人と魔物と白の翼【テドイア】

重音テッド×IAの物語。 とある街に一人の天使が住んでいた。 ある日、その天使は傷付いた男と出会い、恋に落ちた。
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

その世界には普通に天使の娘がいて、人の世界に降りては人を守ってくれていた。 そしてイアもまた、神に使わされ地上にある街で暮らしていたのです。 けれどある時。彼女は傷を負った男と出会う。これがすべての始まり。

2013-10-22 21:00:19
大崎巧実(裏) @mboxtw2

この怪我した男がテッドさん。 怪我が酷いから医者に連れて行こうとするんだけどテッドさんはそれを拒否するのです。 仕方なく、イアたんは自分の家に連れて帰るのです。彼を見捨ててはいけないから。

2013-10-22 21:05:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

連れて帰ったイアたんは、とにかく傷を癒そうと天使の力を使うのです。 その力でテッドさんの止血には成功するのだけど、イアは心に傷を負ってしまう。

2013-10-22 21:17:07
大崎巧実(裏) @mboxtw2

癒しの術は、相手の痛みを自分の中に取り込む。 その時、イアの中にテッドさんの痛みが流れこんできて、凄く苦しくなったのです。 悲しくて、苦しくて。 その理由まではわからない。それはテッドさんが固く心を閉ざしているから、嘆きだけしかイアにはわからない。

2013-10-22 21:20:24
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そしてイアは思うのです。 こんなにも悲しみで一杯のこの人を救ってあげたい。その苦しみを、少しでも癒してあげたい。 そして、それが恋の始まりになるのです。

2013-10-22 21:21:59
大崎巧実(裏) @mboxtw2

献身的に看病を続け、回復を見せるテッドさんを見て喜ぶイアだけど、一つだけ気掛かりな事があったのです。 それは、すでにイアには結婚が決まっている婚約者がいる事。 これは最初から決められた事で、言うなればお見合い結婚のような物でイアは彼に愛はない。

2013-10-22 21:43:26
大崎巧実(裏) @mboxtw2

婚約者の男は教会の権力者で、教会によって選ばれた者。 そして天使は神の名において、教会か決めた男に嫁いで彼を一生守り続ける守護天使にならなきゃいけないのです。

2013-10-22 21:45:57
大崎巧実(裏) @mboxtw2

それまでイアは恋をした事がなく、他の天使と同じようにすべてを愛し、慈しんできた。 だから教会が選んだ男にもちゃんと愛を注いではいた。でもそれは博愛であり、恋慕じゃない。それをイアは知らなかった。 疑問を持ちはじめたのは、テッドさんに抱く感情が全く違う事に気付いた時。

2013-10-22 21:48:33
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんが元気になると嬉しい。彼の為に何かがしたい。そして、テッドさんの傍にずっと寄り添っていたい。 そんな欲求を持ちはじめ、そしてそれを婚約者には感じない。それに疑問と、何より不安をイアは感じるわけだ。 自分が愛しているのは誰?って。

2013-10-22 21:50:47
大崎巧実(裏) @mboxtw2

婚約者は優しくしてくれる。愛してくれる。きっと結婚したら彼を愛する事が出来るだろう、そう思ってた気持ちが揺らぎはじめる。 本当に愛せるの?自分は彼を愛しているの?テッドさんより? そうしてイアの心は不安定になっていくんですね。

2013-10-22 21:53:08
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアの不安定さを加速させる原因の一つに、テッドさんがちょっかいかけてくるのがある。 彼に惹かれてて、気になってるのにちょっかい出されるとドキドキして冷静さなんて吹っ飛んじゃう。 まぁ、好きになってる証拠なんだけど。でもイアは婚約者への負い目があって踏ん切りがつかない。

2013-10-22 22:01:26
大崎巧実(裏) @mboxtw2

どうしよう、どうしようって悩んでるうちに結婚式の日は近付いて来る。 揺れてるイアにテッドさんが手をだしちゃうんですね。 テッドさんはイアが自分を好きだと気付いてる(だからちょっかい出してる) 当然、イアは驚くけど拒めなかった。

2013-10-22 22:05:52
大崎巧実(裏) @mboxtw2

天使は契りを交わした相手の守護天使となり、その男の為に尽くすという制約がある。だからテッドさんとは最後まではしてない。流石にそれは怖くて出来なかった。 でも、そこまで許してしまったって事がさらにイアを追いつめていくわけだ。

2013-10-22 22:38:13
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そもそうちのイアたんは相手に対して強く出れない性格。だから結婚式も言われるがままだったし、テッドさんを好きになった事も、それを婚約者に言えないまますぎていく事も、そしてテッドさんを拒めなかった事も。 その性格もあって、余計イアは悩み続ける。

2013-10-22 22:40:20
大崎巧実(裏) @mboxtw2

もうその頃には自分がテッドさんを好きだって事、婚約者に愛は注げないって事はわかってるわけだ。でも、中々言い出せなくて。だってそれは神さえも裏切る行為だから。 それが出来なくて、でもどんどん結婚式の日は近付いてくる。結婚したら、もうテッドさんとはいられない。

2013-10-22 22:48:38
大崎巧実(裏) @mboxtw2

教会に掲げられた十字架の前に跪いて、イアはずっと悩み続ける。自分の背負おうとしてる罪、それでも愛する事は止められない事。 そしてやっと婚約者に打ち明けるんですよ。結婚は出来ない、って。 でも相手はそれで納得しなかった。と言うか本性を出してきたんですね。

2013-10-22 23:04:31
大崎巧実(裏) @mboxtw2

実は婚約者もイアを愛してなかった。男が欲しかったのは『守護天使』。そして気の弱いイアなら好きに出来ると思ってた。『天使』であると言う事以外に価値はない女、そう言い捨てて襲いかかってくるんですよ。 『契り』さえ交わしてしまえば天使は逃げられない、それを知っていて。

2013-10-22 23:06:56
大崎巧実(裏) @mboxtw2

当然イアは抵抗するわけだ。そのまま犯されてしまったら、その男の寿命が尽きるまで、神の名においてイアはずっと縛られ続ける。 必死にイアは男の所から逃げ出すのね。もう服はボロボロ、下着状態で。でも捕まったら犯されるからそれはもう必死。

2013-10-22 23:12:50
大崎巧実(裏) @mboxtw2

必死に逃げた先は教会の中。そこは神の御前。一番安心できる所だけど、一番辛い場所。 そこでイアたんは神に懺悔するんですね。 決められた相手ではなく、違う人を愛してしまった事、そして傷付けてしまった事。それらを泣きながら、神に告げるんです。

2013-10-22 23:22:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

婚約者が追いかけてきて、イアたんは見つかるんだけど、そこでごめんなさいってまた言うわけだ。 テッドさんだけを愛してる、って。あなたの物にはなれません、って。 そうしてその罪を購う為、イアは自らの命を絶ってしまうんです。神の命に従う事すら出来ないから。

2013-10-22 23:24:46
大崎巧実(裏) @mboxtw2

十字架の前でイアは力尽き倒れ込んでしまう。驚いた婚約者は彼女の元に駆け寄ろうとするのだけれど、でも近付く事は出来なかったんです。 イアを中心にして赤黒い光が魔法陣を描く。そうして、そこに現れたのはテッドさん。勿論、この話のテッドさんも人間ではない。

2013-10-22 23:25:55
大崎巧実(裏) @mboxtw2

自らの首を切ったイアの身体を抱いて、痛かったなって優しく撫でてあげるんです。もう苦しまなくてもいいんだぞ、って。 そうしてテッドさんはイアを自分の物にしちゃうんですね。薄汚い人間になんか渡せない。そして、神にも返さない。これは、俺のもんだって。

2013-10-22 23:27:23
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうしてイアを抱きしめたテッドさんはそのまま地底へと姿を消していく、という所で話はおしまい。 その時命を落としたイアは、テッドさんの腕の中でもう一度目を覚まします。 命を吹き込まれた彼女のすべてはテッドさんの物。彼の傍で、彼の為に生きていく。

2013-10-22 23:29:19
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアの血肉はすべてテッドさんの力で動いているから、テッドさんの傍じゃなければ生きられない。彼の意志一つで命は再び弾け飛んでしまう。 でも、イアはそれでも幸せなのです。彼に従い、彼の為に生きる事。それが喜びだから。そんな物語。

2013-10-22 23:31:10
大崎巧実(裏) @mboxtw2

この話は最後を除いてイア視点で進み、イアの心情が話の主軸になるので、テッドさんの方は殆ど出てこない。 勿論、イアにちょっかい出す頃にはテッドさんもイアたんが好きです。好きだから触りたくて、自分の物にしたくてちょっかい出すんです。あの人は。

2013-10-22 23:32:25