ukiyo_do's twnovel

ukiyo_doのついのべ記録。
1
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
浮世堂 @ukiyo_do

シャンパンにオレンジジュースをくわえて、箒星の尾をほんのひとさし。特別なミモザ。自分へのご褒美。#twnovel #twnvday

2013-03-14 22:00:12
浮世堂 @ukiyo_do

桜を見に公園に来た。どれもまだつぼみばかり。「どう?調子は?」「??」だめだ、外来種か。「調子はどう?」「このままあたたかくなればすぐですよ」お、在来種。「外来種は言葉が通じないから困るよ」「私外来種ですよ」「え」「あそこの彼は帰国子女なんですよ」「え」 #twnovel

2013-03-13 21:05:52
浮世堂 @ukiyo_do

竹の根が土を掘り、えぐり、割き、もぐる。大きく青く天に伸びるためだ。土を押し退け広がるのは春の風にも倒れぬためだ。育ち、月日過ぎては腐るのみ。伸び過ぎればぽきりと折れるのみ。どのみち結果だ。竹には先などわからん。わからんほうがいい。#twnovel

2013-03-11 22:57:03
浮世堂 @ukiyo_do

暗い暗い道だった。寒い寒い夜だった。原付で走った。エンジンが悲鳴をあげても、スロットルを戻せなかった。街灯も家の明かりもない暗い暗い住宅街から早く抜け出したかった。目の前の頼りないヘッドライトだけが、目の前を照らしていた。照らされる闇は眩しそうだなと思った。 #twnovel

2013-03-11 22:08:58
浮世堂 @ukiyo_do

風に舞うあなたの髪も、考え事をする時のその仕草も、甘いものを頬張る時のその笑顔も、お酒を飲んだ時のその楽しそうな声も、すべては僕の気のせいで、すべてはきっと春のせいで。だからあなたの笑顔をまた夏にも秋にも、そう冬になっても見たいのです。僕をときめかせるあなたの #twnovel

2013-03-10 21:22:32
浮世堂 @ukiyo_do

クッキーを焼いていた。たくさんの生地を小分けにしてチョコを入れたり角切りにしたバナナを入れたりココアを混ぜたりレーズンを入れたりしながら焼いていた。いつの間にか家がクッキーでいっぱいになっていた。#twnovel

2013-03-10 16:01:25
浮世堂 @ukiyo_do

透明な薬を飲んだ。光の加減で瑠璃色に輝くそれは暗闇では形も捉えられないくらい闇に溶け込む。「なんの薬だったの?」白磁のような肌の彼はその綺麗な顔をゆがませる事なくゆるりと微笑み「恋の病に」と答えたあと、哀しそうに空を見ていた。#twnovel

2013-03-04 13:21:00
浮世堂 @ukiyo_do

呪いをかけられた。毎朝必ず言わないと出かけられない合い言葉。指輪をつけて唱える魔法の呪文。「愛してるよ。いってきます」最初は照れや気恥ずかしさが勝っていた。いつしか欠かせない習慣になった。君のいない今、この呪いは解けているのだろうか。写真の君は微笑んだままだ。#twnovel

2013-03-03 15:31:16
浮世堂 @ukiyo_do

出来るだけたくさんがいい。脇に一抱えにまとめた本と、片手に下げた木の枝で編んだバスケットから突き出したバゲット、珈琲の入ったステンレスのタンブラー。出来るだけたくさんがいい。時間はあまりないからさ。好きなことをする時間は #twnovel

2013-02-26 19:43:26
浮世堂 @ukiyo_do

この暖房の効き過ぎたオフィスから逃れたい。その一心で仕事をしている。トイレに行けどたばこを吸えど戻るのはこの机。暖房地獄。汗ばむ熱気と、眠気を誘う終わらぬ仕事。もはやこれまで。プシュ!プルトップを豪快に引きちぎると上司の机にぶん投げた。この支配から脱出してやる! #twnovel

2013-02-23 17:21:32
浮世堂 @ukiyo_do

恋珈琲を注文した。甘くて苦くて切なくて、芳醇な香りと舌に溜まる濃厚な味。飲み干すと底にはザラメがたっぷりたまっている。失恋すると決まってマスターに注文する、私だけの珈琲。「最後には甘いの?」「苦いのあとは、甘くなきゃ」マスターは微笑みながらカップを磨いている。 #twnovel

2013-02-23 17:07:28
浮世堂 @ukiyo_do

ビールの白い泡に乗って旅をした。ベルギー、ドイツ、アメリカ。気分の赴くまま好きなところへ飛んだ。イスラエル、タイ、台湾にも行った。でもやっぱり終点はアサヒだった。終点につく頃には泡はマイルがたまって金色に輝いていた。そのままビルの屋上に着陸した。うん、あそこ。 #twnovel

2013-02-23 16:59:04
浮世堂 @ukiyo_do

男は月曜に映画を観る。週末の夜勤明けに単館でビールを飲みながらくつろぐ。その日は白黒の映画だった。見回しても客は見えない。映画の内容も見えない。欠伸で涙がでた。ふと、隣で欠伸。「眠いですね、これ」ふるふると首をふるとすっと立ち上がり「また今度」と猫は去っていった。#twnovel

2013-02-18 08:23:19
浮世堂 @ukiyo_do

毛のないコウモリは自分の醜さが嫌いだった。鋭いかぎ爪や豚のような鼻に。しかし毛のないコウモリは耳が良い。屋敷に忍び込んでは音楽家のピアノに耳を澄ますのが何よりの楽しみであった。ある日コウモリはそのかぎ爪で見事に演奏してみせた。音楽家の死を弔うレクイエムだった。#twnovel

2013-02-15 20:37:28
浮世堂 @ukiyo_do

「なんか食べたいチョコのブランドある?」「手作りのチョコがあればなにもいらない」「去年作ったチョコを食べなかった駄目旦那はどこのどいつだ!!」「ご、ごめん!だってもったいなくて…ごめんなさい」「まったく…で?ど、どんなチョコがいいのよ?」 #twnovel #twnvday

2013-02-15 00:01:12
浮世堂 @ukiyo_do

フェーヴの変わりに指輪を入れた、特別なチョコ風味のガレット・デ・ロワ。友人たちの協力もあり、フェーヴはきちんと彼女の元へ。みんなが見守る中、ひと口ふた口と食べ進め、すっかりと平らげた彼女。「これ美味しいね!すぐ食べ終わっちゃった!」えっ #twnovel #twnvday

2013-02-14 12:49:49
浮世堂 @ukiyo_do

「最近何かいい事あった?」「ないなー。お前は?」「ない。潤いがほしいね」「たとえば?」「これ、作ったんです!食べてくださいっとかさ!」「明日はバレンタインか」「うん!」「お前はいまショコラティエか…」「 …うん」「自分で自分のハードルをあげるんじゃない」「はい」 #twnovel

2013-02-13 23:43:31
浮世堂 @ukiyo_do

美容師は髪をこよなく愛した。長くしっとりとした髪や短く艶のある髪も、痛んでパサパサになった髪もゴワゴワに荒れた髪も等しく愛した。切った髪をこっそりと持ち帰り愛でる日々。やがて髪のクッションやソファが出来た。ベッドや洋服も出来た。ただカツラだけは出来なかった。 #twnovel

2013-02-12 22:18:14
浮世堂 @ukiyo_do

「あの、受け取ってください!」丁寧に包みを開くとザッハトルテが。「あ、ありがとう。とても嬉しいよ」このザッハトルテには見覚えがある。そう、クックパッドに俺が投稿した自慢のザッハトルテだ。味もばっちり。最高のバレンタインだ。「よかった!自慢のレシピなんです」えっ #twnovel

2013-02-10 10:51:14
浮世堂 @ukiyo_do

#twnovel 天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。暑過ぎず寒過ぎずを心がけ、過ごしやすい天候管理がモットーだが、日本だけは例外だ。勝手にいじると怒るのだ。季節感を損ねるんだって。

2013-02-08 12:44:21
浮世堂 @ukiyo_do

#twnovel 天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。ある億万長者がその日の天気を買い取った。毎年その日雨が降る。亡き夫の命日、彼女は墓の前で静かに微笑む。「あなたのきらいな雨ですよ」

2013-02-07 20:58:51
浮世堂 @ukiyo_do

#twnovel 天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。だから娘の初デート邪魔したいからって無理やり天気を雨に変えちゃだめですって委員長!その日は体育の日なんですから!!

2013-02-07 20:51:28
浮世堂 @ukiyo_do

#twnovel 天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。だからと言ってデート毎に職権濫用して晴れにしてくれるのはいいんだけどさ、相合傘もいいじゃない。女心もすこしは読んでよね?

2013-02-07 20:41:15
浮世堂 @ukiyo_do

#twnovel 天気予報という言葉は姿を消した。科学の発達で地球の天候は完璧に制御できるようになり、国連の機関「世界天候委員会」が運営を行っている。希望天気は入札となった。特に「クリスマスの雪」は競争率が高い。日本は単独トップ。何もしなくても雪は降るとも知らずに…。

2013-02-07 20:08:44
浮世堂 @ukiyo_do

グラスを空けるとバーテンダーが古びたボトルを持ってきた。「最古のテキーラです。一杯どうですか?」「いただくよ」とろりとした冬の高い空に似た青は、ショットグラスでかすかに揺れる。鼻に近づけて香りを楽しみ、一口舌に落とす。ついで飲み干す。翌日お腹が痛くなった。 #twnovel

2013-02-06 23:10:32
前へ 1 ・・ 3 4 次へ