超高齢者肺炎診療の方向性は?~寺本先生による誤嚥性肺炎講演会&第13回呼吸器感染症フォーラム~

超高齢者肺炎に関連した2つの講演会のレビューです.
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⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】超高齢者肺炎における抗菌薬投与で得られた約9ヶ月の延命期間はその後の死亡までの苦痛を伴うという結果.もちろん米国は日本のような皆保険制度ではないため医療費が高く,入院が経済的に困難というlimitationはあるが,救命が余生のQOLを著しく損なうことが示された

2013-10-20 19:14:48
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】最後の質問「肺炎のガイドラインは,現在の市中肺炎,NHCAP,院内肺炎に分類したものがよいか,これらの分類の概念を廃した統一指針をだすべきか?」分類すべき:30%,統一指針:70%.なんと,これまでの肺炎分類を臨床現場医師は大半が否定(私も統一指針派).

2013-10-20 19:18:08
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】最後の質問は河野先生が急遽提示したものだったが,統一指針派が7割を占めた結果を見て「分かりました」と苦笑い.自ら作ってきたガイドラインが臨床現場とは乖離していることが認識された?今後は肺炎を統一したガイドラインになるかもしれない.

2013-10-20 19:20:19
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】今回のフォーラムのまとめ.①肺炎患者から耐性菌を検出してもその菌が真の起因菌である可能性はかなり低く,米国や日本のガイドラインが推奨する初期広域抗菌薬治療→de-escalationという治療戦略が予後を改善する根拠はなく,むしろ予後が悪化する可能性もある.

2013-10-20 19:23:50
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】②超高齢者肺炎においては検出菌,初期抗菌薬の種類は予後に影響を与えず,誤嚥,アルブミン値に代表される栄養状態や併存疾患,重症度といった宿主因子が予後規定因子であり,「耐性菌リスクがあれば広域抗菌薬投与」を推奨している現在のガイドラインは再考すべき時期にきている.

2013-10-20 19:27:27
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】③超高齢者肺炎において,抗菌薬投与そのものは平均約9ヶ月の延命効果がある一方,その延命期間はQOL低下と苦痛を伴うものであり,その救命がEnd-of-Lifeの質を低下させている事実がある.DNH(入院拒否)を導入するため,本邦での法整備が必要である.

2013-10-20 19:31:25
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】私見:やっとこういう議論を学会の上の方々がするようになったけど,まだ菌と抗菌薬の話に留まっている状態.口腔ケア,リハビリテーション,誤嚥予防手段,併存疾患の治療についての議論はまだまだなされない模様.高齢者肺炎を考えるなら感染症から離れた視点で見るべき

2013-10-20 19:35:04
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

レビュー終了.ちなみに来年の第14回呼吸器感染症フォーラムのテーマは『肺炎の真実~疫学,病態,予防~』ということなので,ようやく口腔ケアやリハビリテーションの話が出てくるかもしれません.

2013-10-20 19:41:41
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

私の場合「当院は急性期病院」と割り切ってるので,超高齢者肺炎で挿管と胸骨圧迫を希望されなくてもそれ以外の治療は積極的に行い,急性期は「一時的経鼻胃管栄養,末梢がとれない場合のCV挿入,ノルアド,サムスカ,アルブミン」までやって死亡率はかなり低いが,さてこれは意味があるでしょうか?

2013-10-20 19:45:18
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

DNH(Do not Hospitalization:入院拒否)システムは超高齢者社会で施設も長期療養型病院もパンク状態と医療費の両方を解消するいいシステムだと思うよ.米国のように医療費が高くて受診できない国だからこそ生まれたシステムでもあるので日本人には受け入れがたいかもだが

2013-10-20 20:10:45
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

誤嚥有無を明確に区別するのは大変です.不顕性誤嚥まで検出するには臥位での評価が必要です.臥位で2mLの水投与で嚥下異常がある患者はその後数ヶ月以内に誤嚥性肺炎を全員発症したという寺本先生の報告があります(Lancet 1999;353:1243) @m0370

2013-10-20 20:43:43
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

そろそろね,ADLが悪い超高齢者の肺炎を肺炎と呼ぶのはやめた方がいいと思う.肺炎+心不全+低栄養+廃用症候群+嚥下機能障害+etc...という超高齢者特有の症候群なわけで,○○症候群というネーミングがほしい.早い話が広義の「もう寿命」だと思うんだが

2013-10-20 21:38:54
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

そうそう,「喀痰から耐性菌検出したけど原因菌ではなかった」という患者にも何らかの意味があるんじゃないかと今回のフォーラムで思った.耐性菌の定着と患者の全身状態が相関してるんじゃないかと.原因菌か否かに関係なく耐性菌の存在が全身状態を教えてくれてるんじゃないかと.

2013-10-20 22:32:26
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

承前)若年者も保有するESBLはあまり参考にならないだろうけど,MRSAと緑膿菌に関しては,その菌が原因で全身状態が悪くなったんじゃなくて,全身状態が悪いからその菌が住み着いてるかと.緑膿菌なんてもともとそんなに強くない.それが住み着くくらい全身状態悪いんですよと

2013-10-20 22:34:58
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

承前)だから,原因菌じゃないけど耐性菌が喀痰中にいる=全身状態が悪い=死亡しやすい,という構図であって,この構図を今まで「耐性菌が肺炎予後を悪化させる原因だ」と錯覚してきたんじゃなかろか?実は「全身状態の悪さが肺炎予後を悪化させる原因」というすごく単純な話だったのに

2013-10-20 22:39:43
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