岸田秀botまとめ/屈辱的現実を自己欺瞞で誤魔化せば不可逆的に失敗する

岸田秀著『日本がアメリカを赦す日』/第三章ストックホルム症候群/服従の作法/78頁以降より抜粋引用
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岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

①現実を見ないとどうなるかというのは非常に単純な事ですよ。…日本軍の作戦なんて現実を見てなかったから失敗した訳です。都合の悪い現実を無視して作戦を立てるから、どれ程必勝の信念をもとうが、死を恐れぬ勇気をもとうが、身を犠牲にして戦おうが不可避的に負けます<『日本がアメリカを赦す日』

2013-10-24 23:37:52
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

②現実を見るか見ないか、その差が現実の結果を決定します。 国家にしろ個人にしろ同じ事です。 神経症も幼い時の親子関係とか、自分に関する苦痛な都合の悪い現実を見ないから起こるのです。 これまで見ていなかった現実を見さえすれば神経症は基本的に治ります。 非常に単純な事ですよ。

2013-10-25 00:37:59
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

③その場合、神経症が治ったからといって、天にも昇るような素晴らしい気分で人生が送れるようになる訳ではありません。 嫌な現実を見る訳だから、前より不幸になるかもしれません。 しかし、生きるという事は、現実を見て現実に生きる事だと思います。 現実を見るというのは単純な事です。

2013-10-25 01:37:52
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

④しかし、それができなければ、国も個人も長い目では必ず失敗します。 日本の場合、屈辱的現実をごまかさずに認識した上で、結果として、いまと同じ、アメリカの子分として生きる道を選択することだってあり得ると思います。 独立を唯一絶対の目標にすることはありません。

2013-10-25 02:37:55
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑤軍事的にも経済的にもアメリカから独立するとなれば、いろいろそれなりのデメリットがあるでしょう。 いまより貧乏になるかもしれません。 いまのような経済的に豊かな生活を第一に守りたいというなら、このままの道を選択することもあり得ます。

2013-10-25 03:37:51
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑥また、日本国民が軍事的にアメリカに依存しているほうが日本にとって有利だと、ゆっくり考えた上で結論するのなら、それでもいいと思います。 必ずしも反対ではないですよ。 しかしその場合は屈辱感をごまかさず、引き受けなければなりません。 イコール・パートナーなんて言わない事です。

2013-10-25 04:38:05
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑦この道を選べば、日米関係においては何に関しても親分・アメリカの都合が優先されるでしょう。 アメリカ軍の兵士に日本の女の子がときどき強姦されるのも必要経費みたいなものかもしれません。 場合によってはアメリカから一方的に捨てられる可能性もあります。

2013-10-25 05:37:52
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑧不安な関係でアメリカに依存しつづけることになります。 親分ってのは、なんたって勝手だからね。 子分が望むほど気を遣ってくれることはありません。 その不都合にも、不安にも、屈辱感という苦痛にも、耐えていかねばなりません。

2013-10-25 06:37:55
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑨それでもいい、そういうデメリットもアメリカの子分である事のメリットと比べれば大した事はないし、それに耐えていけるという事であればそれも一つの道です。 世界の歴史においては…大国に翻弄され、そのご機嫌を取りながら、そして踏みにじられながら…生き抜いてきている小国も沢山あります。

2013-10-25 07:38:06
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑩航海・航空技術が未発達だった昔には日本海と太平洋に守られていた日本も、現代はそうもゆかなくなり、そうした小国の仲間入りをしたと考えればいいでしょう。 それに現実の諸条件を考えて子分である事を選んだとしても、アメリカに絶対的・盲目的に服従しなければならないという事はありません。

2013-10-25 08:37:59
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑪子分は子分である限り、親分の言うことを全部聞かなければならないというのは、日本人的発想かもしれないですね。 親分子分関係を情緒的な信義、忠節、献身の関係のように捉える発想は欧米にはないでしょう。 親分子分関係といっても、一種の取引関係、契約関係ですから。

2013-10-25 09:37:51
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑫弱い国は弱い国なりに主張すべきことは主張すべきだし、強い国に生殺与奪の権を握られているわけではありません。 子分としての権利と義務の範囲をわきまえて、アメリカを納得させてそれなりにやっていけばいいわけです。

2013-10-25 10:38:08
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑬しかし、アメリカの子分であることは屈辱であり、個人と同じく国家も誇りを大切にすべきだと考えるのであれば、かつてのように腹を立てて突如、真珠湾を奇襲するのではなく、アメリカの子分でなくなることのデメリットを冷静に計算した上で、そうしたらいいでしょう。

2013-10-25 11:37:52
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑭アメリカに対抗できるほどの軍事力をもたなければ、アメリカから独立できないわけでもないのですから。 その場合は、日本が屈辱的な被占領状態であることをアメリカに認識させ、そこから脱出したいという意思を表明して、アメリカとの間で話し合いを始めればいいと思います。

2013-10-25 12:38:00
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑮アメリカだって、鬼でもなければ蛇でもないのですから、日本から言い出せば、全然相手にしないということはないでしょう。

2013-10-25 13:37:55
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑯アメリカは日本が屈辱的な被占領状態にある事を当然知っていると思いますが、日本がこの事実から目を逸らしていて…屈辱的状態に黙って甘んじているのだから、別にアメリカのほうから、これでいいんですか、と気を回すことはない、このまま子分扱いしていればいいと思っているんじやないでしょうか。

2013-10-25 14:37:56
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑰親分のほうから親分をやめたいと申し出ることはまずないんで、子分の身分から脱出したければ、子分自身がなんとかしなければね。 日本が不満な屈辱的現実を認識し、それを解決する方向に動き始めれば、アメリカが、そんな現実はないよと頭から否定することはないと思いますよ。

2013-10-25 15:37:53
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑱子分でいるのも、独立するのも、それが現実を冷静に認識した上でのものなら、どちらを選択したっていいんですよ。 いずれにせよ、事実上はアメリカの属国なのに、対等だと思い込もうとしたり、アメリカなんかやっつけられると誇大妄想に陥ったりするのだけは避けなければなりません。

2013-10-25 16:38:08
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑲日本の国益を第一に考えればいいんで、親米か反米か、なんてレベルで考えるのは間違いです。

2013-10-25 17:37:51
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

①日本はふらふら、ぐらぐらしているからダメなんだ、もっとしっかりしなければと、事あることに繰り返されますが、首尾一貫、毅然として確固たる所信を貫けと言われても、そういうことは「今日から毅然とするぞ!」と決心すればできるというものではなく、そうできる為には…人格の統一が必要です。

2013-10-25 18:37:58
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

②精神の意識面と無意識面とが一方がこっちを向き、他方はあっちを向いて分裂しているような状態では、それはそもそも不可能です。 人格の統一のためには、外的自己と内的自己とをともに認識して、意識的人格に組み込む必要があります。<『日本がアメリカを赦す日』

2013-10-25 19:37:57
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

③現実に存在する自分のある面を、変だとか、とんでもないとか、けしからんとかで否認している限りは、人格の統一は絶望です。

2013-10-25 20:38:03