オーズ・ディケイド・平成ライダー 火を噴け!十二人ライダー 07
「キミって本気で馬鹿なんだね。そんなことしたって報われるワケないのにさ」 「見返りなんて求めちゃいない。俺はただ、この世界に生きる皆が幸せでいて欲しいだけだ」 「あぁ、そう」オルフェノクは映司に興味を無くし、つまらなそうな顔で彼を見る。「んじゃあさ、とっとと消えちまいなよ」
2013-11-09 00:30:10龍のオルフェノクはこれまで以上に深く息を吸い込み、火球のエネルギーを増幅させていく。盾で防いでなおよろける程の一撃を、生身の彼が喰らってしまえば――消し炭になるのは避けられない。避けようにも疲労で足は動かず、防ごうにも身を守るものは何もない。
2013-11-09 00:33:21今まで以上に強力な火球弾が龍の口から放たれた。映司は気持ちで負けてなるものかと、目を見開いて真正面から立ち向かう。接触まで後数十センチ。今から避けても間に合う訳がない。
2013-11-09 00:34:47火球弾が映司の目と鼻の先まで近づいたその瞬間、横から放たれた一発の光弾によって火球は細かく砕け、アスファルト上に散ってしまう。オルフェノクが光弾の放たれた方向に顔を向けると、そこにはライドブッカー・ガンモードを構えて不敵に佇む士と、彼に助けられた泉比奈が立っている。
2013-11-09 00:38:11「士さん、それに……比奈ちゃん! 無事だったんだね!」 「映司くん、捕まっている人たちは皆助かりました。思う存分やっちゃってください!」 「少し見ねぇうちにずいぶんとやられちまって……。力が欲しいならくれてやる。一気に叩き潰してやりな」
2013-11-09 00:41:41士はそう言って、”三珠”が象られた紫のメダルを投げて寄越す。「力」、「紫のメダル」という言葉に戸惑いを覚えつつも、映司は奪われたブレイド・コアの代わりに紫のメダルをバックルに挿入し、オースキャナーを真一文字に滑らせた。
2013-11-09 00:45:16バックルから流れるメロディに乗せ、映司は再びオーズに変身。騎士の鎧と飛び出す剣に代わり盛り上がった紫色の筋肉と、背面には一対の撥《バチ》が現れる。 同時に背中の撥を抜いてオルフェノクに飛び掛かるオーズ。龍の化物は火球弾で迎撃するが、炎は撥の先に吸い込まれ、一発も当たらない。
2013-11-09 00:52:09オーズが地を跳ね、オルフェノクの頭上に回った。龍の化物はやむ無く肩口の腕を十字に組んで防ぐが、火球弾を吸って強化された撥を防ぐことは敵わず、炎を纏った強烈な一撃が彼の額を襲う。
2013-11-09 00:52:39額を割られ朦朧《もうろう》とする龍のオルフェノク。オーズは彼が纏う堅牢な鎧を撥で太鼓を叩くように、リズミカルに突いて行く。炎の力が綴じられた攻撃に、龍の白銀の鎧は耐え切れず、そこらかしこに亀裂が走っていった。
2013-11-09 00:55:18形状を維持出来なくなった鎧はひとりでに崩れ去り、中から赤色のメダルが飛び出した。彼が飲み込んでいた龍騎のメダルだ。メダルが発する“何か”を感じ取ったのか、オーズは砕けた鎧の中からそれを拾い上げる。
2013-11-09 00:56:37「こ……のォ、よくも、よくも僕に土を付けてくれたな! ちきしょう、ちきしょう!」 メダルを奪われて怪物から人間の姿に戻った少年は、「殺してやる」と“金色のメダル”を取り出した。が、その眼前に生身の門矢士が立ちはだかる。 「そのメダルはお前にゃ過ぎた玩具だ、返してもらうぜ」
2013-11-09 01:01:47「邪魔をするな! 人間の分際でぇええッ」 オルフェノクの爪や牙が飛ぶ。士はそれらを躱しつつほくそ笑んだ。これで奴の注意は完全に自分に向いた。オーズの事など気にも留めていない。故に彼は、オーズが再びオースキャナーをバックルの前で滑らせていることにすら気付けなかった。
2013-11-09 01:03:54暑苦しい掛け声と共にオーズの姿がまた変わる。中世の騎士を思わせる赤き鉄仮面に、赤銅色に輝く、上半身の逞しい筋肉。加えて翼が退化し、腕や胸部と釣り合うように肥大化した下半身。何より今までと違うのは、胸のオーラングサークルが赤一色となっている点だ。
2013-11-09 01:05:13龍騎・響鬼・キバ。パワーファイトに最大限特化した形態、赤のコンボ。 オーズは士を襲うオルフェノクに背後から掴み掛かって引き剥がし、彼の頬に拳骨を叩き込む。コンボによって更に高められた腕力は、龍の顔を凹ませ、首をあらぬ方向に曲げる程強烈であった。
2013-11-09 01:07:27バックルの前でオースキャナーを斜めに滑らせ、力を集束させる。 両肩に載った龍の手を象った鎧が動き、オルフェノクの体を炎で包んだうえ、握り潰さん勢いで締め付ける。同時に足の先から放たれた『キバの紋章』が地面を伝い、彼の背に貼り付いて動きを完全に封じた。
2013-11-09 01:09:35――はぁぁぁぁあっ、セイヤーッ! 掛け声と共に龍のオルフェノクはオーズの元に引き寄せられ、突き出されたオーズの両拳を喰う。清めの音が体中を駆け巡り、それを許容しきれなくなった龍の体は、肉の代わりにセルメダルをばら撒かせ、欠片すら残さずこの世から消え去った。
2013-11-09 01:11:46「再会と不気味監獄と登場赤のパワーコンボ」終わり 08:追いかけっこと後藤の帰還と準特急地獄行き戦車 に続く
2013-11-09 01:16:18本日はこれにて。 十数ツイート後の台詞を先んじて掲載するという大ポカをやらかしてしまいましたが、既に消されておりますのでごあんしんください
2013-11-09 01:17:17