“天皇直訴” 山本太郎の「オキュパイ」と反原発の「ショック・ドクトリン」

モーリー・ロバートソンさんが、いわゆる山本太郎議員問題、天皇陛下への直訴が、今後の反原発運動に与える影響について考察、分析しています。
15
モーリー・ロバートソン @gjmorley

つまり反原発アジテーターによって繰り広げられた「ショック・ドクトリン」ではないかと思います。「議員である前に、人として許せない」といきまく人も、「こんな危険な状態が隠蔽されているのだから、ルールを破るのもやむなし」とする人も、おそらく自分自身の感情を管理しきれていない。

2013-11-01 22:33:47
モーリー・ロバートソン @gjmorley

つまり山本議員の戦術に乗り、しばし頭の中が山本太郎氏に占有、オキュパイされている。米国がイラク戦で展開した電撃作戦は「Shock and Awe」と呼ばれました。山本議員はショックとその余韻によって、かき消されそうであった少数派の世界観を大衆に押し込むことに成功したのです。

2013-11-01 22:35:39
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ハフィントン・ポスト日本版> 山本太郎氏をスルーする技術 http://t.co/Fni6b9PDBh 「今回の件で国民が騒げば騒ぐほど、山本太郎氏の不支持者は増えるが、一方でシンパシーを感じる支持者も増えるだろう」

2013-11-01 22:38:06
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ハフィントン・ポストの記事で筆者は、炎上ポリティクスにより「支持者も当然先鋭化するので、一種のカルト的な集団が形成される可能性もある」と指摘しています。過激なアクションが踏み絵になる構図です。ただ、読んでいて今ひとつ満足できないものがありました。

2013-11-01 22:39:31
モーリー・ロバートソン @gjmorley

プロパガンダは理性的な訴えに加えて、無意識の領域、つまり情動への訴求力を持つほど効果的です。ぼくが注目しているのは山本議員の「セクシーさ」です。主張は原理主義的ですが、論点を一点ずつ冷静に検証すれば、賛成するか反対するかは群衆ではなく個々人で決められます。

2013-11-01 22:41:00
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ですが国民の心の中で、言語化はされていないけど天皇陛下に抱いている「思い」が人質になった時、論点の検証ではなく、群衆の心理にスイッチが入る。「わーっ」となる。そして賛成・反対する両陣営からは相手側の考えが「信じられない」もの、嫌悪の対象へと変貌する。「Other」が作られる。

2013-11-01 22:42:57
モーリー・ロバートソン @gjmorley

脱原発運動が「次のステージ」へと進んだようにも見えます。議論より実力行使、冷静さよりも動員の方向に今後進む人たちが増えるかもしれません。山本議員が放ったアジテーションによって、日本国民はより明白な「原発NO!」の要求を政府につきつけるだろうか?それとも運動が消滅するのだろうか?

2013-11-01 22:46:02
モーリー・ロバートソン @gjmorley

一つ自信を持って言えるのはこの騒ぎによって、今後原発の問題は、ゆるやかに風化していくことが許されなくなったということです。「原発を支持しますか?」という問いはいつしか「山本太郎氏を支持しますか?」という情緒的なものと重なる部分が大きくなるでしょう。イシューの先鋭化です。

2013-11-01 22:50:33
モーリー・ロバートソン @gjmorley

今後、セミナーでも無意識の領域に訴えるプロパガンダ・政治煽動のメカニズムを解説していこうと思っています。プロパガンダは粗っぽいものも功名なものも、その時の状況や背景の中で力を発揮するものです。アジテートする側だけでなく、アジテート「されたい」側がいて初めて成り立つ。

2013-11-01 22:52:24
モーリー・ロバートソン @gjmorley

早くもまとめていただきました> 山本太郎の「オキュパイ」反原発の「ショック・ドクトリン」 http://t.co/fE8JED6MGb

2013-11-01 23:05:25
モーリー・ロバートソン @gjmorley

@as_daisuke ありがとうございます。プロパガンダやポピュリズムと、人間の無意識の関連性、および個々人の考えが群衆へと飲まれていく過程を最近リサーチしていました。きっかけは日本の「脱原発」運動でしたが、世界の各所に繰り返し起きている同時進行のパターンでもあります。

2013-11-01 23:10:50
モーリー・ロバートソン @gjmorley

山本太郎議員手紙手渡し問題 「マスコミが騒いだから」と反論 http://t.co/CAHOqkLlx8 #FNN @FNN_News

2013-11-01 23:20:25
モーリー・ロバートソン @gjmorley

FNNの報道から:山本議員は「天皇陛下の政治利用というなれば、オリンピックの招致や政府主催のイベントなどで、天皇陛下万歳という言葉を使うこと自体が、その場に天皇陛下をお招きすること自体も、政治利用になりかねないと思う」と反論。

2013-11-01 23:20:52
モーリー・ロバートソン @gjmorley

「脱原発の一部で原理主義的なコアが固まっていく」という、抽象的な言い方をしているので、物足りなく思っておられる方もいるようです。そこで以下、ツィートを引用します。炎上防止のため、ご芳名は直接引用しません。

2013-11-01 23:38:03
モーリー・ロバートソン @gjmorley

引用:道行く人にチラシを渡してもニュースになどならない。そこを意識して、山本太郎は天皇制が何なのかとばしてしまった。差別が三谷や釜ヶ崎のドヤを作り、8次下請けまである被曝労働を支えた。そういう差別構造の頂点に立つのが天皇の権威だ。

2013-11-01 23:38:10
モーリー・ロバートソン @gjmorley

同じ人からの引用2:天皇は何代重ねても戦争責任がある。が今はそういう話じゃない。天皇は原発を推進してきた体制を権威で補完する存在だ。被災地の住民の怒りを誤魔化して騙すことをしてきた。

2013-11-01 23:41:21
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ただ今の引用が「脱原発」運動のどの部分にあって、どれぐらい主流なのかなどは不明です。さらに、この意見の左翼的な世界観をもってして「山本太郎を支持しているのはこういう風に過激な人たち」という絵を描こうとしているのでもありません。注目しているのはそこではなく、ガチっぷりです。

2013-11-01 23:42:44
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ガチな世界観・論法であればあるほど「目的によって手段が正当化される」という見方へと向かう傾向があります。「天皇制それ自体の悪、および天皇制と補完関係にある原発推進の体制と戦っているのだから、山本太郎の行為は一部か、全部が正しい。」

2013-11-01 23:45:19
モーリー・ロバートソン @gjmorley

右派・保守からの「不敬にもほどがある!」といったツィートは現在、滝のように流れているので引用しません。Yahoo!のリアルタイム検索でチェックできます。

2013-11-01 23:49:46
モーリー・ロバートソン @gjmorley

原理主義は固まるからこそ純粋になっていく。純粋だから、固まり、妥協をもたらす対話そのものを拒む。そして緩やかな意見を持つ人に対して、先鋭化することを迫り、中立や曖昧な見解を保つことを許さない。最終的には対立陣営が双方とも感情に溺れ、このようにして議論はハイジャックされていく。

2013-11-01 23:53:12
モーリー・ロバートソン @gjmorley

原理主義が運動の中でヘゲモニーを乗っ取り、曖昧・穏健な意見を持つ人たちが「甘っちょろい」「そんなので目的が達成されるわけないだろうが」と非難され、言われた側が言い返し、次第に運動そのものが殺伐とする。過激なパフォーマンスは繰り返される。中産階級はドン引きする。というサイクルです。

2013-11-01 23:56:12
モーリー・ロバートソン @gjmorley

以上、山本議員のアクションによって「サイコロ」が投げられたと思います。この先「脱原発」運動には、強い副作用が及ぶでしょう。『浅間山荘』をつい思い浮かべてしまう自分もいますが、ネットを媒体に形成される世論や運動の行く末は、そう簡単に占えるものではないとも思っています。

2013-11-02 00:00:17
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ところで、現在小説「MK放射能」というものを執筆中です。水道橋博士のメルマガに連載しています。群集心理やそれを導こうとする政府、戦前秘密警察などが登場します。「特高」の人情味あふれる鬼束さんが、内偵している(当時の)朝鮮人社会で15歳の少女とほのかな恋に陥る、など小賢しい展開も。

2013-11-02 13:33:20
モーリー・ロバートソン @gjmorley

現在のチャプターで描こうとしていることの一つは、天皇の絶対崇拝をプロモートしている政府の側にいて、次第に冷静になっていく人と、反対に狂信的な「天皇依存」になる人のコントラストです。非常に微妙な食い違いでずいぶんと運命が変わっていくさま、とでも言いましょうか。

2013-11-02 13:34:28
モーリー・ロバートソン @gjmorley

そうだったはずなのですが、山本議員が陛下を政治問題に引きずり込んだり、それが国民を思い切りアジテートするというさまを目の当たりにすると、ますます現実に先を越されたようになってしまい、小説から離脱して論評をメルマガに書いてしまいそうな自分がいて、それが怖い。

2013-11-02 13:35:15