まい調=エル君とケンカ=その② そして仲直りへ

喧嘩してからとにかくすれ違い続ける二人 さあ、二人の友情の行く末はどうなってしまうのか!
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ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「四年前の事がお前に影を落としているなら、お前と私は同族で、……ずっと同じ痛みを抱えていて、……仲間だ。私が銃を持った日に、お前が支えてくれたみたいに、私もお前の支えになりたい。……それを許してくれないか?」真摯に告げ、瞼を開く。

2013-10-20 11:35:36
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 捧げ持った手を口許に引き寄せ、掌に唇をそっと落としてからテーブルの中央に戻した。エルロットの目を真っ直ぐに見詰めて、答えを待つ。

2013-10-20 11:39:33
コウ @kouya_sib

@futimothy 手の動きを眺めています。「友人でいたいならと、大事なことだからと、君が言ったから……君だから話したことだ。君の手を拒んだりはしない。これが君にとって不愉快でないなら、苦痛にならないなら、覚えていてほしい。君が自分を受け入れてくれるなら、嬉しく思う」

2013-10-20 14:41:54
コウ @kouya_sib

@kouya_sib @futimothy 「だが、自分は父を止めることも出来なかった加害者だ。そんなものと、何もかも、家族や大切な仲間さえ喪った苦痛を同じにしたのでは、人々への侮辱だろう」分かるものかと、何度も聞いた言葉が蘇る。「同じように痛みを抱えていても……同じではない」

2013-10-20 14:42:39
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「当然だ、忘れない。」「エルロット、私の友よ、これだけは覚えて居てくれ。私は許す。誰に命じられた訳でもなく、お前は自分の意思で此処に居る。過去の償いとして、未来を掴もうとして。この先誰が何を言ったってその事実は変わらない。」

2013-10-20 15:01:24
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「それにお前の父親の道具にされたとは言え、お前の姉さんは……大切な人を喪って、悲しんで、お前はそれに触れて来たんだろ……胸が痛くなった、そう感じた?」問い掛ける。

2013-10-20 15:27:37
コウ @kouya_sib

@futimothy 「……ありがとう」安堵したような、これまでの常識が塗り替えられ混乱したような……戸惑いつつ、それだけを口にする。次の言葉に苦渋の表情で小さく頷く。「当時の姉は、見ているのも辛かった」カーレル。呼びかける虚ろな笑みを思い出す。

2013-10-20 18:28:08
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 頷き「それはお前が姉さんの受けた傷を理解しようとしたから……」それで合ってるな?と目線で確認しつつ続ける「だから、一部なりとも痛みを預かった……。」「完全にその人の感じた悲しみとか、後悔とか痛みを理解する事は、人には複雑すぎるけどさ。」

2013-10-20 19:56:21
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「近付こうとした分だけ、距離は縮まるだろ?私にもお前の立場の苦しみは捉えきれなかったけどさ……こうして痛みの一部を預けてくれた。」決意を固めた様に言う「だからさ……お前が嫌でなければなんだが……私は私の痛みを……きちんとお前に預けたいと思う。」対等である為に

2013-10-20 20:16:05
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib その場の勢いとか、怒りに任せて叩き付けた言葉じゃなくてさ……▼

2013-10-20 20:17:30
コウ @kouya_sib

@futimothy 「……分からない。ただ、姉が自分の知らないことで苦しんでいるのが辛かった」じっと話を聞いて、緊張した面持ちで頷く。「君が、そう望むなら……自分で、良いのなら。聞かせてほしい。自分が少しでも……君の痛みを和らげられるのなら……」

2013-10-20 23:10:04
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 同意と共に、重ねた手に伝わってくる緊張感。私も微かに力を込める。「長い話になる……“ニケ”の話」私は話した、時折つかえながらも。あの子とどんな風に育って、どんな風に喋って、どんな事に喜びを見出だし、悲しみ、怒り、どんな事で笑ったのか、あの歌声、柔らかな髪……

2013-10-21 23:46:44
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 話せる限り詳細に、共に在るとの誓い、子供じみた儀式、未だに残る指先の傷痕を見せる。「自分にはつい力加減を間違えてね、血が全然止まらなくってさ、自分で切ったくせに痛いのなんのって、巨人に叩き落とされるより痛かった。」少し笑う。

2013-10-21 23:55:44
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「お前が此処に来る少し前位から、私は身体に受ける痛みが一切無くなった……。戦い続けるには、便利な身体に成ったものだと思うよ。どうせだったら心からも痛みが消えれば良かったのに、な。」自嘲気味な笑みが溢れる。

2013-10-22 00:01:49
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 話が少し逸れた、ニケに戻す。巨人が来た日の事、私はあの子を先に逃がした。あの子は体が弱いから。故郷の皆は無事だった、開拓地に送られ、四年前の日、作戦参加の通告を突き付けられるまでは、そして始まった作戦、私は出来る限りあの子を陣地の深い所に隠そうとした。

2013-10-22 00:11:46
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 声が震える「でもそれも全部無駄でしかなかった、何が起こったのか分からない、再び逢った時、彼女の心は既に壊れていた。」壊れた彼女の乞うまま、導かれた私の手に握られた剣は彼女を貫いた。……彼女の、ニケ·シュトラウスの物語はここでお仕舞い。

2013-10-22 07:15:07
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 深く息を吐き、視線を落とす、僅かな沈黙。「……私を半分抱えたままあの子は死んだ、……あの子の名前で呼ばれると私の中に抱えたままのあの子がほんの少しだけ……慰められる、気がするんだ。」胸が詰まり言葉が出ない、振り絞った声で話を終える「私の痛み…お前に預けた…」

2013-10-22 07:33:23
コウ @kouya_sib

@futimothy 「……」震える声。僕は何を言えば良い。きっと幸せに満ちていた過去。そして、あの日聞いた言葉が生み出した未来。その所為で、彼女ではないニケの心は砕けてしまった。その所為でこの手は、一番大切な人を――。

2013-10-22 22:31:07
コウ @kouya_sib

@kouya_sib @futimothy 一つ深呼吸。「心まで痛みを忘れてしまったら、僕たちは人間ではなくなってしまう。あの巨人たちのように、殺戮のみを繰り返す化け物になってしまう」目を閉じ、手を繋ぐ。「これは、必要なものだ。辛く苦しくとも、君が君である為に、必要なものだ……」

2013-10-22 22:31:19
コウ @kouya_sib

@kouya_sib @futimothy 「だから、自分が……自分たちが、君を支える。君の痛みを受け止める」だが、と言いかけた言葉は空気と共に飲み込んだ。彼女にとってそれが良いことなのか、僕には分からない。ただ、手を握る。「君のことも、君ではないニケのことも、確かに受け取った」

2013-10-22 22:32:10
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 「……ありがとう。」言葉と共に涙が一筋頬を伝う。「エルロット、私も力の限りお前の支えになる。こんな御時世と仕事柄だから……死ぬな等と簡単に言えはしない、だがせめてこれだけは願う……お前は……手の届かない所で壊れたり……しないでくれよ。大切な預け物をしたんだ」

2013-10-22 22:45:54
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib 最後の言葉は冗談まじりに聞こえるかの様に告げました。エル君のお手手きゅううと握り返します▼

2013-10-22 22:49:07
コウ @kouya_sib

@futimothy 「君を悲しませたくはないからな」頷く。「まあ、自分は平気だ。今日は少し疲れたが……君こそ、あまり無理はしないでくれよ。自分は君に幸福でいてほしい」そっと繋いでいるのと逆の手を伸ばして涙を拭き取ります。

2013-10-22 23:06:54
コウ @kouya_sib

@futimothy 生真面目さんは大真面目に受け取りました▼

2013-10-22 23:07:12
ふち@ふわふわむしあがり @futimothy

@kouya_sib その小さな約束が、願いが胸の風穴が少し埋める感覚を覚えた。頷いて、目を閉じてその手を受ける。穏やかな沈黙に時を告げる鐘が響く、もう夜もすっかり更けた様だ。すぅっと目を開く。「……もう、こんな時間か。」

2013-10-22 23:33:46
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