Wqrw7WMWWb
2013-10-19 17:37:02この「私の好きなブランズウィック」で、小西康陽くんと僕がともに選んでいるのが、アーティスティクスの「Girl I Need You」だった。 http://t.co/y1JUxXeO7g … … レーベルの全ての曲の中から5曲選んで、重なっている。特大のヒット曲でもないのに。
2013-10-19 17:51:21アーティスティクスはリード・ヴォーカルがころころと変わったコーラス・グループで、マーヴィン・スミスがリードだった短い時期が最良の時期だった。その時期(1966〜1967年)にヒットしたのが、さっきの「I'm Gonna Miss You」と「Girl I Need You」。
2013-10-19 17:53:53といっても、どちらもTOP40にも入らない。「I'm Gonna Miss You」がR&Bチャートで9位。「Girl I Need You」に至ってはR&Bチャートで26位。しかし、そんな曲を小西くんと僕が選んだ訳だ。ブランズウィック・レーベルの全ての曲の中から選んだ5曲に。
2013-10-19 17:57:18実は、マイナーなコーラス・グループの小ヒット曲であるアーティスティクスの「Girl I Need You」こそは、ソウル・ミュージックの歴史において、非常に重要な1曲である、というのが僕の立場である。だから、小西くんの5曲の中に、それを見つけた時にはさすが!と思った。
2013-10-19 18:01:35The Artistics - Girl I Need You http://t.co/iFXDv9isxw この曲のキーパースンはダニエル&バーナード・リードの兄弟である。二人はアーティスティクスのバックを務めていたギタリストとベーシスト。兄のダニーはこの曲の作曲者でもある。
2013-10-19 18:07:10アーティスティクス以前のダニエル&バーナード・リードの仕事として知られるのは、メイジャー・ランスの「Without A Doubt」。http://t.co/i1uLzsnVgm これは弟のベーシスト、バーナード・リードも作曲者に入っている。
2013-10-19 18:27:501960年代前半の北部のR&Bでは、ともかくモータウンが強大だった。そのモータウンのデトロイト・スタイルに対して、60年代半ばになると、シカゴ・スタイルがノーザン・ソウルのもう一つの勢力として台頭してくる。牽引車となったのは、もちろん、カーティス・メイフィールドだ。
2013-10-19 18:36:42メイジャー・ランスのノーザン・ソウル・アンセム、「モンキー・タイム」もカーティス・メイフィールド作。 Major Lance - Monkey Time http://t.co/6tlFVaFxOx …
2013-10-19 18:41:52食事の途中で、アーティスティクスの日本盤CDが届いた→ http://t.co/N0ZXJSh5SE
2013-10-19 19:25:30早速、開封して鈴木啓志さんのライナーを読むと、あれ、「Baby I Need You」のリード・ヴォーカルはマーヴィン・スミスではなく、トミー・グリーンがマーヴィン・スミスのファルセットを真似したのだと書いてある。 http://t.co/N0ZXJSh5SE
2013-10-19 19:28:17鈴木啓志さんによれば、ジャケットの写真にもマーヴィン・スミスはいないそうだ。なるほどー。でも、ジャケットに映っている5人目のメンバーについての記述はないな。4人組のコーラス・グループなのに、同じスーツを着たメンバーが5人いるのだが。http://t.co/H5dVjrtm64
2013-10-19 19:34:24このジャケットには5人目のメンバーがいる。後ろを向いているが、同じスーツを着ている。これがベーシストのバーナード・リードだと思われる。チャック・レイニーやジェームズ・ジェマーソンの1/100の知名度もないだろうが。 http://t.co/H5dVjrtm64
2013-10-19 19:36:54アーティスティクスはメイジャー・ランスの弟分的な存在で、カーティス・メイフィールドが書いたランスのヒット曲、「Monkey Time」でバック・コーラスを務めた。そこでオーケー・レーベルのカール・デイヴィスと繋がり、デイヴィスが設立したブランズウィックにも迎え入れられる。
2013-10-19 19:40:27だが、アーティスティクスは実はヴォーカル=インストゥルメンタル・グループ的な存在だったようだ。ベーシストのバーナード・リードもメンバーとされていた。彼の兄のダニエル・バーナードも作曲、演奏に関わっていた。そして、この若き兄弟は斬新なリズムとハーモニーの感覚を持っていた。
2013-10-19 19:43:24メイジャー・ランスの「Monkey Time」(カーティス・メイフィールド作)と「Without Doubt」(リード兄弟作)を聞き比べると、それがよく分る。カーティスのスタイルを一歩進めた若々しい感覚。シカゴ・ソウルを一歩前進させる力を彼らはここですでに匂わせている。
2013-10-19 19:50:45そして、アーティティクスの「Girl I Need You」ではその感覚が全開になる。60年代後半以後のノーザン・ソウルを特徴づけるメジャー7thと分数和音を使ったアッパーなリズム・トラック。その肝はリード兄弟のギターとベースである。 http://t.co/iFXDv9isxw
2013-10-19 20:01:59乱暴に言ってしまえば、フィフス・アヴェニュー・バンドやピチカート・ファイヴを経由して、日本の渋谷系のサウンドに繋がっていくサウンドの原型が、このアーティスティクスの「Girl I Need You」にあると言っていい。 http://t.co/iFXDv9isxw
2013-10-19 20:03:21カール・デイヴィスに才能を買われたダニエル・リードとバーナード・リードの兄弟は、ブランズウィックの制作チームに迎え入れられ、アレンジャーのソニー・サンダーズとともに、数多くのレコーディングに貢献する。多分、みんなが大好きなのはこの曲→ http://t.co/6zsXiWuGcy
2013-10-19 20:07:18バーバラ・アクリンの「Am I The Same Girl」がヤング・ホルト&アンリミティッドの「Soulful Strut」と同じ曲であり、トラックも同一なのはよく知られている。http://t.co/6zsXiWuGcy → http://t.co/rRRx3Il73k
2013-10-19 20:47:30この2曲は実はバーバラ・アクリンの「Am I The Same Girl」(1969年)が先に録音されている。が、そのリズム・トラックにヴォーカルのかわりにピアノを乗せて、先に発表されたのがヤング・ホルト&アンリミティッドの「Soulful Strut」(1968年)。
2013-10-19 20:47:58しかし、ピアノ・トリオであるヤング・ホルト&リミティッドは、「Soulful Strut」を全く演奏していない。演奏しているのは、ダニエル・リード、バーナード・リード、ドラマーのクィントン・ジョセフ、ピアノのフロイド・モリスら。アレンジャーはソニー・サンダース。
2013-10-19 20:48:34モータウンにファンク・ブラザーズがいたように、ブランズウィックにはアーティティクスのバックアップ・チームから発展したスタジオ・バンドがいた。彼らには名前がなく、いまだに伝説化もされていない。が、明らかに新しいスタイルをソウル・ミュージックに付け加えたミュージシャン達だった。
2013-10-19 20:49:04