【ICC国際刑事裁判所】最近の議論Ⅲ~ #イスラエル訴追 とアメリカの反ICC姿勢の行方・その他(順次追加)~ #ICC_QA

最近関わったICC国際刑事裁判所関連のディスカッション・コメント・情報等をまとめています。(随時更新) ■前回のまとめ:ICC国際刑事裁判所:最近の議論Ⅱ~米国訴追・侵略の定義・侵略犯罪・法の不遡及・時効不適用・性的奴隷化・強制売春~ #ICC_QA http://togetter.com/li/507201
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リンク mainichi.jp 国際刑事裁判所:ガザ支援船拿捕事件でイスラエルを訴追へ 【ブリュッセル斎藤義彦】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の検察トップ、ベンスダ主任検察官...

コメント:イスラエル訴追はアメリカの協力姿勢を量る試金石となる

<国際刑事裁判所>ガザ支援船拿捕事件でイスラエルを訴追へ
毎日新聞 10月28日(月)6時0分配信

 【ブリュッセル斎藤義彦】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の検察トップ、ベンスダ主任検察官が毎日新聞と単独会見し、イスラエル軍がトルコ人活動家ら9人を殺害した2010年5月のガザ支援船拿捕(だほ)事件について、年内にも予備的捜査を終了、捜査開始の結論を出すことを明らかにした。主任検察官は「アフリカ大陸以外で初めての事件になりうる」と捜査開始の可能性に言及。イスラエル軍の「人道に対する罪」が国際法廷で初めて裁かれる可能性がでてきた。

 主任検察官はICC加盟国から事件を付託され、事案が重大で、加盟国が訴追できなければ捜査に着手できる。

 拿捕事件の場合、9人が殺害された船は加盟国の東アフリカ・コモロ連合船籍。加盟国籍の船上で起きた犯罪にもICCは管轄権がある。支援船団には加盟国カンボジア、ギリシャ船籍の船もある。

 主任検察官は予備的捜査で集めた資料を「慎重に分析」し、関係者に資料を請求している最中だと明らかにした上で「年内に予備的な捜査を終了できると期待する」と述べた。

 主任検察官はアフガニスタンや北朝鮮などで予備的捜査を行っているが起訴できる見通しがなく保留している。捜査を始めている7件はいずれもアフリカ大陸で、アフリカ諸国から批判されている。

 コモロは今年5月に事件をICCに付託した。付託文書によると10年5月31日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の封鎖に抗議するため、食料や医薬品など同地区への支援物資を積んだ8隻の船団が公海を航行していたところ、イスラエル軍がうち6隻を拿捕。ヘリでコモロ船籍のMVマビマルマラ号に乗り込んだ。兵士は銃撃するなどしてトルコ人活動家ら9人を殺害。50人以上が負傷した。付託書は戦争犯罪や人道に対する罪にあたるとしている。

 イスラエルは独立委員会を設置して11年1月、拿捕は合法で、銃撃も正当防衛とする結果を発表した。報道によると同国政府はICC付託を「権利の乱用」などと批判している

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非締約国のイスラエルをどうやって,と思ったら,締約国の船舶で起き締約国が付託したのか。おそらくイスラエルはAUの集団脱退を支援するだろう。RT @kyo_u_10: <国際刑事裁判所>ガザ支援船拿捕事件でイスラエルを訴追へ(毎日新聞) http://t.co/DdWvWm9uIV

2013-10-28 06:46:12
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下手すると,各国の《協力者》たちが全力を挙げてAUの集団脱退を支援するかもしれない。イスラエルは元々,2002年の8月,ICCの発足直後に署名撤回を公式に打診した。この撤回表明は受理されていないが,同時にイスラエルは締約国でもない。https://t.co/jd8bQjAkaP

2013-10-28 06:51:05

最大の庇護者アメリカの動向1:はじめは強硬だった反ICC姿勢

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イスラエルの最大の庇護者がアメリカ合衆国であるのは周知の通り。アメリカはイスラエルに先立つ2002年5月に署名撤回を通知した。その後,ブッシュ政権下ではICCに協力する国の経済・軍事支援を凍結するという強攻策にすら出た。https://t.co/qBhIU4cYqx

2013-10-28 06:53:32
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またアメリカは,ICC締約国や加盟を検討する国に対して,BIA二国間免責協定の締結キャンペーンを展開し,わずかな間で100か国以上の国とこれを締結した。圧倒的な外交力の誇示だった。しかしある事件を機に,アメリカの反対姿勢は軟化する。http://t.co/F78wUqqiQA

2013-10-28 06:56:56
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続き。イラク・アブグレイブ刑務所での捕虜虐待問題である。http://t.co/i2lnN1MXYP この問題を機に,国際社会はアメリカの非人道性について強く問題視するようになった。対するアメリカは,捕虜を「敵性戦闘員」であるとして,戦時国際法の庇護下に当たらないと主張。続く

2013-10-28 06:59:47
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続き。しかし当のアメリカ本国の連邦最高裁において,今度はキューバのグアンタナモ収容所におけるテロ容疑者に対する扱いが国際人道違反だとして政府の主張は覆され,アメリカは国際刑事司法における軌道修正を図らざるを得なくなった。(拙講演より)http://t.co/bKyTFuPeOE

2013-10-28 07:04:48

最大の庇護者アメリカの動向2:軟化する反ICC姿勢

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続き。このようにしてアメリカは,国際人道法に対する罰則を刑罰として適用する初の常設国際刑事裁判所であるICCに対する反対威勢を改め,これに協力することで国際社会に自らの正当性をアピールする戦略に切り替えた。その先頭を切ったのが,スーダン・ダルフールへのICC介入への賛同である。

2013-10-28 07:07:02
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続き。スーダン・ダルフール事態についてアメリカは第一次オバマ政権において,現・国家安全保障問題担当大統領補佐官であるスーザン・ライス国連大使を筆頭に,人道的危機対応に関するICC及び国連への協力姿勢を強化する。アメリカがICCに対する実施的政策転換を見せた初の案件となった。続く

2013-10-28 07:14:40
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続き。スーダン・ダルフール案件への米国の協力は,実はオバマ政権から本格化したものではあったものの,ブッシュ政権の末期からその政策転換の移行は引き継がれていた。同案件で国連安保理決議が採択されたのは2005年。ブッシュ政権の只中だ。http://t.co/M3yRJVxsP9

2013-10-28 07:18:13
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続き。2005年当時のアメリカの国連大使ジョン・ボルトンは,親イスラエルのネオコン派。ICCに対する国連での強硬なまでの反対姿勢を最も露わにしてきた人物だった。先に説明した経済・軍事支援の凍結や免責協定も,ボルトンが主導した。https://t.co/4xANzlgvke

2013-10-28 07:24:19
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続き。このボルトン国連大使が,任期満了の土壇場になって,本国の政策転換により,ダルフール案件で国連憲章第七章に基づくICCへの付託を認める国連安保理決議の採択に棄権票を投じたのである。米中が反対すれば,通らない決議だった。https://t.co/utDdNZTvQ0

2013-10-28 07:28:24

最大の庇護者アメリカの動向3:本格化する対ICC協力姿勢

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そうして,対ICC反対姿勢を軟化していたブッシュ政権末期の政策を引き継ぎ,さらにICCへの協力姿勢を露わにしたのが,第一次オバマ政権である。オバマ政権では初めて,戦争犯罪問題担当無任所大使がICC締約国会議代表団の団長に任命された。https://t.co/R4EtIWs8RG

2013-10-28 07:37:00
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続き。このステファン・ラップ国際刑事司法担当無任所大使(この部署もオバマ政権で新設)の起用により,アメリカは本格的にICCは問題への協力姿勢を強め2011年,ついにアメリカはリビア情勢に関する国連安保理決議で賛成票を投じる。https://t.co/3KdG9AIdKq

2013-10-28 07:41:33
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続き。リビア事態のICC付託に対するアメリカの賛成票により,ICC史上初めて,全会一致でICCへの協力を強制する安保理決議の採択が実現した。今後も,ICCに対するアメリカの協力姿勢に大きな変化は現れないと見られる。その中で,イスラエルが遂にICCに訴追される事態となったのである。

2013-10-28 07:44:04

結び

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今回のイスラエル訴追は,加盟国の独自行為として行われたものであって,国連安保理が入り込む余地はない。しかし,イスラエルに対する強制力を発揮するには,非締約国とはいえ,アメリカの協力は必須になる。これまで,約8年に渡りアメリカは,思惑あってICCに対する協力姿勢を強化してきた。続く

2013-10-28 07:46:50
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結び。今回のイスラエル訴追は,そうしたアメリカのICCへの協力姿勢が本物であるかを問う試金石となるだろう。第一次オバマ政権以降,アメリカはICCに対する強硬な姿勢は一切とっていない。最大の被護国イスラエルの窮地にどう対応するか。国際社会は注目していることだろう。(了

2013-10-28 07:49:03

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